2013年12月11日, 10:31 PM
(続き)
木村:「今やれば、上手く行く可能性の方が低い気もします。」
「(>もし変形して人前に出れなくなるならもうそれで諦めがつくと思う。)絶対にそんなことはありません。患者さんの常として、その変形を治すことを熱望されるものです。ただ綺麗に治しようが無いだろうと思うのです。」
彼は:毎日マスクしなければ外に出れない。鏡を見る度に死にたくなる。自殺も考えた。毎日本当に辛い。
木村:「手術的な事で誤解も多々あるように読めます。」「大変お悩みなのは分かりましたが、それでしたらセカンドオピニオンとして他院美容クリニックの医師に意見を聞きに診察に行かれませんか。」「皆それぞれ多様なお考えを持つものですし」「できれば5院以上回って多くの先生方の診察を受けた方が良いと思います。」
彼は:また5院以上カウンセリングを受けれた時にお伺いする。
木村:「お待ちしております。」
・・・上記最後の文面から68日後に彼は当院に再相談に来られたのですが、例によって最終枠の18:30に予約され、次の患者さんが居ないですから、またまた長く話し込まれました。この日の話し合いは23時まで続きました。この4時間半の中で、驚く事があったのですが、それは次のブログで書きます。
また彼は5院以上カウンセリングを受けれた時にお伺いすると伝えてくれたのに、結局2院、それも師弟関係にある医師からカウンセリングを受けただけでした。つまり多様な意見を聞けていなかったのです。
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2013年12月10日, 8:41 AM
4回目の鼻中隔延長+I型シリコンプロテーゼの術後も又々ですが早々に再手術を希望されました。
その時のやりとりは下記の様なものです(私、木村の返事に関しては、忠実に再現しています。彼のもほぼ忠実にです。もう代理人弁護士も分かっているはずです。)
彼は:三ヶ月は無理と断わられたばかりですが、無理してでも早くしたい。どうしても無理でしょうか?
木村:「急げば変形、壊死を起こしかねません。」
彼は:変形する可能性があっても成功する可能性もあるならやりたい。もし変形したとしても先生を責めたりする気はもちろんない。もし変形して人前に出れなくなるならもうそれで諦めがつくと思う。
木村:「お気持ちは分かりますが、成功する可能性が半分以下かもしれません。今の鼻は無理に無理を重ねています。今ふたたび手術して変形した場合、その修正は移植手術となり、もっとリスクがある手術となります。私は怖いです。」
彼は:(成功する可能性が)半分以下でもお願いしたい。
木村:「患者さんの無理を聞いて敢えてやったら、マズイ結果になったケースもあります。患者さんは、「それを治して下さい。」と言っても、もう上手く治せないのです。永久にです。私はそれが恐いのです。」
彼は:リスクなど承知している。このままなら今まで受けた全ての手術を後悔する。これであと三ヶ月も待つのは精神的に平常でいれる気がしない。明日にでもまた手術を受けたい。来週のできるだけ早い日にお願いしたい。
(続く)
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2013年12月9日, 7:30 AM
左のモニター画像が、3ヶ月以内に4回手術をやった4回目の鼻中隔延長+I型シリコンプロテーゼ手術の術直後のものです。 術前の私の不安に反して何とか結果は出せたと思いました。しかし組織が硬い状態で、癒着を剝したり鼻中隔軟骨部まで露出させ移植軟骨を取り付ける操作などに難しさがあり、手術時間もかかり、最初の腫れは相当でした。ですからこの術直後と約半年過ぎでは鼻の太さや鼻唇角が違って見えています。
この半年後の画像は 以前、当院の鼻中隔延長のHPの症例紹介2頁目に載せていましたが、半年過ぎれば鼻橋部基部の出方が控えめになり鼻唇角が小さくなって鼻先が下がった印象に変わっています(画像に術後半年超と黒字表示していました)。
外科手術の術後において待つという事は大事で、私は常々、形状の評価のためにはしばらく待たねばならず、万一再手術を行うにしても最低3ヶ月できれば半年以上待ってから行うべきです。と患者さんに言って来ました。彼にも再三同様に言い、実は当院の同意書にも、その様な文言は明記されており、彼はその同意書に毎回サインして来ました。ですが総じて、術後早々に再手術を希望され、それがどうしても待てない事を言われ、私は困惑しました。
死ぬ事、その遺書を書いている事、遺書の中身も一部具体的に告げられた事は、私にとって冥界を覗かされる様な異様な緊迫感を感じたものでした。今、彼はネット上で訴えていますが、この死ぬ事の詳細を書いて欲しいものです。
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2013年12月8日, 2:49 AM
4回目の鼻中隔延長+I型プロテの再手術は、やる前から私はモニター使用には無理か?と疑っていました。初回手術から3ヶ月も経たないのに4回目をやる事となり、瘢痕拘縮の進行や移植軟骨の癒着で延長不十分・変形、血行動態不良で変形・壊死などのリスクがあり、この様な再々々手術はモニターに採用しないのが美容外科では一般的です。
彼の4回目の手術は、たぶん結果は不完全で、5回目、もしかしたら6回目の修正もある?とも不安視していました。
ただリスクが高い手術と説得を続けても、やってみるまで分からない面があります。絶対駄目とも言えない中で再手術を強く迫る彼の希望を請けました。そして、お金がないという彼に何とか料金はタダとすべくモニターの話をしたわけです。
しかし1例目、2例目も含めて画像は全て使用させてもらいます。との意向が彼に伝わっていなかった様なのは、くどい説明をすれば鼻中隔延長+I型プロテの手術の拙劣な結果を強調せざるを得ず、彼の希望を挫く事になったからかと考えます。手術を請けるとなった以上は医師には患者の心の安寧を図る義務があると思っています。
さて鼻に関して、シリコンプロテーゼ以外のモニターの事前採用は原則不可と言っているクリニックは少なくなく、それも前の手術から半年以上しないと受けないというのはよく理解出来ます。それ以外の再手術では不確定要素が高く、本人には結果は一応納得出来たと理解出来てもモニターとして使えない場合が多いからです。
モニターとは美しさと変わり映えを求められるものです。(続く:以前のも含め表題には通し番号を付ける事にします)
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2013年12月7日, 7:36 AM
昨日の続きですが、まず料金(税別)を付記します。
初診料=3千円
1回目 鼻プロテーゼ=25万円、鼻翼縮小=25万円 (正規料金)
2回目 ハイブリッドプロテーゼ(シリコン取替+耳介軟骨移植)=36.5万円(割引)
3回目~13回目=全てタダ(静脈麻酔、深夜手術も含めて)
(検診・相談は度々1回4~5時間でもタダ、私からのメール返信179通も全てタダ)
モニターに関しては、元々当院は目・口モザイクモニターは最大30%オフなのですが他院で顔丸出し50%オフ、別の医院でテレビ出演までやっても50%オフとありますから30%は妥当と思います。
鼻中隔延長+I型プロテの組み合わせは当院では75万円(税別)です。しかし彼から希望したこの手術に「お金がない。」と言われました。それで私の配慮でモニター扱いにし、100%オフ(タダ)にするには手術術式3例くらい組み合わせれば妥当と考え、このモニターの話で書面作成の際、最初からの手術を含め「画像は全て使用させてもらいます。」と彼に言った筈です。同様の人もいて実行出来ていますから。しかし、彼がモニターは1例でも100%オフと思い込んでいたら、「(鼻中隔延長に限定で)画像は全て使用させてもらいます。」と受け取ったとも思います。
しかしこの場合、疑問なのは、彼がこの思い込みだったなら、計13回の手術の後半に希望した鼻中隔延長の軟骨を全部取る手術、鼻翼軟骨吊り上げ、鼻尖縮小、鼻スジを短く鼻先を上げる形のプロテーゼへの入替などは、鼻中隔延長とは逆の手術で、これら手術で改めてモニター契約してないので、彼は手術前に「料金支払いはどうなりますか?」と尋ねるべきだったのです。一体どういう思考だったのでしょうか?
