「スペインのオリーブオイル」といっても、県や地方によって採れるオリーブは異なり、その数はなんと300種類以上。当然オイルの味わいも異なりますから、店に並ぶ種類の多さたるや想像に難くないでしょう。その中からお気に入りのオリーブオイルを探すのは至難の業…と思われるかもしれません。そんな時、あらかじめオリーブオイルの種類を知っておき、どんなタイプのものが欲しいのかを決めておけば、探す難しさは楽しさに変わるはず！
さらに、テイスティングについても覚えておきましょう。テイスティングをすることで、オリーブオイルの味わいの奥深さに気付けば、魅力を再発見するはずです。スペインの美しい街を散策しながら、ゆっくりお気に入りのオリーブオイルを探してみませんか？
オリーブオイルは、「バージンオリーブオイル」と「オリーブオイル（ピュア）」の2種類に大別されます。風味が強いエキストラバージンは、サラダやマリネなどの生食に、オリーブオイル（ピュア）は炒め物や焼き物など加熱料理に向いているといわれています。
| エキストラバージン | オリーブの果実を搾ってろ過しただけの、化学処理を一切行わない一番搾りのオイル。 酸度0.8%以下 |
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| バージン | エキストラバージンと同じ製法でつくられているが、品質がやや劣るもの。 酸度1.5%以下 |
| オーディナリーバージン | エキストラバージンと同じ製法でつくられているが、バージンよりも品質がやや劣るもの。 酸度3.3%以下 |
| ランパンテバージン | そのままでは食用には不向き。オリーブオイル（ピュア）をつくるのに使用する。 酸度3.3%超 |
| ピュア | ランパンテバージンを精製した精製オリーブオイルにエキストラバージンをブレンドしたもの。 |
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せっかくスペインまで足を運んだら、オリーブオイルは専門店で買いたいところ。スペインにはオリーブオイルのメーカーが直営しているショップもありますし、最近話題の自然食品を集めたエコショップもあります。本場でこだわりの1本を見つけてみませんか？ いくつか専門店をご紹介しましょう。
高品質のエキストラバージンオリーブオイルを製造している、スペイン有数のオイルメーカー。オリーブオイルはもちろんのこと、オイルを使った食品やコスメなども手がけています。すべての商品に使われているのはエキストラバージンオリーブオイル。その品質はお墨付き。スペインの各所にショップがあるので、訪れる街をチェックしましょう。
公式URL：www.lachinata.es（英語／スペイン語）こちらもエキストラバージンオリーブオイルを製造しているオイルメーカー。商品はオリーブオイルのみで、数々の賞も受賞したいま注目のブランドです。まるで化粧品のようなブラックボトルとホワイトボトルのデザインも特徴のひとつ。ショップはアリカンテ、マドリード、マラガ、バルセロナにあるのでチェックしましょう。
公式URL：www.almazaralaalqueria.com（スペイン語）マドリードにあるエコショップ。健康食をはじめ、エコや健康関連の書店、有機野菜を使ったレストランなどを完備した、健康のデパートのようなお店です。品揃えが豊富なので、探す楽しさや選ぶ楽しさがあります。レストランには売店もあり、量り売りで惣菜などの購入も可能。休憩しながら買い物を楽しめるショップです。
公式URL：www.ecocentro.es（スペイン語）多国籍の創作料理を提供するレストラン、スローフードをはじめとする健康食品やワイン、オリーブオイルなどを扱うショップの他、エステができるスパも完備するというユニークな施設。ここで過ごせば、体の内外からきれいになれること間違いなし。日頃の疲れも解消できそうです。高級感ある内装にも注目です。
古くからオリーブオイルは、食するだけでなく肌に塗るために使われていました。古代エジプト女王・クレオパトラも、直接肌に塗ったり、入浴剤としてバスタブに入れたりと美肌を保つために愛用していたともいわれています。
オリーブオイルにはビタミン類や脂肪酸などの成分が含まれているため、肌に潤いを与え、しっとりと美しく保つことができるのです。女性はもちろんのこと、男性だっていつまでも若々しくありたいと思うもの。そこで、性別関係なく使いやすいオリーブオイルを使ったケアアイテムを紹介しましょう。
天然の豚毛ブラシに、オリーブオイルから抽出された植物性スクワランを浸透。髪や地肌の保護や潤いアップに。
スペインで有機栽培されたオーガニックオリーブを使ったオイル。直接肌に塗ったり、入浴材にしたりと使い方はさまざま。
オリーブを原料とした石けん。保湿性が高く、穏やかな使い心地で肌に優しいのが魅力です。お風呂場、洗面台、キッチンなどに。
オリーブオイルは直射日光に当たると品質がかわってしまいます。保存する場所は、日が当たらず、涼しく、なおかつ暗い場所がベスト。もし長期保存したい場合は、しっかりとフタをしアルミ箔で巻いて冷蔵庫に入れておくとよいでしょう。
また冷蔵庫など温度の低い場所に長時間置くと油分が固まってしまうことがありますが、品質には変わりないのでご安心を。常温に2〜3時間置いておけば液体状になります。
ちなみに正しく保存した場合の賞味期限は1年半くらいです。
谷口康夫 （YASUO TANIGUCHI）スペインに渡って30年。旅行会社勤務の後フリーランスでTV、雑誌などの取材コーディネーター、通訳、旅行ガイドなどで活躍。現在もスペイン国内を飛び回っている。