神奈川県:朝鮮学校生徒に補助 全国初

毎日新聞 2013年12月11日 22時54分

 神奈川県は11日、朝鮮学校を含む外国人学校の児童・生徒向けの学費補助制度を来年度から開始する方針を明らかにした。外国人学校に対する経常費補助金は廃止する。県によると、外国人学校に通う児童・生徒を対象にした学費補助は全国初。新年度予算案に盛り込む。

 県によると、対象は県が認可する10校計2549人(今年5月時点)。うち朝鮮学校は5校で計425人(同)が通う。

 県は北朝鮮の核実験を受け、朝鮮学校へ毎年支出していた経常費補助金(計6300万円)を今年度は見送り、来年度予算案にも計上しない方針を示していた。しかし「朝鮮学校に通う子供に罪はない」(黒岩祐治知事)として、国際情勢で教育機会に影響が出ないようにする施策を今夏から検討していた。

 補助するのは授業料のみで、県内私立学校の年間授業料の平均額(31万〜44万円)相当を想定。ただ、朝鮮学校の高校生は、国の就学支援制度の対象外となっているため、県が実施している私立高校生への学費補助制度(年間で最大18万2400円)を活用し、世帯収入に応じて補助する。また、朝鮮学校の児童・生徒向けに関しては、拉致問題を授業で扱うことなどを支出条件にすることも検討している。

 県が朝鮮学校を除く各外国人学校へ今年度に支出した経常費補助金は計約1億6000万円。新制度導入後の予算規模は、例年と同程度になると見込んでいる。

 朝鮮学校は現在27都道府県にあるが、経常費補助金に関しては今年度で8都府県が支出を見送っている。【北川仁士】

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