この頃、彼はトリンドル玲奈や男性だけど女性のような鼻の写真を見せては似て欲しいと言っていましたので、いずれ彼の希望に沿う鼻になっても万人共有の美意識に外れているので私はモニターは論外と考えていました。だからこれら鼻の女性化手術をタダで行ってきたのはモニターとは一度も言っていませんし、後日ですが善意に基づくものと伝えています。
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2013年12月6日, 3:12 AM
提携のネット業の人の意見もあり、これは少々書き足そうと思いました。
アポ無しで突然来て騒ぐ彼に対し、私は(係争関係に入っているので先日面談した)代理人弁護士を通すのが社会ルールじゃないですか!と言うのですが通りません。
その時、院内には手術台上に小外科治療の患者さんがおり、診療の中断は出来ませんから警察を呼びました。
中年男性警官と若い女性警官が来られ、私は彼の言い分と当院の言い分が食い違っているのだが、とにかく今は帰って貰わないと、治療の患者さんが困る旨言いました。
中年男性警官が彼を宥め、若い女性警官が私と一緒に奥に行って、私はデスクの上で開いた書面に目を通し、若い女性警官は近くに腰掛け私の発語を待っていました。
木村:・・・ああ、どっちにも読めます。
このモニター書面には、この時の手術代をタダにする代わりに、撮影した画像をモニターで使うという様にあるのですが、彼からすればこの時の手術限定と思ったのでしょう。私は前の手術も合わせてと考えていました(理由は次のブログに書きます)。
女性:それで・・・。
木村:「全ての」文言や「期間」を書いてないですから、彼の言い分もあるでしょう。先の手術の画像だけ消しましょう。
女性:あの~、全部消すわけには行きませんか?
木村:えっ、何故です?
女性:あの騒ぎ方からすると、全部消して、やっと落ち着くのではないかと思うんです。
木村:う~ん(優しい女性警官だ)。確かに、さっき話を聞いた時も堰を切った様に捲し立ててましたしね。
女性:普通じゃないと思うんです。
木村:嗚呼。彼は弁護士と同伴の時、「捨て身で闘う!」とも言ってましたからね。う~ん・・・。分かりました。今は中で待ってる患者さんの治療が大事です。(続く)
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2013年11月30日, 12:41 AM
厚生労働省は今月、『医師の具体的な指示がなくても、看護師が一部の医療行為ができる制度の創設を決めた。国指定の研修を修了すれば自身の判断で、気管挿管や床ずれの壊死部分の切除や点滴中の高カロリー輸液量の調整、抗不安薬の内服などを「特定行為」と位置づけ解禁の方向とした。』とあります。
優秀な看護師は一杯いますから、彼女たちにもっと能力を発揮して欲しいと私は個人的には思います。しかし高度な責任も伴う故に危惧もします。我々が患者の為に精一杯努力しても、患者さんにとって医療で100%の満足は得られ難いものです。そこを医療者に敵意を持つ人物から標的にされる恐れがあると今月、上述記事を読んで思いました。
産経新聞の論説委員、古森義久氏は医療者に批判的です。以前、彼の書いたコラムは間違っていると思い、私は投書しましたら、駐在するワシントンから丁寧な手紙を頂きました。しかし古森氏は亡母様が絡んでいるだけに医療者とは永久に解かり合えないです。しかしジャーナリストとしてどんどん執筆されますから、我々には辛いものがあります。
メディオの伊藤隼也氏は医療者に敵意を持っている様です。以前メーリングリストで私のメールに相当侮蔑的な批判を展開しました。しかし自らが撮影しフライデーに載った「夫は問題病院の腐り切った医師に殺された!」には「あの記事やタイトルには何の問題もないと認識しております。」(原文のまま)と返事されました。
徳田虎雄先生の「愛-徳洲会」は本気だと思っています。私は徳田先生の講演を聞き握手して頂いてから、タダの一度も徳田先生を呼び捨てにした事はありません。医療を「愛」として実践するのは尊い事と思いますが、これも伊藤隼也氏などから足をすくわれかねないと想う、この頃です。
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2013年11月28日, 2:16 AM
大学医局でも徳洲会でも若い先生が執刀する場合はそれ以前に同じ手術の助手を何度も務め、「前立ち」と称して第一助手をしベテラン医長か部長の執刀の手の動きに合わせてスムーズな介助が出来れば合格、次回は医長か部長が「前立ち」をして若い先生が執刀医となるものです。この場合、執刀医にとっては初めての手術でも医長、部長とほぼ同じ手術が行えます。万一手術の手が止まっても医長、部長が「こうだ」と言いつつ間違いない手術が行えています。
私は徳洲会・湘南鎌倉総合病院の塩野部長(現:院長)からは、その「前立ち」を通して整形外科医として多くの事を学びましたので、今も病院のHPで塩野先生のお顔を拝見すると敬服する思いです。
私が茅ヶ崎徳洲会総合病院に移ってからはレジデントの先生や北里大学形成外科から3ヶ月または6ヶ月コースの整形外科研修に来ていた先生には同じく「前立ち」を通して、彼らが3ヶ月終了時には「大腿骨頸部骨折のCHS」、6ヶ月終了時には「大腿骨人工骨頭置換手術」の執刀医をさせてあげていました。今、形成外科学会でその時の先生に会えば随分偉くなっていますが、話してみると妙に愛想が良いものです。
さて、美容外科の場合、その「前立ち」を通しての学習が殆どありません。手術は執刀医単独か、執刀医と助手の看護師で行われる事が殆どで、若い先生は合間合間で何度か横で見学し、後日いきなり本番手術となる事が多いです。ただ美容外科医師の半分位は何科であろうと外科医として辣腕を奮って来た上での美容外科クリニック就職なので経験は生きます。(続く)
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2013年11月26日, 11:59 PM
本日朝の続きを書こうとしていたら、ついネットニュースを見て愕然としてしまいました。「桜田淳子22年ぶりステージ復帰」との画像を見てしましったのです。桜田淳子と言えば我々の世代で「花の中3トリオ」の中で一番光輝いていた人です。スター誕生で選ばれた際も山口百恵より遥かに高い評価を得ていました。「わたしの青い鳥」の大ヒットを飛ばした時は、全国の多くの男の子は「可愛い!!」と絶叫していました。尤も私は学業に専念していて芸能界には全く無関心でしたが。ただ顔や姿は位は覚えています。
