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第十六話

第十六話 隠された本当のFの真実/二人の探偵の罪

前回までのあらすじ
メモリードーパントの策略でフェイトは記憶を奪われなのはと対決する事になる
そんな中メモリードーパントを追いつめ倒そうとするが奴が奥の手を使って来た
それはもう二度とこの世には存在しない『SCULL』のメモリだったそのメモリを使用しスカルに変身したメモリードーパントはWに攻撃をし続ける
だが魂が込められて居ない攻撃では決して倒れなかった、最後はスカルのMAXIMUMの弾丸を利用し恩師と同じ技を繰り出しスカルを倒す事に成功する…だがこれははっきり言って人殺しだろう…だがそれでも大きな罪を犯した者にはそれ相応の罰で有ろう
Wは…いや、二人は依頼人の為なら何処までも残酷になれるそれが平和を守る仮面ライダーとしての二人がこれからも背負い続ける…罪なのだから
少女はそれを知らず戦士の腕の中で眠って居た



場所 海の上

W&なのは&フェイト&ユーノ&アルフside

なのは
「翔君…良かったフェイトちゃん…」

Wに助けられたフェイトの姿を見て安堵の表情を浮かべる…また

アルフ
「これでもう…フェイトとなのはは闘わなくて良いんだ…ありがとう仮面ライダー…」

海の上に居るWを見て胸を撫で下ろす

ユーノ
「しかしまさか…ショック療法で直すなんて相変わらず無茶苦茶な人たちだ…いや、それがあの人たちのやり方なんだろうな…」

Wとなのはの姿を見て彼等なりの闘いだと改めて思い深く頷いた

フェイト
「うぅぅ…う〜ん…アレ此処は…?」

辺りを見渡し首をキョロキョロと動かす…そして一言

W/翔
『よう?ようやくお目覚めか?眠りのお姫様』

その声を聞きその声の主と顔を合わせる…その先に居たのは

フェイト
「え?しょ、翔?何で?…それにこれってどう言う事?…/////」

フェイトは顔を赤くしたそう何故なら今Wはフェイトの肩と太ももの所を掴んで居た
そうコレはいわゆる【お姫様抱っこ】で有るからだ更に付け加えると先程のなのはとの激しい戦闘でBJがボロボロになり若干だが少し露出度が高い格好で更にフェイトの顔を赤く染めた

W/翔
『細かい事は気にするな…それと頭大丈夫か?変に痛くないか?』

そう言ってフェイトを後部座席に乗せた

フェイト
「え?うん…平気だけど?一体何が?それにBJだってボロボロだし何が有ったの?それに翔達だって」

首を傾げ何が起こったか解らなかった…Wのボロボロの姿も理解出来なかった

W/翔
『いや…今はまだゆっくり休んで居ろ…それにこれから大仕事が有るからな』

フェイト
「大仕事それって…母さんの?」

その言葉に頷こうとするが空の辺り一面が黒の雲で覆われた

なのは
「え?一体何が?」

ユーノ
「なのは取りあえずこっちに来て何かが変だ!」

ユーノの言葉を聞き一旦海岸付近に戻るなのは

W/フィリップ&翔
『翔、何かとてつもなく大きなモノが来る、まだやれるかい?/当然だろ?フィリップ?とにかく今この場を何とかしようぜ!』

Wドライバーを一旦戻しCYCLONEとJOKERのメモリを抜き銀と黄のメモリ取り出しスイッチを入れる
『LUNA/METAL』
そのままドライバーに差し込み左右に倒す
『LUNA/METAL』
緑と黒の鎧は一瞬で黄色と銀の鎧に姿に変わるが未だにダメージが残るそしてシャフトを握り左手でMETALメモリをシャフトのMAXIMUMスロットに差し込む
『METAL・MAXIMUM・DRIVE』

そして紫の色の落雷がハードスプラッシャーに目がけて落ちて来た

W/翔
『フェイトしっかり掴まって置けよ…行くぜ』

両手でシャフトを回し先端は鞭状になり円状モノを作り出す黄色い円盤状のエネルギーを複数生成したが普段は攻撃用の技だが使いようでは防御用になる

W/翔&フィリップ
『METAL/ILLUSION…くっ!』

複数の黄色い円達が紫色の雷撃を押し止めるが…だが先程受けたダメージのせいか上手く押し止められないそしてハードスプラッシャーは大きく揺れフェイトの手からバルディッシュが離された

