教え子への準強姦罪に問われた柔道五輪2大会連続金メダリストの内柴正人被告(35)の控訴審で東京高裁は11日、懲役5年とした一審判決を支持し、控訴を棄却した。この判決に対し同被告は即日上告したが、ひそかに進んでいた柔道指導者としての復帰プランも暗礁に乗り上げそうだ。
内柴被告は2011年9月、コーチを務める九州看護福祉大学の女子柔道部員(18=当時)を泥酔させたうえ、強姦に及んだ罪に問われた。一審で「合意があった」と無罪を主張する内柴被告に対し、女子部員は「なかった」と真っ向対立。結局、女子部員の証言には信用性があるとされ、内柴被告は実刑判決を言い渡された。
控訴審でも、合意があったとするフェラチオ行為に目撃者がおらず、裁判長は「虚偽なのは明らか」とバッサリ。「被告の供述は不合理で信用できない」と判断された。
それでもあきらめきれない内柴被告は「検察官から出された証拠や証言は、素人でもわかるようなおかしな点が数多くあるのに、控訴が棄却されるのは納得できない」とのコメントを発表し、即日上告した。だが、最高裁で逆転する可能性は極めて低い。日本大学の板倉宏名誉教授は「100%無理ですね。ここまで内柴被告の証言が信用できないのに最高裁でひっくり返ることはない。上告も棄却されることでしょう」とみている。
そうなると、内柴被告がひそかに練っていた指導者復帰プランも暗礁に乗り上げることになる。
「内柴被告の支援者の中に柔道関係者がいて、道場を開いているんです。実は『無罪を勝ち取ったあかつきにはコーチとして迎えよう』と計画が進んでいた。本人の資質はともかく『柔道の実力は本物』と尊敬する練習生も実際いますからね。ところが、有罪が決定的となれば、それも難しくなるでしょう」(柔道関係者)
現役時代「向かうところ敵なし」と言われたほどの実力を誇った金メダリストも、いよいよ観念する日は近そうだ。
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