今、この画像を見ると①太ってしまった。②たるんでしまった。→まずダイエットせよ。→痩せたらたるみが目立つのでフェイスリフトだ、その時、二重アゴの脂肪吸引も併用、ホウレイ線へのヒアルロン酸も行う。・・・とつい美容外科的治療を考えてしまいます。
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2013年11月26日, 8:32 AM
ニュースでは猪瀬都知事と徳洲会が取り上げられていますが、それはさておき、徳田先生の著書の他の小見出しに医学部卒業後の研修中「キチガイの様に手術を経験する」という項があります(下に抜粋)。
『私がとった方法は、大学病院および出張病院で臨床研修を一生懸命しながら、なおかつ土曜、日曜、正月休みのすべてを投入し、週に5日はどこかの病院で泊まり込みの当直をするというやり方であった。 その1つの理由は、できるだけ多くの患者を診察して症例をふやすこと。公立病院にしても私立病院にしても、卒業したての若い医者がアルバイトで当直をしていることが多かった。私はこの当直を人より多くやった。自分の勤務先で臨床研修するだけではなく、当直先でさまざまな医師や患者に接するのだから、症例は当直してない同級生よりはるかに多くなる。 また手に負えない患者が来た場合、その病院に勤務している先輩や、大学病院に勤務している先輩を呼べば、すぐに応援に駆けつけて手術をの仕方を克明に教えてくれるという気風がまだあった。診るだけでなく、こっちに実力があれば懇切に指導をしながら執刀もさせてくれた。 特に年末年始には二十八日から正月三日まで鞄に着替えをつめこんで、1週間のあいだ病院を泊まり歩いた。体力的にはギリギリの限界であったが、その結果として、私の症例はどんどん増えていった。こうして私は、キチガイのように症例を増やしていった。』 ・・・これは私とそっくりです。また私は若い頃は詰所やERのナースに当直でもないのに「宿直室に泊まっているから何かあれば遠慮せずポケベルを鳴らして下さい。」と言っていました。私はこれを『24時間フル臨戦態勢』と言っていましたが、徳田先生語録の『1年365日全力投球』と気持ちは同じです。(続く)
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2013年11月22日, 11:58 PM
ワーグナー(ヴァグナー)のこの本の題名には惹かれるものがあります。本日は脂肪吸引、二重埋没法、目頭手術、鼻中隔延長(耳介軟骨)の手術でしたが、音楽の旋律のような高ぶりを覚え、シュンシュンと軽快な手首の動きの後は、コンマ何ミリ単位の精緻な手術、次は軟骨・軟部を使った造形美学で、皆良い結果を出せましたから19時に診療が終わった後は悦に入りました。
“美容外科は芸術運動”と私は唱えていますが、その先には革命があります(美容整形は精神外科)。
私はワーグナーを知る前にニーチェを理解しようと努力はして来ましたから、ワグネリアンになれないのですが、ワーグナーの音楽は確かに大音響で聞いた時、心を揺さぶるものを覚えます。
私は医学以外では近代中欧史の研究を高校の時から続けてきましたので、いつしかワーグナーを聞いた時、国家社会主義の美学(魔力)に触れる事が出来ると大分前に気付きました。
ドイツが1933~45年、通常なら成し得ない目の眩む様な国家の復権と拡大を強迫的に進めていった事にはワーグナーの芸術を国家として具現化する如くであったと直観します。ゲルマン崇拝と反ユダヤ主義、偉大で英雄的そして激情的、精神の高揚と陶酔、荘厳さと言ったところでしょう。結果的には『悲劇の誕生』となってしまいましたが。
私は識者からこの意見が的外れとは絶対言わない確信はありますが、ただどんな歴史書にもそこまで活字にしませんね。恣意的ですしワグネリアンから批判が来るからでしょう。
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2013年11月20日, 11:56 PM
本日出先で、テレビ番組:歴史ヒストリア「女医第1号、荻野吟子」を見ました。
この女性について渡辺淳一が「花埋み(はなうづみ)」という小説を書いていて私は浪人中か医学生の頃に読んでいますが、実はそれほど感動しなかった記憶があります。
あの読書をした時も、本日テレビを観た時もそうでしたが、「夫からうつされた淋病の治療にあたった医師がすべて男性で、男性医師に下半身を晒して診察される屈辱的な体験から、女医となって同じ羞恥に苦しむ女性たちを救いたいという決意により、女医を志した。」というのが、どうもピンと来ません。
外性器というのは男も女もそんなに綺麗ではないです。随分以前ですが産婦人科医から精神科医に転科した男性医師が「毎日毎日女性の陰部ばかり診るのは気が滅入りましたよ。」と聞いて本音と思いました。また女性患者さんにとって医師の診療態度で真面目かそうでないかの空気は読めるものです。そして医師は殆どの人はエッチな気持ちで診てはいないはずです。「淋病」など感染症なら100%そうでしょう。患者さんも医師が男か女かよりベストな診療をしてくれるかを望んでいると思います。だから私は上述「同じ羞恥に苦しむ女性たちを救いたいという決意」というのは一般人向けのイントロに過ぎなかったと思います。荻野吟子は真面目で厳しく自立心のある人だったそうですから、淋病治療はキッカケに過ぎず何か責任のある仕事をしようと医師を志したのだと思います。
まただからこそ再婚した若い夫のキリスト教的理想郷の実現の話を聞いては共鳴し、東京の診療所をたたんで北海道に移住したのだと思いました。
さて私は仕事で小陰唇切除、膣縮小、性転換手術などしますが、どう手術すれば見栄えが何とか良くなるか腐心しつつ行っています。
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2013年11月19日, 11:03 PM
本日キャロライン・ケネディーが正式に駐日大使に着任しましたが、彼女がこれほど注目を浴びるのはJ・F・ケネディーの長女であるからです。そのJ・F・ケネディーが今も米国国民から慕われるのもベルリン危機、キューバ危機など乗り越え支持率が高い時期に亡くなった(暗殺)されたからです。さて山口百恵は引退して33年にもなりますが、今も語り継がれカラオケ店には彼女の曲は特に後期のものは殆ど用意されているそうです。これは人気絶頂期に引退して惜しまれたからです。同じ頃ピンクレディーも物凄い人気を博しましたが、人気が落ち目になってからの解散でしたから解散コンサートも盛り上がりませんでしたし、今、カラオケ店に行っても曲が殆どなく、僅かにピンクレディーメドレーがあるだけなどと聞きます。
