東国原英夫衆院議員(56)が11日、日本維新の会に離党届を提出したことを受け、同党共同代表の橋下徹大阪市長(44)は同日、市役所内で笑みを浮かべて報道陣に対応した。
10日夜に大阪市内で東国原氏と会談し、慰留した橋下氏は「東国原議員の離党、辞職は維新の会だけじゃなくて、政治の世界にとって痛手。非常に残念」と話したが言葉と違って表情は明るい。著名議員を失い、党の一大事と思われたが、実際は橋下氏にとっていいことずくめだという。
まずは、ささやかれて久しい東西不和の緩和だ。これまで事実上、旧太陽派と東国原氏を筆頭とする維新派に分裂していた。「東国原氏が身を引いたことで石原(慎太郎)共同代表の顔を立てるという橋下さんの意向を通しやすくなる。東国原さんも太陽と合流したときに、石原さんも先が長くないと判断して了承した部分もあるから、また戻ってくるでしょ」と維新関係者。
将来的に石原氏がいなくなった段階で、東国原氏が復党する可能性があるという。
猪瀬直樹氏の辞任で都知事選が行われ、東国原氏が当選した場合のプランまであるという。
「もともと維新は地方から国を変えるという方針を持っている。東京と大阪を押さえることで説得力は強くなる。東国原さんにとっても都知事を狙った過去があるし、悪い話ではない」と維新地方議員。東国原氏が都知事ならば、犬猿の仲の石原氏も賛同するという。
「どこの馬の骨かわからない人に都知事をやらせるより、橋下さんを通じてある程度コントロールできる東国原さんの方がマシと石原共同代表も思っている」と同関係者。
東国原氏が議員辞職しても比例代表当選のため、維新の名簿上位者が繰り上がり当選し、党の議席は減らない。四方八方の顔を立てる玉虫色の一手だというのだ。
東国原氏との会談の内容については「何もしゃべりません。妻に聞かれても言ってないんですから」と不敵な笑みの橋下氏。都知事選を含め、先を見据えた“政略離党”の可能性も出てきた。
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