今日、日本軍と実際に戦火を交えた旧連合国の中で、現在のわれわれを指して「戦犯国」とか「戦犯国民」などと呼んで見下している者たちはいない。ところが、この地球上で唯一、旧連合国とは無関係な韓国人だけは、そう呼んで日本を嘲笑している。

いったい、この珍妙な光景は何なのか。日本人という民族は何事も自分本位に思考し、「相手の気持ちを考える」ことが苦手だと評する人がいるようだ。では、お隣の国・韓国の方々は、いったい何を考えて「戦犯国」などと上から目線で日本を指弾し、人の道を説いていらっしゃるのだろうか。そこで彼らの脳内を推し量ってみることにした。

そもそも「戦争犯罪」とは何なのだろうか。具体的には戦場における市民の虐殺、毒ガスの使用、捕虜の虐待などを意味する。戦争にはハーグ条約やジュネーヴ条約で定められた国際的なルールがあって、それに違反する行為が戦争犯罪に該当する。その意味で日本が日中戦争や太平洋戦争等で戦争犯罪を行ったことは事実である。もっとも、同じように当時の連合国もまた「戦犯」の責を免れないわけで、この点で相互主義や平等性の原則が適応されなかった極東軍事裁判のアンフェアさは指摘しておく必要がある。

ただし、日中戦争では両者の戦争犯罪の非対称性が際立つことも確かだ。中国軍による日本人居留民や日本軍捕虜の虐待虐殺事例は少なくないが、それでも日本軍による同様の行為のほうが、はるかに規模が大きい。したがって、かなり一方的に日本軍の戦争犯罪の犠牲になった中国人が日本を指して「戦犯国だ」と呼ぶのは一定の合理性がある。もっとも、現実に中国人の大半はそのような指弾をすることはない。

ひるがえって韓国はどうか。中国のように日本と戦争していたどころか(*まさか秀吉の時代にまで遡る人はいないと思うが)、日韓併合から敗戦による受動的な独立まで、幾つかの暴動があっただけで、二個師団程度の駐屯で全土がほぼ平穏に治まっていた。戦争犯罪の犠牲者がいるとすれば、広島の韓国人被爆者のように、連合国によるものだ。

むしろ、当時の韓国人は日本軍の戦争犯罪側にいた。まず、将校クラスも少なからずいて、兵士に命令する立場だったから、「当事者」だったといえる。次に、捕虜収容所の監視員として、多数の連合軍捕虜を虐待した。韓国人のBC項戦犯148名のうち、大半はこの監視員である。彼らは強制徴用されたわけではなく、すべて志願だ。つまり、連合国史観によれば彼ら自身が“戦犯”と認定された身である。

さらに、日本とはまったく無関係な次元で、彼ら自身が戦争犯罪に手を染めている。アメリカと韓国がベトナムで行った戦争犯罪は、20世紀後半では最悪の一つに数えられる。地上戦での虐殺、無差別爆撃、化学兵器の使用などで、一説には200万人くらいのベトナム人市民や農民が虐殺されたと言われている。そのうち、のべ32万を派兵した韓国が犯したのが地上戦での虐殺だ。韓国軍は次々と農村を殲滅していったが、その特徴は女性や子供などを嬲り殺すという異常なほど残虐なものだった。

以上、まとめると、韓国は日本と戦争したこともなければ、旧連合国の一員であったこともない。それどころか逆に連合国から身内が戦犯扱いされている。20世紀後半には自ら最悪の戦争犯罪を行った。よって、韓国人が道徳的な優越感を滲まながら「戦犯国」などと日本を嘲弄する精神性は、客観的な歴史的事実からすると理解不可解なものだ。

では、なぜ、彼らは国民レベルでそんな優越感に浸っているのか? 

その理由は次回に述べたい。

(フリーランスライター 山田高明)