人気絶頂期に去れば、その余韻はずっと続き伝説上の人物になる。小泉元総理や中田英寿も一応それに入るかと思います。さて同様の事で女優では古くはグレダ・ガルボを上げたいです。映画女優として絶頂期に35歳で引退し以後殆ど公の場に姿を現しませんでした。84歳で亡くなりましたが永遠の若さと美貌を保ったのです。それに対しオードリー・ヘップバーンは後半生はユニセフ大使として活動したそうですが、死の少し前、60代で来日した時、写真週刊誌フォーカスが老いたオードリー・ヘップバーンの顔写真をアップで載せていたのを私は見た時は泣けてきました。右の晩年の写真よりもっと老けていました。それも丁度笑顔のシーンを載せていましたから若い頃と対比されてフォーカスに対して憤ったものです。
老けた顔にも味はありますが、やはり特に女性は若くて美しいに越したことはありません。(このブログは纏まりがなくてスミマセン)
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2013年11月17日, 1:02 PM
徳洲会の選挙のやり方は今に始まった訳でなく、前の衆議院選挙の時もそうだったし、徳田虎雄先生が議員だった時も同様だったと読みます。しかし今、何故大々的な摘発かと記事を読みこんで行きますと、“徳田毅議員が反TPPだから!”との記事やコラム、ブログがあります。
TPP参加は貿易立国である日本に総じてプラスなものと私は考えますが、何分アメリカ主導で、日本においては電機・自動車など輸出産業においてはプラスでしょうが、農業・漁業にはマイナス、医療には混乱、また金融・流通・投資・労働環境に是非はともかく変革をもたらすでしょう。徳洲会はその立ち位置から反対の立場ですが、それが理由で選挙違反摘発→議員辞職を狙っているなら大いに遺憾です。
昨日たまたま青年医師と話す機会がありましたが、徳田議員辞職の可否はともかく徳洲会が特定医療法人として税制上の優遇を受けているのを廃止される事は無いのではないかと私は観ています。私が茅ヶ崎徳洲会総合病院在職中も基幹病院でありながら43億円の売上から経費を引いたら利益3億円しか残っていなく、その3億円を農村・離島・僻地の徳洲会病院へ回してたのを知っています。特定医療法人を否認されれば田舎にある徳洲会病院が立ち行かなくなります。
さて、日本は過去160年程、アングロサクソンと仲良くしていた時が上手く行っていた時で、袂を分かてばルーズベルトやハル国務長官の罠に嵌められ、敗戦で莫大な損失を被った事は忘れられません。しかし今はやはり現実的判断でアメリカと共存共栄、英米関係に近いものを模索するしかないと思っています。
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2013年11月15日, 1:10 AM
ニュースなどで「医療の原点を忘れた」「潤沢な資金で選挙運動」等と評されるのは、私からすれば『違います。』
徳洲会が「生命だけは平等だ」の理念で、農村・離島・僻地にも採算が取れないと分かっていながら病院を建て、赤字は都会に建てた病院の黒字を回して維持する姿勢を今も続けているのは尊く清廉です。また夜間の救急車受け入れを断らないのも一貫しています。
また徳洲会は儲かっているのでなく、お金を借りては病院を建てて、返済しつつも又お金を借りて次の病院を建てるのを繰り返しているのであって、上手にお金を回しているだけです。だから徳田虎雄先生は億万長者ではなく借金王です。
過去、選挙の度に大阪国税局の税務調査を受け、病院から選挙資金を出していたことが問題になっても、徳田先生は調査官に「政治は医療改革を実現するための手段だ。選挙に勝たなくては病院を造れないのだから、選挙資金は医療改革の経費だ」と強引な主張をされていますが、国税局は私的蓄財がないため刑事告発は止めています。
大義の為なら、公選法を犯してでも成す。・・・この姿勢をどう受けとめるかですが、私は昔、マルクーゼの書評で暴力革命肯定論を読んで感銘を受けました。34年も前なので具体的な文章としては思い出せません。しかし「法律体系は現体制を維持すべく造られているのであり、先の体制に行く為に、抑圧された集団は法律を破って進んで良い。結果が善であれば法律もまた変わる。」と書けばマルクーゼ的になると思います。
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2013年11月11日, 11:59 PM
表題の語句は先のブログに掲げた徳田虎雄先生の著書、阪大医学部合格前の浪人時代の小見出しです(下に抜粋)。
『家柄も金もいらない、成績が悪くてもいい。その代わり目標に向かって徹底してやることだ。一日十六時間以上、日曜も祝日も正月もなく三百六十五日、本気でやればたいていのことは実現できる。
こういうと「いや、むやみに時間をかけるだけが能でない、問題は質だ。」という人が出てくる。
だが、時間で勝たずして、どうして量で勝ち、質で勝つことができるのか。』
・・・私が徳洲会病院在職中も「まず量で確保する事、質は後で上がって来る。」だから「まずは大きな箱物(病院)を作り、最初はマンパワー不足で十分な事がやれなくても、一生懸命やっていれば、そのうち良い人材が集まり、立派な病院となる。」という様な事は読んだか聞かされた事があります。また徳田先生は「8時間は寝ても良いから16時間は働いてくれ。」が口癖だったようです。徳田先生の成功劇の根幹と言って良いでしょう。
私は医学部生の頃は徳田先生のお名前しか知りませんでしたが、量の確保、次に質として、Totalerkreig、Blitzkreigを特に医学部5年の頃は日々唱えていました。だから当時、勉強時間の量はたぶん学年で1番だったと思っています。結果も付いてきましたから。ですから学生の時の生き様を生かしたく、卒後一旦は大学医局に入局したものの、徳洲会病院(まずは湘南鎌倉)へ移ったのです。
(なお本日、11月11日は95年前に協商国と第Ⅱ帝政が休戦協定を結んだ重い日ですが、ルーデンドルフ独裁の結末であり、東部戦線終結時に皇帝に彼を左遷させ、ツァーベルン事件で険悪化したエルザス・ロートリンゲンをこの際放棄する代わりに、ブレスト・リトフスク条約は承認に持って行く別の歴史もあったと思います。)
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2013年11月9日, 11:44 PM
ここに古い本があります。昭和54年に出版されたものです。表紙の人は41歳くらいの頃の徳田虎雄先生(前徳洲会理事長)のお姿です。
私はこの本を何度も読んでいますが、赤裸々な生きざまが綴ってあり実に手応えを感じます。
私は医学部卒業後は大学医局に入局したものの徳洲会に魅力を感じ、途中から湘南鎌倉総合病院・茅ヶ崎徳洲会総合病院に勤めましたが、この2つの病院は私の医師人生の根幹をなすものです。
