最初の1日で300Mバイトも……初期設定後に陥る“落とし穴”
誠 Biz.ID 12月11日(水)11時58分配信
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Xperia Z1 SO-01FにSIMカードを差した。スロットは側面に配置している
「格安SIMカード」は仕事に使えるか?:
格安SIMを使ったスマホの二刀流で電話代を節約する――そんな方法を前回の記事でご紹介したが、今回からは購入したSIMカードの使い方や注意点を解説する。
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※例として使うSIMカードは、下り最大112.5MbpsのLTE(Xi)が月714円(ダブルフィックスプランの場合、データ通信量1Gバイトまで)で使える格安SIM「U-mobile*d」。これをドコモの「Xperia Z1 SO-01F」に挿入する。
まずは初期設定から。スマートフォンのSIMカードスロットがある場所は機種によって異なるので、説明書を見ることをおすすめするが、バッテリーを取り外せるスマートフォンであれば、一般的にはバッテリーの裏などにある(背面のカバーを外してバッテリーを取り出すと見つかる)。一方、今回例として使ったXperia Z1などバッテリーを取り外せないスマホは側面にスロットがある機種がほとんどだ。
SIMカードを入れて電源をオンにすると基本設定が始まる(ドコモの機種では「ドコモサービスの初期設定」もある)が、これはスキップしたり、ホームボタンをタップするなどして、すぐにホーム画面に移ってよい。まだ通信できず、設定できない項目があるうえ、「dメニュー」などのドコモ固有のサービスは、格安SIMではほとんど利用できないからだ。
格安SIMを使う場合、一般的なスマートフォンの初期設定と最も異なるのはAPN(アクセス・ポイント・ネーム)の設定をする必要がある点だ。APNとはデータ通信で必要になる接続先を指定する文字列のこと。プロバイダー毎に固有の名前を持っており、この設定を行わないとケータイ会社のネットワークを使った通信ができない。
U-mobile*dの場合はSIMカードと一緒に「接続方法について」という説明書があり、そこに「APN」「ユーザー名」「パスワード」「認証タイプ」「PDPタイプ」が表記されているので、その情報をスマホに入力すればよい。この点はほかの格安SIMサービスでも同様だ。
初期設定の詳細な方法を以下にまとめてみた。慣れれば3分程度で終わるくらいの作業で、あまりストレスを感じることなくできると思う。
●格安SIMを使う場合の初期設定
1.SIMカードをスマホに挿入する
2.基本設定をスキップして、ホーム画面を開く
3.「設定」→「その他の設定」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」を選択
4.新しいAPNを選択し入力、保存する
5.新しいAPNを選択する
●定番アプリをインストール アプリ10本でどれだけ消費する?
初期設定が終わっても、まだ続きがある。やはり定番アプリをインストールして使えるようにしたい。というわけでビジネスパーソンがよく使うであろうアプリとエンタメ系のアプリ、合わせて以下10本のアプリをインストールすることにした。
このうち、TwitterとFacebookはXperia Z1に最初からプリインストールされているので、新たにインストールするのは8本だ。Googleアカウントでサインインし(そのためGmailも受信することになる)、Playストアから8本をダウンロードしたところ、全部で合計72Mバイトとなった。以下の表にそれぞれのデータ量をまとめた。
もちろんこれで終わりというわけではなく、DropboxやEvernoteなどのようにサインインして使うアプリは、ダウンロード後にアカウントを入力する必要があり、その際にまたデータ通信が発生する。さすがにアプリはひとつひとつの容量が大きく、1カ月の通信量を1Gバイトまでですませたい(タブルフィックスプランでは、1Gバイトを超えると料金が2079円になる)筆者としては結構痛い。アプリのインストールは最初だけなので、以後は大丈夫のはず……と思いきやまだ終わっていなかった。
●まさかの初日で300Mバイト超え……でも問題なかった
筆者が購入したのは中古のスマホであり、初期化されているのでプリインストールアプリが古いバージョンだ。通信が始まるとそれらの更新通知が表示される。更新しないという手もあるが、GoogleのさまざまなアプリやXperia Z1の独自アプリといった、よく使いそうなアプリも含まれているため、できれば最新のものにしたい。
試しにすべて更新してみたが、なんとその数なんと20本。「Facebook」や「Twitter」に「Gmail」「Google検索」「YouTube」、さらにはXperia独自の「TrackID」「Social live」「Album」なども含まれた。中には「Googleテキスト読み上げ」といった、筆者が使わないであろう機能もあったが、数が多いのでいちいち手動で選んで更新するのは面倒だ。
結果、合計のデータ通信量は204Mバイトだった。アップデートとはいえ、アプリをインストールしているのとほぼ変わらないデータ量だ。これに前述の8本のアプリのデータ量を加えると270Mバイト。受信したメールなどの容量を含めると、通信量は300Mバイトに達していた。1日で1Gバイト中の300Mバイト。なんと約3分の1を消費してしまったのだ!
