大幅ダウンで契約更改を終えた岩田。崖っ淵の来季へ、先発ローテを守り抜く覚悟だ(撮影・山田喜貴)【拡大】
懸命に、割り切って答える岩田の姿が、逆に痛々しく感じられた。
「ダウンです。限度額いっぱいいっぱいは、いってないですけど。当然でしょ。1軍の舞台で投げてないんで」
20%近く下げられての4600万円を、甘んじて受け入れる以外の選択肢はなかった。「タイガースに入団して最悪のシーズン」の言葉に、屈辱と悔しさがにじむ。
20代最後の1年で地獄を味わった。開幕ローテに入りながら、調子を落とし、結局、一度も、らしさをのぞかせることなくシーズンがフィニッシュ。本格的にローテ入りした2008年以降では、故障で登板できなかった10年をのぞけば、ワーストの数字が並ぶ。わずか9試合登板、たった2勝(5敗)、そして防御率4・95。考えられない成績だ。
「去年から今年にかけてもっと良くなるようにとフォームを改造したけれど、やることすべて悪い方にいってしまった」
もちろん、今は来るべき14年のシーズンしか頭にない。会見中、何度も繰り返した単語がキーワードだ。