在職中に一度だけ皆と徳田虎雄先生の講演を聞きましたが、「世界を癒す医療改革はどうするか!」のようなお話だったと思います。スケールが大き過ぎる話でしたが、私など『大きな事を成す人は物の考えからして違うなあ。』と唖然としていました。すると講演の後で、病院見学に来ていた恐れを知らぬ医学部学生が「ロマンチストの夢ばかり聞かされた様で意味が無かった。」等と発言しましたから、私は「なっ何と不遜な事を言うんだ!!」と驚きました。すると徳田先生はその学生をキッと睨んでは反論を始めました。しかしここで私が又驚いたのは徳田先生が上から目線でなくて対等の感じで強烈に喋られる姿にでした。
徳洲会新聞には「直言」というコーナーがあり、病院職員が考えを語っているのですが、徳洲会は学閥は無く年功序列もさして無く、真剣に考えた事なら下々の職員の声を聞いてくれる風土があります。直言と夢・希望・ロマンが徳洲会だと思っています。しかし多分に過重労働は強いられます。医師の場合、若い先生だったら恐らく今だって週100時間労働ではないでしょうか。しかし、やりがいを感じるから、それに耐えて頑張れる、頑張った甲斐を見い出せる。そこに皆が徳洲会入りする理由があると思います。
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2013年11月6日, 7:41 PM
美容外科では術後に自殺もある筈です。全切開二重の翌日に自殺した若い女性がいたと聞いた事もあります。
さて当院で以前から色々と手術を受けて綺麗になった女性が、眼瞼下垂の手術を尋ねた事がありました。私は適応がないし、ソフトな感じの貴女に瞼がカッと開くのは似あわないと説明しました。
しかし彼女は都内某若手開業医のところを受診し、何と初診日に全切開+挙筋短縮術を受けました。手術時刻は当日夜だったそうです。
術後、やり過ぎで驚愕したような眼差しになり、特に左瞼は外反し睫毛の生え際の内側の白い部分が見えていました。その姿で当院に来た時、私は驚愕しました。聞けば術後すぐに彼女は驚き動揺し担当医に修正をお願いしたそうですが、担当医は頑なに3ヶ月は手術出来ないと言ったそうです。それで私に頼みに来たのですが、私は全切開の再手術を3ヶ月以内に請けた事は殆どありません。それで某ベテラン医師を紹介しましたが、そこでも3ヶ月は待たないと手術は請けないと帰されました。
私の元に戻って来た彼女は「もう死ぬ!死ぬ!死ぬ!」と泣いて叫びました。見かねた私はリスクは多大なのを説明した上で術後1ケ月の修正を引き受けました。それで社会復帰可能にして半年後の再修正をした後は幸い術後経過は良く、後に「・・・今は幸せ。」と聞かせて頂きました。安堵した憶えがあります。
さて今日、当院ではもう1人、「死ぬ!死ぬ!」と言い続けた人が突然18時前に来ました。私はこの人の「死ぬ!」は本気であると観て来ました。だから今まで死と引き換えなら応じなくてはいけないと判断したのです。今日来られた時も話を聞いて少々考えましたが気持ちが落ちつく様に配慮しました。今日も「死ぬ!」を連発されましたが、それだけは思い止まる様に言いました。
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2013年11月5日, 9:55 PM
「医師・患者関係は信頼関係を築くことが大事である」と学生時代に何度も教えられてきましたし、医師免許取得し四半世紀以上経った今もやはり同感なのですが、世間にはマスコミの一部などに医療者に敵意を持つ人たちがいます。以前週刊ポストに「手術室の真実 信じられない罵詈雑言」などという連載があったのも思い出されます。一般の方でああいう煽りの記事を読めば読んだで、そういう酷い発言もあるんだろうな?と思うのかも知れませんが、こと手術に関して、その医療機関内で手術した患者さんの結果を馬鹿にする医師はいませんし、執刀医自らなら絶対いないです。
それは患者さんに対する思いやり、配慮の面もあり、また自らのブライドから自分の手術結果を馬鹿にするのは自分を馬鹿にする事になるので、併せて絶対いないと私は思っています。
昔、某美容外科の先生が著書に戯言の表現として「二重にしてもブスはブス」と書かれていました。しかし実際、美容外科医師自信が手術した二重の患者さんに対して「二重にしてもブスはブス」とは絶対に思わない、思いたくない、思うはずがないものです。万一そのような思考をしてしまう医師は絶対に伸びませんから、オーベン(上級医)から執刀チャンスを与えられません。だいたい外科医を辞めてしまうはずです。
ただ患者さんからすれば結果は同じであっても自らのプライドから手術するのでなく、症例1、症例2、と言うより、山田さん、佐藤さんの様に人として観てくれたらより嬉しいのは当然です。
だから私が奉職した茅ヶ崎徳洲会総合病院の待合室に中国の有名な諺が掛け軸にありました。「小医は病を癒し、中医は人を癒し、大医は国を癒す。」・・・皆なかなか大医には成れませんが、中医には成れると思いますし、案外成っています。そうでないと無給なのに深夜まで働いたり休日出勤できる思考にならないものです。
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2013年11月4日, 11:54 PM
クリニックの電話が鳴る。受付がとる。すると電話の相手は親しげな声で「大石と言いますが木村先生に代わって下さい。」と言う。受付は話の口調から院長に親しい人と思い、「院長、大石様と言う方からお電話です。先生かしら?」私は、「何!大石先生!!」と電話に出る。すると「大石と申します。先生の美容外科クリニックの集客にお手伝い出来ればと思い、お電話させて頂きました。」等と言う。私は「な?あなたはどこかの会社の人ですか?個人名の前に会社名を言って下さい。」と詰問する。「申し遅れませした。Webコンサルティングの●●●●●と申します。」と平静に答える。私は「あなたは私に電話に出せるために、個人名だけ受付に言ったんでしょう!」と強く言う。すると意外に「申し訳ありませんでした。」と答え、直ぐに「ですが、耳寄りな話をお聞き下さい。」と言う。私は「診療で忙しいですので・・・。」と電話を切ろうとするが、「当社は風評被害対策専門で悪質サイトの削除、非表示化、逆SEO、IPを割り出し書き込み者を洗い出し被害の根絶まで行えます。」とスラスラと述べる。スラスラ過ぎるので私は「IPはサイト運営者から買い、IPが誰なのかは御社と密通しているプロバイダーの人から情報を得る訳?」と聞くと、「そういう方法もあります。」とまた平然と答える。そして私は次を尋ねる。「御社は風評被害を作る仕事はされているんですか?」この時、初めて相手の声が詰まる。私は「どうなんですか?」と再度聞く。すると「それはなかなかのお仕事でして、へ弊社ではありませんが、小規模の会社様では、そういう事を請け負うところもある様です。」と答えた。
