2013年12月12日09時55分
●過半数欠席続く
議案の審議が一度も行われないまま、川俣町の12月定例議会が11日、閉会した。過半数の議員9人が、議長の辞任を求めて初日途中から本会議への出席を拒否。2日目以降の会議を開けず、7日間の会期を終えた。約1億3千万円の補正予算案は古川道郎町長が専決処分する見通しだ。
5日の議会初日、日程が決まった直後に高橋真一郎議員が、佐藤喜三郎議長に対する不信任の緊急動議を提出。正副議長を除く議員14人のうち、8人が賛成して可決された。佐藤議長が辞意を表明しなかったため斎藤博美副議長を含む議員9人が退席。過半数の欠席が続き、会期最終日の11日午後5時に自然閉会した。
きっかけは7月25日にあった伊達郡3町の議員大会。各町議会が行う県への要望で、川俣町議会の案を佐藤議長が事前に議員に諮ることになっていたが「失念した」。これに一部の議員が反発した。反議長の議員は「大会当日まで要望内容を知らされなかった。忘れるなんてきいたことがない」と息巻く。
一方、不信任に反対した議員は「議長だけでなく、議員全員が事前協議のことを忘れていた。自分の責任を棚に上げて不信任などというのは論外だ」と憤る。
動議に賛成した議員の中には前議長や議会運営委員長もいる。今年1月に前議長が議会運営を批判され、任期途中で辞任したことをめぐる議会内のしこりが背景にある、と指摘する議員も少なくない。
傍聴に来ていた町の男性(81)は「復興の大事な時期に何をやっているんだ。議会に出ないのは職場放棄だ」と怒りを隠さない。川俣町議会は昨年11月、復興庁の参事官にツイッターで「田舎の議会」とやゆされた。動議に反対した議員の一人は「審議もできないこんな状況じゃ、何も言い返せねえべ」とため息をついた。(藤原慎一)