＜北朝鮮＞金正日氏の金庫番も処刑

「祖国解放戦争勝利（朝鮮戦争停戦）記念館」を視察する金正恩第１書記（左から２人目）と張成沢氏（右端）、崔竜海氏（左端）ら＝平壌で今年７月、ＡＰ

　【北京・西岡省二】北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）第１書記の叔父の張成沢（チャン・ソンテク）氏が国防副委員長などを解任された問題に絡み、張氏に近く、かつて金正日（キム・ジョンイル）総書記の金庫番を担当していた李洙※（リ・スヨン）朝鮮労働党副部長が処刑されていたことが１０日、指導部に近い複数の関係者の話で分かった。李氏は１９８８年に駐スイス大使に任命され、金第１書記のスイス留学中に生活の後見役を務めた人物。張氏失脚に絡んで処刑されたのは、党行政部第１副部長や副部長に加え、関連組織の課長級２人が含まれることも判明、少なくとも計５人に上った。

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　李氏は金総書記の最側近で、「李哲（リ・チョル）」の名前でスイスに駐在し、現地に隠された金総書記の約４０億ドル（約４１２０億円）に上る巨額秘密資金を管理。２０１０年に帰国した後は張氏主導で組織された合弁投資委員会の委員長として外資誘致窓口の責任者を務めた。

　李氏は張氏とともに海外との資金取引を仕切ってきた経緯があり、秘密資金の扱いをめぐる金第１書記側との対立などが背景になっている可能性もある。

※は「土ヘン」に「庸」