・・・以上は実際にやりとりした会話をほぼ忠実に書きました。まあ昨日のもそうですがインターネットの闇の部分です。
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2013年11月3日, 11:58 PM
美容外科クリニックには、私のところを含め、たくさんのWebの会社からの広告の勧誘がきます。単なるバナー広告やリスティング広告、またSEO対策、SEOに絡めたHPリニューアルなどの提唱は、これはまあ健全な広告活動と思います。しかし、それとは別にネット上の「口コミを利用した集客」なるキャッチコピーで、結構な事を言って来る業者もいます。「“口コミサイトに貴院のプラスの評判を書き込むサービス”については“売上が1.8倍になった”“ホームページのアクセスが22倍になった”など弊社のクライアント様にはかなりの効果を実感していただいております。」等というのです。更に「書き込みメディアや書き込み内容について事前のご要望を伺い~非常にクオリティーが高いと、お客様からご好評をいただいております。」ともあります。また、「口コミ・・・~リスティングより28.4倍の効果がある集患支援・・・」などとも謳っているところもありますが、こういうのはSMO(Social Media Optimization ≒ソーシャルメディア最適化)と言い、もう例えば我々がネットで商品を買う時など本当か宣伝か区別の付かないユーザーのコメントが載ってたりして身近にSMOが仕掛けられています。業者の話を聞けば匿名とまでは言えないmixiでさえ「書き放題ですよ。」なのです。ですからプロの名前が書かれているレビューとは違って話半分で読むしかないです。尤もレビューだって識者が書いているにせよ公正中立なのか?と疑問すらあります。接待攻勢が凄いとも読みますし。
さて「風評被害対策」で聞いた事は又書きます。(続く)
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2013年11月2日, 11:58 PM
再相談の患者さんとの事です。手術予定が『鼻尖縮小+鼻から削った軟骨の鼻先への移植、プロテーゼ入替手術(高く)、鼻翼縮小手術』で、相談中、私の方から「鼻尖縮小で削った鼻の軟骨を鼻先に足すのでプロテーゼは鼻先まで来ないI型にしますか?」と言いましたら、この患者さんは「プロテ入替で目と目の間を高くするのに鼻先まで入れなかったら角度的におかしな鼻になるでしょうからL型を入れて下さい。L型で10年経ちますが何も問題ないので。」と答えられました。
私は過去に莫大な数のプロテーゼを入れて来ましたが、大手クリニック在職中は総じてL型ばかりで、他の医師もLの角はあまり厚くせずに加工して入れていましたから、殆ど問題は起きませんでした。そして相談の患者さんとはL型プロテーゼの角に鼻から削った軟骨を縫い付けたハイブリッドプロテーゼでやりましょう。との合意に至りました。
しかし昨今のインターネット情報は業者の操作のためでしょうが、L型は危険と書かれている事が多々あります。I型でも危険なものは危険で皮膚を破って出た人はいますし、術後にズレて位置が上がる、傾く(曲がる)なども相当数あります。L型は危険とのネット上の情報は、何の不具合もなく以前L型プロテーゼを入れた人を不安にさせ再手術に向かわせるマーケットの拡大、新規で受ける人にも複合手術を勧めて値段を吊り上げるのを狙ったものと穿って受け止めています。
ただ私は鼻尖縮小+プロテーゼの組み合わせでは、例え鼻の中から削った薄い軟骨とは言え、鼻先に上手に置けば、軟部組織と合わせそこそこ高さが出ますので、この場合は鼻先まで来ないI型プロテーゼを使う事が多いです。要はケース・バイ・ケースと思っています。
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2013年11月1日, 9:37 PM
女性の鼻が大きいのも困りものですが、いわゆるブタ鼻も困ります。
元々女性は鼻唇角(人中と鼻柱のなす角度)が男性より大きく鼻先が上向きで、そこに女性らしい可愛さもあるのですが、程度が過ぎると品位を欠きます。
この場合の美容整形手術の第一選択は鼻中隔延長でしょう。鼻先を下げて鼻穴も隠して、下に延びたついでに細くも見えて来るという結構な結果が出ますが、今の鼻に比較的量のある軟骨を移植するので実は鼻全体としては大きくなりがちです。I型プロテーゼとセットで受けるとそのイメージが強く出ます。
鼻中隔延長手術は要は西洋人の鼻を目指す方向で手術すると思って頂ければいいのですが、西洋人はやはり鼻がデカイです。しかし鼻が高いから細くも見えカッコ良く見えます。丁度二等辺三角形の底辺が同じでも高さが高ければ頂点は鋭角になって行くのと同じです。鼻中隔延長手術はブタ鼻を治す一番の手術ですが、それを単純に鼻を綺麗にする手術と解釈して手術を受けてはいけません。
綺麗と言う概念は可愛い~美しいまで幅が広く、その中で鼻中隔延長手術とは美しい系を目指す手術です。鼻先を高く長く下向きにする手術ですから、中川翔子や昔の小倉優子のようなロリコン系の可愛さが好きな人は、鼻中隔延長手術を受けてしまえば後悔すると思っていいです。
ですから、カウンセリングの際に、そこをよくよく説明し後でお互いが後悔しないようにしましょう。と常々に言っています。
しかし、やる前は絶対やりたい!と強く望んでも、後々、受けて分かった、やっぱり前のイメージの方が自分らしいから戻したい。などと言う人がいるから困ったものです。
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2013年10月31日, 1:16 AM
またお恥ずかしい自作の絵を載せますが、女性が美容的に「鼻が大きい」「鼻が太い」とはNGです。ワシ鼻も目立つのは普通は駄目です。しかし「鼻が高い」のは、まあ褒め言葉になりそうですが、“高い”のは“大きい”のに繋がる傾向もあり程度をわきまえるべきです。「高い鼻」転じて「立派な鼻」になりかねません。実際に鼻スジの通った美人がいたとして、その人に向って「貴女、立派な鼻してますね。」と言ったら大半の女性は、『ビミョー』に感じるはずです。