フェイト
「バルディッシュ!」

自分の愛機(バルディッシュ)が海に落とされ手を伸ばそうとするが紫色の雷撃が直撃しバルディッシュは大きく破損した更にその中に有った9個のジュエルシードが飛び出し引きこまれるかのように雲の中に入った…そしてその先に居た人物は

フェイト
「か、母さん…?」

フェイトはその姿を見て疑った何故ミュージアムに捕まってる居る自分の母親が此処に居るのか理解出来なかった…そしてこの後少女には大きな罪を背負うことまだ知らなかった…

W/翔
『何故?プレシア・テスタロッサが…』

Wもまた唖然な表情を浮かべ空を見上げ暫くし雲が消えた今回起きた事は一体何を意味をするのか
その後Wの目の前にモニターが現れた

リンディ
「翔君聞こえてる?」

その人物はリンディ・ハラオウンだった

W/翔
『リンディ提督?一体何が有ったんだ何故プレシア・テスタロッサが…』

リンディ
「それはアースラで話します…そちらのフェイトさんも宜しいですね?」

そう言ってフェイトはWの背中に隠れ顔を隠す

W/翔
『解った…フェイト良いな?』

フェイトの方に振り返り有無を確認する

フェイト
「うん…母さん…一体何が…」

フェイトは浮かない表情になり母の名を呟くその後海に落ちたバルディッシュを拾いアースラに戻る一同

W&なのは&フェイト&ユーノ&アルフsideEnd

場所 アースラ艦内ブリッジ

翔&フィリップ&なのは&フェイト&管理局side

全員ブリッジに集合した今此処に居る面々の感じて居た疑問は何故捕まったハズのプレシア・テスタロッサがあの場所に居た事だ…だがこの後リンディの言葉を聞きその疑問が晴れた

リンディ
「みんな良く聞いて…今回の首謀者はミュージアムの者の手によるものだと我々はそう思っていました…ですがそれは間違いでした…プレシア・テスタロッサとミュージアムは手を組んでいたのです…プレシアの目的は最初からジュエルシードが狙いでミュージアムはその加担をしてただけにしか過ぎません…何故そんな事を言えるのかと言うと…これを見て下さい」

全員モニターに目を向けたそこに描かれて居たのはアースラ艦内部の見取り図の映像だったそして赤く点滅された場所が所々表示された


「これは?」

クロノ
「ああ、これは現在艦の機能不全が表示された所だ…恐らくミュージアムはハッキングをしてウィルスを流し込んだだろう幸い全機能不全と言う事は無いが艦の武装の殆どが使用不可になった…」


なのは
「でも、これだけじゃフェイトちゃんのお母さんがミュージアムと手を組んだって言えないよ?」

首をかしげながらモニターを見上げる

リンディ
「いえ、確かに彼等は手を組んで居るわ…何故ならこのウィルスが送り込まれたのは貴方達が闘ってる間に起きたのです…」

その言葉を聞き誰もが言葉を飲みこんだ

フィリップ
『しかしウィルス攻撃とは此方の動きを固定する事を限定付ける事になるね』

そう、正にその通り今起きてる事は大きな足止だ…そして奪われた九個のジュエルシードを奪ったプレシア・テスタロッサ良く考えてみればコレは計画された二面作戦だ…先ず自分達の目をなのはとフェイトの決闘に目を向けそして内部からの攻撃…証拠は出揃って居た

フェイト
「そんな…母さんが…」

フェイトはこの事実を受け止めきれなかった


「フェイト…落ち着けってきっと何か理由が有るんだだから気を落とすな」

翔はフェイトにそっと近づき軽く手を頭に乗せようとするがその時


ナスカ
『やぁ…皆さんお揃いで…どうですか?我々の送ったプレゼントはお気に召してくれましたか?』

モニターが変わりその場に居たのは蒼の騎士の怪人ナスカだった


「ナスカ!テメェ!一体何をしようって言うだ?何が目的だ!」

そのままビッシと指を指し睨みこんだ

ナスカ
『おや?…そちらに黒のお嬢さんが居ると言う事は彼を倒した事になりますね…ふふふふ…如何でしたか?私が用意した再会の場面は嬉しかったですか?まさか【二回】も同じ事になるんですからね…仮面ライダー君…』