こんな調子では1カ月持たずに1Gバイトに達してしまう――とがっかりしたが、U-mobile*dの場合、サービス利用開始月は無料で利用できる。筆者のような罠に陥ってしまう人を気遣っているのかもしれない。とにかく助かった。
もちろん今まで使っていたスマホにそのまま格安SIMを挿すのであれば、こういった大量の更新作業はなく、今回は中古スマホを買ったために起きたことだ。しかし初月無料という仕組みがないサービスであれば大変なことになっていたし、アプリの自動更新で知らぬ間にデータ通信量が増えているという問題はこれからも起こりうる。
●Wi-Fi、公衆無線LANサービスを賢く使う
そもそも格安SIMで通信を行う場合、アプリの個別インストールが面倒でも、アプリの一斉更新や自動更新をするべきではない。それではどうするか? 「Wi-Fi」だ。もし自宅や会社でWi-Fiにつながるのなら、アプリのインストール、更新時はWi-Fiを使うようにすればいい。
自宅にWi-Fiがない、あるいは屋外でインストールや更新する必要があるときは公衆無線LANを使いたい。有名なのはマクドナルドのようなファストフードの店だが、最近はコンビニ各社のサービスも利用できる。ただし、利用するには無料の会員登録やアプリが必要で、登録も店舗で行う必要があるなど手間がかかる。急いでいるときにいきなり使おうとしても無理があるので、事前に会員登録やアプリのインストールを済ませておこう。
コンビニの無線LANを使うこともできるが、店内に長時間留まることもできないので、アプリのダウンロードに時間がかかる事態は避けたい(ファミリーマートの場合、1日の接続が20分×3回に制限されている)。
そこで、格安SIMのLTEとFamima_Wi-Fiの通信速度を計測してみた。近所の公園で格安SIMのLTEを、次に近くのファミリーマートのFamima_Wi-Fiに接続した。計測にはアプリの「RBB TODAY SPEED TEST」を使い、3回の平均値を出している。
格安SIMとはいえ、ドコモのネットワークを借りたLTEの実測は上下2Mbps前後。近所の駅前では10Mbps前後出たので、住宅街では少々通信速度が落ちるのかもしれない。とはいえWebページを見るなどの普段使いには十分だろう。
一方、コンビニのFamima_Wi-Fiは10Mbps前後出ており、十分役に立つ。これならアプリを1、2本ダウンロードするのにさほど時間はかからない。格安SIMで通信量を抑えたいときにありがたい存在だ。また通信量の制限を超えて(3Gバイト以上)低速通信になったとき、大容量ファイルの受け渡しなどが必要なら、コンビニにいけば何とかなる。
他にも駅や公共施設では、よりエリアが広く、通信速度が出る公衆無線LANサービスが用意されていることもあるので、よく行くルートの公衆無線LANスポットをチェックしておくと、格安SIMを使う場合は大いに役立つはずだ。
[小林誠,Business Media 誠]
最終更新:12月11日(水)11時58分
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