以前ヒラリー・クリントンの鼻に似た美人が当院に来られていましたが、誇り高くカッコイイ女性に見えたので、私は「整形せずに、このままという選択肢もあると思いますが・・・。」と言ったものですが、彼女から「私は“大和なでしこ”ですから。」と切り返されました。結局、鼻骨骨切り、鼻尖縮小、鼻翼縮小などを行って、綺麗だけど決して自己主張の強くない鼻になりました。仕上がった彼女の顔を見るとこれもまた良かったです。検診で彼と映っているスマホの画像を見せて頂きましたが、私はその時、本当にやって良かった。と思いました。男を立てる綺麗な女性の姿を見たからです。ヒラリー・クリントンの鼻の時は自我の強い孤高の女性のイメージでしたから。
鼻の美容整形は女性の場合、立ち位置をよく理解する必要がありますが、『目を主役にして鼻は脇役で適度な存在感。』というのを好む女性が大半です。
しかし男性の鼻は一般的には、高く太めでビシッと鼻スジが通っているとイケメンの傾向で、その場合、顔の中に占める鼻の存在感は大きいものとなります。イケメンの目は涼しげな奥二重で良く、鼻の方が主役です。
ただ、美容外科に来る男性の場合、一般男性の志向とは異なる独自の美意識を抱いている事が多いので、上述の男性の一般論に当てはめるのでなく、美の基準から外れない限り、その男性の希望に合わせるようにするものです。
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2013年10月30日, 1:59 AM
患者さんから鼻孔縁下降の相談や他院修正の依頼を受ける事があります。これは昨日書きましたプロテーゼものと反対に生着の具合で成績の差が大きいので安請け合い出来ません。このHPの症例写真のように容易ならぬものと思って下さい。しかし左記に下手な絵を描きましたが、やはり鼻の穴が目立つのは見苦しくあります。
下手な絵のついでですが、私は33年前の大手予備校生の今頃は、絵と言いますか漫画ばかり描いていました。その頃一番親しかった同じ浪人生だった人から、つい先日「ホームページを読んでいましたら院長は私が予備校で一緒だった木村君ではないですか」とのメールが来ました。これには驚きました!早速返事を書きましたら、何と私も名前を知っている大病院の事務長に昨年就任されていました。病院のHPを見ましたら、あの頃の面影を残して顔写真まで載っていました。彼は医家とは無関係だったと記憶していますが、メールを読めば病院に一介の職員として入社し事務系トップに上り詰めた様です。メールには「漫画家をあきらめた後 医師として頑張っていらっしゃることを 本当にうれしく思います。」とありましたが、私も彼が立派な人物になっていた事を本当に嬉しく思います。
また今は知人でしかありませんが、大学病院の教授になっている昔の親友がいます。あの頃はお互いの結婚式に出ては私はスピーチ、彼は流暢な英語の歌を歌ってくれた等ありましたが、当時私は彼がいずれは唯一の後継ぎとして街の開業医になるものとばかり思っていました。
人生とは分からぬものです。私も医学部卒業時には洋々な未来を考えていましたが、27歳にして日本美容外科学会に初めて参加した時、斜め後ろに居られた学会の重鎮、安見正志先生にたまたまボールペンをお貸しした事がありました。しかしその時、後年、伝統ある「安見整形」を継ぐ事になる等、全く予想もしていませんでした。人生とは面白いです。
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2013年10月29日, 11:48 PM
昨日、本日とアゴのシリコンプロテーゼ手術を行いました。プロテーゼものは経験を積んだ美容外科医師にとってはプラモデルを作る感じにも似た機械的作業です。その分、不確実性の少ない狙った通りに近いものが出せる手術とも言えます。特に全くの初回手術で日本人の顔として無理のない大きさのプロテーゼですと成績は全く良好な傾向です。
私はこの手術を昭和63年に長谷川先生から習ったのですが、鼻のプロテーゼでは骨膜下に入れるため骨膜剥離子を使うのに対し、アゴのプロテーゼは「骨膜剥離子は使わずメッツェンバウム(独)という鈍曲りのハサミを使って骨膜上に置くんだ。」と聞いて興味深いと思いました(この理由はHPトップに書いています)。≪余談ですが、長谷川先生は高須クリニックのご出身ですし、その後年に私が指導を受けた徳永先生は高須先生の同級生且つ親友で高須クリニックで多数の手術を行って来られた方なので、前のブログの「私の世代(50代)の美容外科医師なら半分位は高須先生と何らかの繋がりがあるはずです。」に、もちろん私も該当します。≫
しかし、手術というのは習ってきた系列が違うと全く違う場合もあるもので、某大手クリニックの院長はアゴのプロテーゼを骨と医療用アロンアルファでくっ付けると聞いてビックリした事があります。それも一法かも知れません。整形外科の大著「片山整形外科」と「神中整形外科」では書かれている事に相違がありますが、慈恵式か九大式かとの違いで、もうどっちが優れているとかは言えないもので、医療とはそういう面が多々あります。
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2013年10月26日, 2:02 AM
昨日、高須クリニックから「Yes!高須クリニック」のカレンダーが来ました。正直言って、感無量です。(何!?若い人はそんな言葉を使わない?・・・心底から感じ入る ・ 計り知れないほど思う。という意味です。)
このブログの初めの方で、高須克弥先生をして「先駆者」「憧れ」と書きましたが、今の私は学会等で高須先生とご挨拶やお話することが出来るようになり、高須先生のお誕生日パーティーにも招待され、思えば辿りつけたのだ。と思っています。
高須先生は日本の美容外科の歴史上最大の功労者で、高須先生が美容外科の流れを大きく変え、高須先生が美容外科を一般の人に身近なものにし、高須先生がいたから今、我々のクリニックに患者さんが来ているのです。
高須先生が、脂肪吸引やスレッドリフトを諸外国から一早く導入し、その後のその分野の隆盛の基盤を造ってくれました。クイック整形やプチ整形の造語も高須先生発でして、これで埋没法が爆発的に普及し、ヒアルロン酸注入など気軽に来院してくれる患者さんが増えました。また高須先生ご自身の整形をメディアに載せた事でますます美容外科が国民の間でも身近になりました。
十仁の美容外科学会が長らく輝いていたのも高須先生のおかけです。私は十仁の学会で26年前、初めて高須先生にお会い出来て、先生からきさくなご挨拶を受けましたが、当時は雲の上の人のように見え、私からすれば、お釈迦様かイエス・キリストに会えた様なものでした。
私の世代(50代)の美容外科医師なら半分位は高須先生と何らかの繋がりがあるはずです。60代ならもっとでしょう。また繋がりが無い人でも美容外科に関係している人なら皆、高須先生のお名前を知っています。美容外科を日の当たるところに出してくれた高須先生に皆さま合掌です!