不敵な笑みを浮かべ翔を見続ける


「答える気はねぇ!一体何を企んでる!」

帽子を被り直し睨みつける

ナスカ
『そうですね…我々は彼女の手伝いをしてるだけすよ…そうですよね?ミセス・プレシア?』

ナスカの隣にはプレシア・テスタロッサの姿が有ったこれで今までの疑問(ピース)が組み合わさった


「そんな…プレシア・テスタロッサ…アンタの目的何だ?何故奴等と協力した!何故世界の混乱を招く奴らと手を組んだんだ!!!答えろ!」

翔はプレシアに向って叫んだそしてゆっくりと言葉を呟く

プレシア
『目的?そんなの決まってるわ…私は失われた者をアリシアを取り戻す…ただそれだけよ…それにそこに居る【人(・)形(・)】にはもう価値は無いわ…』

フェイト
「え?母さん…」

その言葉を聞きフェイトは言葉を詰まらせるそしてプレシアの後ろには生体ポットの様なモノが見えたそしてそれを見た時驚いた…そうそれは


「そんな馬鹿な…フェイトが二人…だと?」

その中に入って居たのはフェイトと瓜二つの少女・アリシア・テスタロッサだった
そしてこれから語られる事は全ての疑問が今重なり合おうとしていたそれを知った時二人の探偵は何を決断するのか…モニターの一番中央に移された生体ポットの中にはフェイトと瓜二つの少女が入って居たその少女は目をつぶったままだった彼女はもう二度と目覚めない深い眠りに居るのだから


「ま、まさか…その子がアリシア・テスタロッサなのか?」

もしやと思いプレシアに問う、この質問が間違いだと信じたい…だが

プレシア
『ええ、そうよ…そしてフェイト貴女はもう入らないわ…だって所詮この子の変わりでしか無いモノ…』

プレシアはフェイトをまるでモノを見る様な目で言った…そしてフェイトもまた唖然とした表情を浮かべ母に問いただした

フェイト
「誰?その子は誰?私は母さんの娘だよ?…一体何が言いたいの母さん?」

訳も解らず母に問いただすフェイト、だが帰って来た言葉は

プレシア
『五月蠅い、この人形風情が私の事を気安く母と呼ばないで!私を母と呼んで良いのは本当の娘アリシアよ!』


何処か憎しみが込められた言葉で言い生体ポットを撫でる


「フェイトが人形だと!?何を出鱈目を言ってるんだ!ふざけるな!!!」

フェイトの前に立ちプレシアを睨む翔、だが…その言葉を否定するモノが居た

ナスカ
『いえ、彼女の言ってる事は本当ですよ?今この中に居るのは間違い無くプレシア・テスタロッサの本当の娘、アリシア・テスタロッサなのですよ…そして今そこに居るのは彼女の細胞から出来た人造魔導師ですよ…プロジェクトF.A.T.Eの生み出した産物ですがその計画には有る欠点が有った決して同じ人間を作り出す事など不可能とね、それが今そこに居る出来そこないですよ…』


