南部弁魅力 柾谷さんの「南部昔コ集」好評(2013/12/04 14:20)
9月に刊行した「南部昔コ集1」(右)と、販売する増刷版を手にする柾谷伸夫さん=八戸市公民館
 八戸市公民館長の柾谷伸夫さん(65)が編集した、北奥羽地方の民話「南部昔コ」をまとめた冊子「南部昔コ集1」が評判を呼んでいる。9月刊行の200部が「予想外」という反響を得て、500部を増刷。購入希望の問い合わせが相次いでおり、市内小学校では冊子を使った活動例もある。柾谷さんは「南部弁の魅力、昔コの面白さが再認識されている」と関心の高さに驚き、南部弁文化のさらなる普及に意欲を燃やす。(井上周平)
 
 北奥羽地方で語り継がれてきた南部昔コの著作はこれまで、昨年12月に死去した郷土史家の故正部家種康さんが標準語で著した「南部昔コ集」と「南部の昔コ」の2冊がある。
 柾谷さんはことし7〜9月に市公民館で実施した昔コの語り部養成講座に向け、テキストを作製。正部家さんの著作から75編、新たに創作された5編を選び、南部弁をふんだんに織り交ぜた作品へと改訂した。
 講座の終了後、受講生向けにテキストを冊子にして販売。さらに、市内の全小中学校に配布したところ、市内外から入手を希望する声が多く寄せられた。
 このため、新たに500部を増刷し、5日に開かれる正部家さんをしのぶ会の出席者に200部を配布、残り300部を販売することにした。
 市内の小学校では、配布された冊子を使った教育活動も始まった。鮫小児童は訪問先の福祉施設で南部昔コの語り聞かせを行い、大好評を得た。長者小では、ホームルームなどの時間を使って南部昔コの朗読に挑戦する学級もあるという。
 語り部養成講座の受講生8人も、6日に同市の「はっち」で開かれる南部弁のイベントで、語り聞かせを初めて披露する。
 柾谷さんは今後、小学校を中心に南部弁を伝える活動を活発化させる構えで、来年には新たな南部昔コを集めた「2」の刊行も計画中。「南部弁の衰退を憂えていた正部家さんに、朗報を届けられそうだ」と笑顔を見せた。
 「南部昔コ集1」は1冊500円(税込み)。八戸市公民館事務所で販売している。
【写真説明】
9月に刊行した「南部昔コ集1」(右)と、販売する増刷版を手にする柾谷伸夫さん=八戸市公民館

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