来季名古屋グランパスに新入団する京都橘高3年のU−18日本代表FW・小屋松知哉(18)が12日、京都市内の同校で会見した。小屋松は50メートルを5秒8で駆ける快足が最大の武器。グランパスの先輩FWで“元祖スピードスター”の永井を追い抜いてのレギュラー取りを宣言した。
間違いなく次代のグランパスを背負えるだけの男だ。1年前の高校選手権で得点王に輝き、U−18代表でもエースに君臨した。衆目一致の黄金ルーキーと評されるのが小屋松。会見では堂々と野望を口にした。
「U−18を経験して、将来はヨーロッパでプレーしたいと思った。グランパスでは1年目からレギュラーを奪いたい」
一瞬のスピードでDFを置き去りにするゴールゲッター。グランパスの久米GMは「ウチのチームはスピードスターを望んでいた」。テクニシャンが多い攻撃陣にアクセントを加えられる存在として期待する。
グランパスには小屋松にとって格好の目標となる先輩がいる。国内屈指の韋駄天(いだてん)・永井。定位置奪取にはタイプの似た先輩FWを乗り越えるのが近道だ。
小屋松は「自分はスピードだけじゃない。足元の技術、シュート精度も高めてきたし、決定機を数多くつくる選手でもありたい。永井さんとは別の特徴を出してポジション争いをしたい」。多彩な引き出しで永井と勝負するつもりだ。
高校までJリーグの下部組織とは無縁だった。「『出ないヤツの分まで頑張る』というような、熱い思いで高校サッカーをしたかった」と話す熱血漢でもある。
プロ入りを前に正月には2度目にして最後の高校選手権に出場する。「3年間の集大成。仲間たちと全国制覇したい」。頼もしい新人が赤鯱軍団に加わる。 (木村尚公)
【小屋松知哉(こやまつ・ともや)】 1995(平成7)年4月24日、京都府出身の18歳。171センチ、57キロ。久御山バイソンズ、宇治FCジュニアを経て京都橘高へ。2年時の高校選手権では5得点で得点王に輝き、準優勝に貢献。U−18日本代表にも選出された俊足FW。右サイドでもプレーできる。
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