ナスカの心無い言葉で言うそして、フェイトは頭を抱え母との思い出が全て作りモノだと言う事を悟る


フェイト
「そ、そんな私は…その子のクローン?」

生体ポットに入ってるアリシアを見てフェイトの心は大きく揺れる

プレシア
『ええ、そうよ…それとフェイト最後に良い事教えて上げるわ…私は貴女の事が大嫌いだったのよ!!!!!』

プレシアのその言葉を聞いた時、フェイトの瞳から光が消えま支えてる足の力が無くなり静かに倒れる

アルフ&なのは
「フェイト!/フェイトちゃん!」

二人は彼女の名前を叫んだ、しかし翔は瞬時に両手でしっかりと彼女の身体を掴み倒れるのを止めるだが、目の光は消えて居た…彼女の心は脆く壊れる音が少しずつ聞こえた



「フィリップ、まさかだと思うがお前の検索でフェイトの本は…」

フィリップ
『ああ、たった今閲覧が出来た…彼女は…フェイトは…プロジェクットF.A.T.Eで生まれた存在なんだ…僕だってこんな事信じたくないよ…』

悲痛な声を上げ少女を見た…翔の肩ワナワナと揺れた


「…な事…んな事…こんな事…こんな事って有るかよ!…プレシア…お前は…お前は…命を何だと思って居るんだ!!!!!!」

少女の頭を胸に抱き寄せ叫んだ、だがプレシアは蔑んだ目で二人を見た…これから起ころうとしてるのは世界を揺るがす程の事が起きる…それは…


場所アースラ艦内部医務室

翔&フィリップ&フェイトside

奴等との通信が終わり一時間後、彼等の目的が解った、それは失われた地、【アルハザード】にプレシアとアリシアを連れて行く事だ、だがプレシア一人の力では限界が有りその道しるべとしてジュエルシードに目を付けただがたった9個ではその道を開く事は出来ないだが…悪魔達(ミュージアム)と取引をし片道切符でアルハザードに行く事らしいそしてプレシアの目的はアルハザードの技術を使ってアリシア・テスタロッサを蘇生させる事だ…永遠の眠りを解く唯一の方法…だがそれは所詮夢物語だ…その場所は既に無いのだから…現在アースラは内部の復旧作業をしていただが武装システムの大部分がやられており恐らく動くだけで精一杯だろう…それが今の彼等の出来ることはアシストだけだろう


「…プレシアの目的はアルハザードに行きあの子を蘇生させる事か…フェイトはその事を知らずにジュエルシードを集めて居た…そしてフェイトはあの子のクローンだって…ちくしょう、何でだよ…何でフェイトがそんな悲しい運命を背負うだよ…まるで、まるで【俺達】と同じじゃないか…逃げようの無い運命に…ゴメンよ…一番近く居て何も出来なくて…俺は無力だ…」

フェイト
「スゥー…スゥー…」

椅子に腰をかけベットで眠り続ける少女を見て居たその寝顔はとても落ち着いた寝顔だった…だが彼女が目を覚ましたそれは悪い夢だと信じたいだが目覚めた時彼女の心は自分の罪に押しつぶされるだろう…信じる者に裏切られた彼女の心はガラス細工の様に酷く脆いただ謝罪の言葉を口にする事しか出来なかった

フィリップ
『プレシア・テスタロッサは騙されて居るアルハザードはこの世に存在しない…翔、解ってるよね?彼女を止めない限りまた多くのモノが犠牲になるミュージアムがその程度で終わる連中じゃないきっと…もっと大変な事が起こる…止めなければならないそれが仮面を被り続ける僕等の使命だろ?』

フィリップは悩んでる相棒を励ましと自分達が今やるべき事を語りかける


「ああ…それが俺達【W】の使命だからな…なぁフィリップ…俺話そうと思うんだ…フェイトに俺達が背負ってる居る罪を…今フェイトの背負った十字架はあまりにも重すぎる…でもその重さを少しでも軽く出来るなら…俺は…この子を救いたい…ハーフボイルドだって思うがフェイトは俺達の依頼人だ…だから…」

右手でそっと彼女の頭を撫で優しい眼差しで彼女の顔を見る

フィリップ
『そうだね…今は時間が無いから掻い摘んで話そう…僕等が背負った罪…【ビギンズナイト】の一部をね』

相棒の意思を聞きその意見に賛同し自分達の罪を語る覚悟をする二人の探偵のこの決断で少女の心は大きく揺れるそして自分の罪を背負う決断が迫られる…黒き魔導師の少女・フェイト・テスタロッサの決断を…

翔&フィリップ&フェイトsideEnd

場所 時の庭園内部

プレシア&ミュージアムside

プレシアはナスカ達が用意した大きな転送装置を見上げて尋ねた

プレシア
「本当にコレで【アルハザード】に行けるの?」

ナスカ
『ええ、大丈夫ですよ…貴女は我々のクラィアント…依頼はきっちり果たしますよ…ただしジュエルシードが少ないと言うのは惜しいですがそれでもアルハザードに行けますよ正し片道切符だと言う事はお忘れなく?』

