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実験
 ゼフ=アインシュタイン
 レベル22
「緋」魔導値16 限界値62
「蒼」魔導値14 限界値87
「翠」魔導値19 限界値99
「空」魔導値14 限界値89
「魄」魔導値19 限界値97
 魔力値 582/602

 お。
 魔力値だと?

 起床後、スカウトスコープを使うと新たな項目が追加されている。
 もう一度スカウトスコープを使うと、スカウトスコープのレベルは20になっていた。

 魔力値は582に減っている。
 成る程、魔力の最大値と言ったところか。
 これで他の魔導の消費魔力も分かるな。
 またあとで実験しよう。

 昨日はタイムスクエアを使って倒れ、ミリィに家まで運んでもらった。
 今は朝飯の最中、あのあと朝まで眠っていたようである。
 母さんにミリィちゃんにありがとうって言っておきなさいよ〜と言われた。

 昨日は使い方が悪かった。
 スカウトスコープの新しい「項目」これを上手く使えば効率よくタイムスクエアを発動出来る。

 今日も休みなので朝から修行に行くところだ。
 ご飯をかき込む、早く食べ終わらなければ……

「ゼ〜フ〜く〜ん♪」
「ほら、ミリィちゃん来たわよ?」

 言わんこっちゃない。
 ミリィが家に来た。母さんが部屋に招き入れようとするので、食べ物を全部腹に詰め込んで、家を飛び出す。

「今日は何する?」
「昨日の実験の続きだ。あれを実戦レベルまで引き上げる」
「また倒れないようにね♪」

 にひひ、と笑うミリィに何も言えない。
 昨日偉そうに言っといて、ぶっ倒れたからな。

 テレポートで街の外に出る。
 倒れる危険がある以上、あまり敵の強いところへはいかない方がいいだろう。

 ミリィは物足らなさそうだが、特に文句を言うでもなく付いて来る。

 歩いているとブルーゼルがあらわれた。
 先ずは小手調べと行こうか。

 タイムスクエアを念じる。

 時の流れが一瞬緩やかになり、その間にレッドボールを2回念じる。

 タイムスクエアは時間を一瞬だけ止めることが出来る魔導である。
 停止した時間の中では身体を動かすことは出来ないが、魔導を唱えることは可能、すなわち停止した時間の中、魔導を唱えることでこれを即時発動させることが出来る固有魔導なのである。

 そしてタイムスクエア中に魔導を二つ念じる事で、二つの魔導を同時に発現させる事が出来る。
 こうして発現された魔導は、魔導同士が互いに共鳴しあい、本来以上の効果、例えばレッドボールを2つ同時に行使した場合、レッドボール2発分よりも、さらに倍の威力を発揮する。
 しかしタイムスクエア中は魔導を行使する為の負担が大きく、魔力の消費も倍になってしまう。

 タイムスクエア+レッドボール×2の場合、レッドボール4発分の威力と魔力の消費となるわけだ。

 時の流れはすぐ正常に戻り、がくんと魔力の減少を感じる、が意識を切る程ではない。

 直後、ブルーゼルに火の玉が降り注ぎ、爆音が響く。
 チリも残らず消え去ったようだ。
 おお〜と声を上げるパチパチと手を叩くミリィに手を振り、自身にスカウトスコープを念じる。

 ゼフ=アインシュタイン
 レベル22
「緋」魔導値16 限界値62
「蒼」魔導値14 限界値87
「翠」魔導値19 限界値99
「空」魔導値14 限界値89
「魄」魔導値19 限界値97
 魔力値422/602

 レッドボール二発で160も魔力を消費するのか。
 ちなみに昨日はレッドブラスターを二回念じたら気を失ってしまった。
 ワシの魔力値である602以上の魔力を消耗したのだろう。
 とにかく瞑想に入る。

 タイムスクエアは年を取り、狩りを卒業してから編み出した魔導なので実戦で使ったことはほとんどない。
 スカウトスコープとの兼ね合いもあるし、とにかく色々と試してみなくては。

 …………

 とにかく色々試してみた。

 結果
 初等魔導の消耗は10〜50
 中等魔導は100〜200
 大魔導は300〜500

 大体この辺りに落ち着いた。
 固有魔導の消費はモノによってバラバラだ。

 ちなみにタイムスクエア単品の魔力消費は100。
 いくつかの組み合わせを試してみたが、現段階では中等魔導以上の組み合わせは、魔力値の関係上難しい。

 とはいえこれはあくまで目安、魔導の消耗は精神状態によってかなり上下する。

 ちなみにミリィは大分前からすやすやと眠っている。
 よくこんなうるさい所で寝ていられるものだ。

 結局の所、残念ながらタイムスクエアは現状、少なくとも今回のボス狩りでは使えない、という結論に至った。

 魔力が潤沢に使える状況ならともかく、使ったら倒れるような現状ではな。

 魔導の威力を上げる「マジックアンプ」
 高価な媒体を使うが、アンデッドに高い威力を誇る魄の中等魔導「ホワイトスフィア」

 予定通り、この二つを中心に戦うしかあるまい。
 ミリィを起こし、連れ帰ろうとした時、ふと思った。
 そういえばマジックアンプの消費を見ていないな。

 マジックアンプを使った後、スカウトスコープを念じる。

 ゼフ=アインシュタイン
 レベル22
「緋」魔導値16 限界値62
「蒼」魔導値14 限界値87
「翠」魔導値19 限界値99
「空」魔導値14 限界値89
「魄」魔導値19 限界値97
 魔力値 582/602

 む……これはマジックアンプは魔力を消費しないのか……?もしかして……

 タイムスクエアを行使し、マジックアンプを2回、同時に念じる。

 これは…ほとんど魔力の消費を感じない。
 感覚的にタイムスクエアの消費だけだ。

 マジックアンプは次に行使する魔導の威力を上げる魔導。
 本来であれば重ねがけは不可能なのだが……

 近くにいたブルーゼルにレッドボールを念じると、爆炎を上げ、ブルーゼルは一撃で消滅する。
 マジックアンプは次に使う魔導の威力とその消費を2倍にする。
 今のは明らかに4倍近い威力だった。
 マジックアンプの重ねがけにより、本来の4倍の効果を発揮したわけか。

 だが、威力を4倍すると共に魔力の消費も4倍になっている。
 マジックアンプは威力と共に魔力の消費量も上げる魔導だからな……
 今の魔力では微妙な魔導にしか使えない。
 やはりダメか……

 ーーいや
 一つだけこの状況下で使える大魔導があるか。
 緋系統大魔導「レッドゼロ」

「これを使えばいけるかもしれんな……!」
「……何一人でぶつぶつ言ってるの?」

ワシがニヤリ、と不敵に笑うのを、寝ぼけまなこのミリィに見られていたようだ。


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