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「わが闘争」著作権切れの出版で対立12月12日 23時11分
ヒトラーの自伝「わが闘争」の著作権を持つドイツの州政府は、再来年に著作権が切れたあとも、国内で出版されることがないよう対策を講じることを決め、批判的な解説を付けて出版を目指す歴史研究所と対立する事態となっています。
ドイツでは、ヒトラーの思想が詳しく記された自伝「わが闘争」は、ユダヤ人迫害など数々の残虐行為を行ったナチスの宣伝につながり、市民をファシズムへとあおるおそれがあるとして、出版が禁じられています。
ヒトラーが住所を置いていたことから、本の著作権を持つ南部バイエルンの州政府も、一切、出版を認めてきませんでした。
州が保有する著作権はヒトラーの死後70年に当たる再来年、2015年末に消滅しますが、バイエルン州政府は11日、著作権が切れたあとも「わが闘争」が出版されることのないよう、対策を講じることを決めました。
その理由について、州政府は「本の出版がユダヤ人迫害などの被害者に、今も大きな痛みをもたらすことが分かったため」としています。
これに対し、同じバイエルン州の歴史研究所は「『わが闘争』はナチスの歴史を知るうえで最も重要な資料だ」として、著作権の消滅後、直ちに出版する方針を崩していません。
歴史研究所では、ヒトラーに対する批判的な解説を本に付けることで、ナチスの宣伝につながることはないと主張しており、出版の是非を巡って関係機関が激しく対立する事態となっています。
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