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検証 関塚ジュビロ<下>結果出ず、求心力低下

(2013/12/13 08:16)
アウェー鳥栖戦で選手に指示を送る関塚監督。0―1で敗れ、J2降格が決まった=11月10日、ベストアメニティスタジアム

 「クラブの続投要請を断った理由は何か?」「ラブコールは送られていたはずだが…」。11月26日、退任発表の囲み取材に応じた関塚監督は、報道陣の矢継ぎ早の質問を遮るように首を横に振った。「いや、これはクラブが判断したこと」。
 続投要請を認めていたフロントの話と、関塚監督の話が食い違いを見せた。複数のクラブ関係者によると、背景にはこんないきさつがあったという。

 クラブはJ2降格が確定する前から続投を打診していたが、関塚監督が態度を保留。何度も話し合いが重ねられたが、平行線が続いた。関塚監督が続投をためらった理由の一つには、自身が感じていた「求心力の低下」があった。

 「監督の言う通りなのか」。高比良慶朗社長が主力数人との面談に動き、選手の心が指揮官から離れつつあるチームの雰囲気を知った。フロントにとって、選手の流出阻止は指揮官選択と並んで最重要課題。「このままでは1年でのJ1復帰は難しいかもしれない」(高比良社長)。最終的に契約更新しない選択をしたのはクラブだった。

 関塚監督が指揮した21試合は3勝7分け11敗。一度も降格圏から脱出できなかった。連敗続きの終盤は控え組に加え、起用法に納得できない主力があからさまに不満を示すようになっていた。軸が定まらない戦術に対し、「あり得ない」と口にする選手もいた。対話を重視し、練習後に選手とマンツーマンで話し込むのを常としていた指揮官だったが、結果が伴わず、不協和音は大きくなった。

 クラブ関係者が口をそろえて反省するのは、信頼するスタッフを伴わずに磐田入りした関塚監督と、不安定な精神状態に陥った選手をサポートしきれなかったこと。リーグ途中の単身就任に対する周囲の同情論を、関塚監督は「自分が納得して決めたこと」と一蹴するが、クラブ内では「(選手との橋渡し役となる)腹心の不在が事態を悪くした」という見方も根強い。

 苦い教訓を生かせるか。指揮官の後任選びを含めた来季の体制づくりは難航している。

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