工藤安雄市議会議長に陳情書を提出する住民代表の藤沢桂子さん(左)=6日、由布市役所挾間庁舎
新たなメガソーラー建設計画が持ち上がっている由布市湯布院町塚原の別荘地リック・スプリングヴァレーの住民らが、「敷地内の広大な土地がメガソーラー事業に利用される可能性がある」として6日、景観を守るための条例制定などを求める陳情書を市議会に提出した。
別荘地は別荘や民家が並ぶ地域と、林野などに分かれている。関係者によると、太陽光発電事業に取り組む中国企業の日本法人がつくった会社が10月ごろ、林野などの土地約86万平方メートルを購入。この土地がメガソーラー建設に使われるかは不明だが、購入した会社の名前には「メガソーラー」が含まれている。日本法人は取材に対し、「事業内容については答えられない」としている。
陳情書は別荘所有者や住民ら約20人が提出。「乱開発にさらされ自然が破壊されるのではないかという危機感がある」と訴え、町内の開発のルールを定めた「潤いのあるまちづくり条例」などに沿った開発の抑制、同条例の適用対象にメガソーラーを含めること、市太陽光発電施設設置事業指導要綱の条例化―などを求めている。
この日は市挾間庁舎を訪れた住民代表の藤沢桂子さん(61)=貸別荘経営=が工藤安雄議長に陳情書を手渡し、「塚原や周辺では何十件も建設計画があり、早急な対応を」と要請した。近く、土地を購入した会社にも計画の中止を求める要望書を送るという。
同別荘地では、太陽光発電パネル設置をめぐって所有者らが提訴する事態が起き、近くの全国和牛共進会跡地の市有地(約20万平方メートル)でもメガソーラー建設計画が進んでいる。
首藤奉文市長は「市として反対はできないが、メガソーラー建設を抑制するような条例ができないか検討させている」としている。
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