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2013年10月25日, 11:57 PM
先週の美容外科学会で京都の冨士森先生が頬のフェイスリフトのデザインとして、Wを発表されていて妙に感動しました。(右頬の場合、もみあげを軸としてWを右周り150度という感じでしょうか。)発表の骨子は「目尻に向かう横の切開は、いずれ非常に綺麗に治る。」というものですが、今の私も高齢者には目尻から横に向かう切開をファイスリフトで時折行います。
元々は平成6,7年頃に安見先生の奥様が美容カウンセラーをしていた関係で、「吊り上げの上の傷を途中から横に向けても、その傷は消えたように綺麗になるわ。」と言われてはいたのですが、どうも顔面に横の傷を付ける気になれず、10年余りはフェイスリフトの際は、「それをやったら効果的に引き上げが出来るものの、なかなか同業医師でそこを切ってないじゃないか!」と思っていました。
ところが何年か前の美容外科学会(JSAPS)の例会の際に、冨士森先生が口頭ですが、それを口にされ、大森先生も同意したような発言をされましたので、「やっぱりやって良いんだ!?」という思いがよぎりました。
そしてそれを私が一番最初に行ったのは、下眼瞼切開+ケーブルスーチャ―の際です。ケーブルで皮下軟部組織がググッと上がると下眼瞼縁に多量の余剰皮膚が来ます。それを切り取るのですが、高齢者ですと結構な量なので、目尻外側1cmでもまだドッグイヤー(Goodyearではありません。犬の耳、つまり歪んで端が尖って上がるものです。)が処理できません。それで「いや、これは、もっともっと切らねばならん。」と思った時、安見先生の奥様や冨士森先生の御発言が思い出され「切って良し!」と、もう髪の生え際と目尻の中間より外側まで切開が伸びたのですが、真皮縫合をキチンとやったと言うのもありますが、後々は凄く綺麗に目立たない傷に仕上がりました。
そこから私はこの目尻から又は目尻に向かう横切開を時折使うようになったのですが、腫れが少ないのに効果的と、高齢者向けには、なかなか良いと思っています。
今回冨士森先生が、何十年も前から行われているのでしょうが、それを発表された時、座長が「我々が追及している手術の姿勢と大分異なるものですが・・・。」というニュアンスの発言をされました。そう古典的という意味でしょうが、古い=悪いではなく、古きに開発されて、今に生きる技術。と思います。ただ重ねて言いますが高齢者の患者さん向けです。
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2013年10月21日, 9:08 PM
本日はすみませんが休診とし日本救急医学会に出席しました。偶然ですが先週、日本美容外科学会があった東京国際フォーラムでの開催でした。
講演の演題で表現として巧みと思ったのは、「CTは“死のトンネル”から“救急へのゲート”になりうるか」です。確かに救急車で重傷外傷の人が運ばれて急いで単純レントゲンやCTを撮影し緊急手術となっても助けられずに早々に死亡ということは幾らでも在りますし、中にはCT撮影中に亡くなるということもあります。生死の分け目が僅か1分の違いで決まることも多いですから、 この演題で、東芝メディカルシステム社が開発したHybrid ERを使うことで、救急初期診療・手術・IVRを同一寝台で可能にし迅速な初期診療ができると謳っているのは大変良いと思いました。
また別の演題、「救急医療に求められる痛み・不穏・せん妄(PAD)のマネジメント」では、なるほど、ICUに居る患者さんなど長期の人工呼吸管理を余儀なくされているところへ、患者さんの不動化の理由で漫然と沈静・鎮痛管理が行われているのが常態化していますが、その沈静・鎮痛剤(特にベンゾジアゼピン系)それ自体が「せん妄」を誘発・助長するので、患者さんの転帰に深く関わっていることを指摘しています。
そしてこれに対して、演者の主張は個々の患者さんに目標とする沈静レベルを明確化し、薬剤投与のプロトコルや鎮静・疼痛スケールを活用するなど、施設内で共通認識を持っておく、定期的な評価を下し、1日1回鎮痛剤投与量を調節し、意識レベルの確認と神経学的診療を行うことを推奨し、可能な限り浅い沈静レベルを設定する。医師や看護師がGlasgow Coma ScaleやJapan Coma Scale、瞳孔観察以外にRASSやCAM-ICUなどの中枢神経ツールを活用していけば患者さんにとって非常に有意義で、それらの活用を支援・評価していくことが救急医に求められる。・・・誠に意義深い演題ですが、私が思うのは、現場は今でもキリキリ舞いで人材は疲弊している中で、人命救助が最優先しつつ、そこまでやれるのか?ということです。
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2013年10月20日, 1:35 AM
美容外科学会2日目、18日のランチョンセミナーで、ヒアルロン酸による豊胸の講演がありました。そこで演者の先生は乳腺下にボーラス(塊)に入れる事を推奨していました。私も生体組織との接触を最小限にするためボーラスの方のが良い(マシ)と思います。講演の後で私の左に、数学好きで(元)ヒゲの名医が座っておられましたから聞きますと、
(元)ヒゲ医:ヒアルは散らして入れると胸が硬くなる。
木村:接触面積が広くなるから線維性被膜が多く出来て硬くなるんでしょうね。
(元)ヒゲ医:脂肪注入でボーラスに入れれば中の脂肪は壊死して大きなシコリが出来るのに、
木村:対して生きたものではないヒアルは、
(元)ヒゲ医:乳腺下のルーズな結合式間にボーラスで入れるのが妥当なんだろう。
木村:でもせいぜい片側100~120cc、それ以上では、ゲルだから形状が作れない。
・・・なお演者の先生は、「バッグを抜いてヒアルロン酸を入れたらリップリングもなくなり感触も良くなったが、後で炎症性の腫脹、穿刺したら無菌性排液をみた。このような症例が5%程あった。」と言われましたが、私はフロアーから挙手して、「炎症性というより外傷を起因として被膜が裂ける際に出血や滲出液が生じたんだと思います。」(バッグが無くなった分、水風船みたいなものになり外力に弱い)と言いましたら、「今後の検討課題とさせて頂きます。」と返されました。私は平成2年以前のダウコーニング社の1枚膜の液状シリコンバッグを念頭に置いて喋りました。あれは数年経たないうちにバッグが破れる事が多かったそうですから。
なお余談ですが、欧米では美容整形手術では豊胸が特に盛んで(もともと目は二重で鼻は高いから)、看護師不足に悩むチェコでは、雇用の際に無料の豊胸手術をプレゼントする試みが行われたらしいです。女性団体は非難していますが、ある病院の関係者は「無料の手術を契約条件として提示した後、看護師の志願者が10%増加した」と話しているとあります。
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