主人公、童本 隆也は退屈だった。
幼馴染の結愛から誘われた、夜のピクニック。
そんな奇妙な誘いに乗ってしまうほど、とにかく彼は毎日に退屈していた。
星空が大好きな幼馴染と、星空しか取り得の無い町の、星を見る事しか出来ない展望台へのピクニック。
そんな誘いに乗るのだから、隆也もよほどの星好きかと思えるだろうが、そんな事は無い。
隆也は星が嫌いだった。
にも関わらずこの誘いに乗った訳は、ただただ純粋に、物凄く退屈だったからである。
空に一筋の流れ星が流れ、慌てて、何か楽しい事がありますようにとお願いする結愛。
消える前に3回願い事が言えたと喜ぶが、流れ星はそのまま町の方に落ちていき、隆也達の通う学園の辺りに落下、爆発が起きる。
遠目に見る限りだと、町に大穴が開いたりはしていない。
唖然としている所に、空にまた流れ星が流れる。
結愛は、今度は町に落ちないで下さいと願い事をするが、思いが通じたのか、町の方にではなく流れ星はそのまま結愛達の目の前に落ちてきた!
その土煙の中から、白髪の兎耳をつけた少女が飛び出し、町の方へと走り去っていく。
隆也はその光景を観て唖然としていたが、結愛は願いが通じたと喜びながら、その兎耳の少女を追いかけて走り出す。
結愛と一緒に町に戻ってきた俺の目に飛び込んできたのは、想像とは違う方向に変わり果てた、校舎の姿だった…