イケダハヤトはMTGの「ドタキャン」「無断ブッチ」を歓迎します」という記事を書いたように、ぼくは誰かの遅刻とか欠席は、まったく気にしません。むしろ自分の時間が生まれることに感謝しております。


「重要なMTGを欠席するとは何事だ!」

というわけで、ついでに社会批判をしておきます。ぼくのような態度は、冷静に考えれば、ごく自然だと思うんですよね。少なくとも、突然のキャンセルやブッチなんてものは、怒るほどの話ではありません。怒らないのが普通で、怒る方がおかしいのです。そのくらいでブチギレるとか、どんだけ人間として偏狭なんですか。

と、いう意見に対して、「仕事の上では絶対に欠席してはいけない重要なMTGもある!」という批判もあるでしょう。これは一見正しい感じもします。

が、誰だって欠席する可能性はあるわけですから、「絶対に欠席してはいけない重要なMTG」なんてものをやらざるを得ない時点で、その仕事はどこか無理があるのです。

出社途中で事故にあったらどうするんでしょう?たかがMTGの遅刻や欠席ひとつで潰れるような会社、事業は、所詮その程度の持続可能性しかなかったということです。その遅刻や欠席がなかったとしても、どこかのタイミングで潰れていたことでしょう。

めいろまさんの言葉を引用しましょう。

遅れて激怒しているのは大抵アメリカ人なのですが、「おいおい、いい加減にしなさいよ」と周囲に揶揄されるのは鉄道会社ではなく、そのアメリカ人なのです。そもそも、誰も命に関わるような仕事をしているわけではないので、「まあ、遅刻は当たり前のことだ」と少々の遅れは気にしないわけです。取引先や会社の上司もこのようにのんびりした調子なので、遅刻したからといって怒ることはありません。

少々の遅れで業務に支障が出るというのであれば、それは仕事のやり方がおかしい、というわけです。ちょっと目から鱗が落ちるような考え方です。余裕をもたせない仕事の計画が悪い、というわけです。

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重要なので強調します。仕事をしていて、誰かの遅刻や欠席を怒らなければいけないような会社は、どこか仕組みがおかしいんです。そういう余裕のない状況を維持しつづけると、いずれほころび出すと思いますよ。過ぎたことを怒る暇があるなら、怒らないで済むような仕組み、計画、文化を作りましょう。

それが、ほんとうの意味で「仕事ができる人」の振る舞いですよ。「なぜ遅刻するんだ!!」と過ぎたことを詰るだけなら、おサルさんでもできます。綱渡りでしか仕事ができないのは、あなたの能力不足であるのに、それを他人のせいにしているのです。


「私との約束を反故にするとは何事だ!」

もうひとつ、これは表立って語られることはないでしょうけれど、「自分との約束をないがしろにされた」という点に対する怒りも生まれがちです。偉くなればなるほど、こういう愚かさに陥りますね。俺とのミーティングを欠席するとは何事か!と。

愚かさと書きましたように、これは実にくだらない話です。あなたもぼくも、この宇宙にとってはチリみたいなもんです。というかチリ以下です。約束を破られたことで怒るほど、あなたもぼくも重要な人物ではありません。そんなことで怒ってしまうなど、自意識過剰もいいところです。よく自己点検した方がいいですよ。


時間の使い方が下手

イベントに遅刻・ブッチしまくる家入一真さんのことばを引用しましょう。

僕らは隙間時間の使い方が下手になっちゃってるんだと思う。相手に遅刻されたり、なかなか電話に出てもらえなかったりする時は、その事ばかり考えてイライラするんじゃなく「時間の余白が出来た」と思って妄想や頭の整理をしたらいいさ。自分の時間を他人に依存するから遅刻を許せなくなる。

「遅刻するヤツは社会人失格だ」?そんな息苦しい常識、押しつけないでください

そうです、たかが遅刻や欠席で怒るというのは、そもそも時間の使い方が下手なんです。

もしも重要人物がミーティングに来なければ、そういう時間をどう過ごすかを考えればいいだけです。ぼくは今日(12/9)の夜に家入さんと対談予定ですが、来なければ来なかったで、家入さんのメルマガ編集者のインタビューを実施する予定です(なんと定刻にいらっしゃいました!)。誰かが欠席したくらいなら、なんとでも工夫できます。


根底にあるのは、「遅刻・欠席は悪いことだ」というよくわからん「空気」なんでしょうね。それがあるために、みんな多少のミスで謝ることになる。本当は仕方な地ことなのに。これはなんとも不健全です。

そういう空気をぶち破るためにも、多くの人が「私は遅刻、ブッチ大歓迎です」というスタンスを示すことが大切だと思います。というわけで、ぼくは表明したのどす。共感する方はぜひブログやツイッターで意思表明してみてください。多分、あなたの人生はもっと有意義になりますよ。他人のミスに怒り狂うなど、実にくだらない話なのですから。

イケダハヤトはMTGの「ドタキャン」「無断ブッチ」を歓迎します