人差し指を顔に当て注意事項を示す

プレシア
「解って居るわ…もう私には時間が残されて居ない…だから…うぅ…」

悲痛な言葉を告げるが…思わず胸を抑え苦しみに耐える

ナスカ
『[そろそろ潮時ですね]…そうだ貴女に渡して置きたいモノが有るのですよ…これを受け取って下さい…』

手に持っていたモノはプレシアのデバイスだが若干改良され先端にスロットの様なモノと金色のマジックメモリだった

プレシア
「これは?マジックメモリ…何故コレを私に?」

不思議そうにそれらを受け取る

ナスカ
『万が一の保険ですよ…彼等は時期に此処にやって来ます勿論我々も全力で抵抗しますよ…ですが彼等は貴女を止める為に来るでしょう…今の貴女は大魔導師の時の力は酷く衰えている…そんな貴女の為に用意したんですよ…そのメモリとデバイスならきっと大魔導師以上の力を発揮できる…それでは私はこれで…それではまた…ミセス・プレシア・テスタロッサ…』

その場を立ち去るナスカ…今この場に居るのはプレシアと生体ポットに入った愛娘のアリシアのみで有る

プレシア
「ええ、使わせて貰うわ…待っててね…アリシア…お母さんが絶対助けるからね…」

生体ポットを撫で娘の名を呟くが…だがポットに中に入ってる少女の目元から一筋の涙が見えた…これは何を意味をするのか


ナスカ
『精々茶番を楽しんで下さいよ…元大魔導師…プレシア・テスタロッサ…さぁ仮面ライダー君…君がどう動くのか楽しみですよ…ふふふ…フハハハハハハハ!!!!』

部屋を出って居た後のナスカの笑い声が通路に響いた…その笑い声は悪魔の笑い声だった


プレシア&ミュージアムsideEnd

場所 アースラ艦内部医務室

翔&フィリップ&フェイトside

フェイト
「待って!待ってよ…母さん!!!」

フェイトは暗闇の中…母を追いかけて走って居た…だがその理由は自分でも解らなかった…そしてプレシアは振り返りこう告げた

プレシア
『黙りさない…私の本当の娘はアリシアだけよ…もう消えなさい…出来損無いのお人形!』

そして次に暗闇が迫って来たもう自分に何も残されて居ない信じたモノは自分を捨てたのだからフェイトの心は深い悲しみが縛り次第に闇の中に意識が溶け込む…そんな時微かに響く声を耳にする

??
?『…だ、い…じょ…ぶ…か?…ふぇ…い…と』

誰かの声が聞こえたその声は自分が何度も聞いた声だ…そして今度はゆっくりと耳を傾けてその声を聞く

???
『大丈夫か?フェイト…フェイト…フェイト…』

その声は何度も何度も自分の名を呼んでくれたとても温かく暗闇の世界は自然と明るい色を照らし出す…そして一人の人影が目に映ったその人影は黒い帽子を被った少年の姿…何時も誰かの為に闘う仮面を纏い何時も危険を顧みず手を伸ばしてくれた少年…その少年の名は

フェイト
「…翔?…」

目を開き彼と目線を合わせ思考がクリアになる、右手に違和感を感じ視線を移した…ギュッと右手を握って居た


「良かった…突然寝苦しそうにするかな…嫌な夢でも見たのか?」

安堵の表情を浮かべ尋ねた

フェイト
「うん…ねぇ翔…母さんの言って居た事って本当なんだよね…」

その言葉を聞き無言でゆっくり頷いた

フェイト
「そっか…なら私は生きる事が許されない…だってあの人の人形だから…だから私は…」

顔が俯き悲しみが言葉に乗る…だが


「バーカー…誰が人形だ!」

そう言って翔は思いっ切り両手を伸ばし左手を肩に置き右手を頭に回しフェイトの顔を自分の胸に押し当てた何処か壊れる位に強く抱きしめ…突然の翔の行動にただ驚きフェイトは顔を赤く染めた

フェイト
「え?えぇぇぇ!?しょ、翔?/////////」


この行動に訳が解らず翔の顔を見上げただずっと右手で髪を優しく撫で言葉を呟く


「お前が人形だって違うだろ?もし人形だったら体温なんて感じないだろ?分かるだろ?今フェイトに俺の体温が伝わってる…そして俺もフェイトの体温を感じている…な?そうだろ?」

上げ足を取り少し笑みを浮かべる

フェイト
「でも、私は…あの人の!」

だが右手を出し人差し指を前に立てその言葉を止める


「お前は俺達の依頼人…フェイト・テスタロッサだ…アリシア・テスタロッサのクローンなんかじゃねぇよ…お前は今ちゃんと【此処】に居るだろ?…俺は何度でも…いや何万回でも叫んでやる…お前はフェイト・テスタロッサだ、お前自身が嫌って言っても例え世界の全てが否定しても…世界中が全てが敵になっても俺は叫び続ける【生きろ】ってな!お前は生きて良いんだ、未来に進んで良いんだ…だから大丈夫って何万回でも言ってやる…絶対大丈夫だ!」


両肩を掴み真っ直ぐ彼女を見つめた

フェイト
「…翔…」

彼の言葉を聞き胸元ギュッと掴み彼の瞳を見つめる


「それに依頼人はみんな訳有りさ…そんな事一々気にして居たら探偵なんて名乗れないさ…なぁフェイト…今丁度そうやって自分の罪に悩んでる奴を見た事有るんだ…そいつは自分の勝手な決断で大切な人を亡くしちまった…けどその人の大切な人は言ってくれた【後は頼む】ってなそいつはその人の意思と想いを継いだんだ…そしてそいつにはもう一人罪を背負った奴が現れた…そいつは今まで何一つ決断出来ずに居た、でもな…そいつは決めたんだ…自分の罪に向き合い…共に歩むと誓ったんだ二つの罪を背負い続ける道をな…そいつ等は今罪を償う為…自分達の罪を隠す為仮面を被って闘ってるのさ…」

そう呟き何時もの様に片手で帽子を掴み顔を隠す

フェイト
「え?それって…もしかして…」

ハッと気づき彼等の方を見る


「ご想像にお任せって所だな…フェイトもう一度聞くぜ?お前はあの子クローンであの人の人形か?…フェイト…お前がその罪をどう受け入れるのはお前の自身の決断だ…もし罪を一人で背負えなくなったら俺も一緒に背負う…だから決めるんだお前の決断を…フェイト・テスタロッサ自身の決断を…」

真っ直ぐな眼差しでその言葉を呟き彼女の頭をポンと撫でる…そして


フェイト
「私は…私はあの子のクローンじゃない…私はプレシア・テスタロッサの娘…フェイト・テスタロッサ…だから私は母さんを止めたい…でも私一人の力じゃ…ねぇ翔…一つお願いして良い?」


「ん?何だ?良いぜフェイトは俺達の依頼人だからな…ああ、でもコレで依頼の追加になるから…それとまだ報酬を決めて無かったからな…そのお願いを聞いてから決めるよ…」

帽子を被り直しその言葉に耳を傾ける

フェイト
「うん…一緒に…一緒に母さんを助けて…それが私の依頼…ダメかな?」

やや困った顔で尋ねるが帰って来た言葉は


「待ってたぜ…その依頼…お前自身で決断した依頼だからな…必ずその依頼を果たすさ…それと俺が欲しい報酬はただ一つ…これからの人生はちゃんと笑って生きろ…それだけさ…」

帽子を深く被りビッシと人差し指を立て決めるが…だが

フェイト
「クスクス…ホント翔ってハーフボイルドだよね…」

可笑しそうに胸を抑え笑みを浮かべ笑ったそして相棒からの一言は

フィリップ
『やれやれ…依頼人にこう言われたら君もどうしようも無いね…君はやはり煮え切らない半熟卵(ハーフボイルド)だ』

同じように笑い相棒の事を慕うがそして例によって例の如く何時ものツッコミが飛んだ


「って、誰がハーフボイルドだぁぁぁぁぁ!!!!!」

その言葉は医務室内に一番響いた

翔&フィリップ&フェイトsideEnd

場所 アースラ艦内部 医務室

フェイト&アルフ&翔side

暫くたった後翔は出て行き一言残した


「少し準備が有る…待っててくれ」

そう言って部屋を出て現在一人だったそれから誰かの足を音が聞こえた扉が開き大きな声が聞こえた

アルフ
「フェイト!!!!」

その声の主はアルフでそのまま両手を広げてフェイトを抱きしめた

フェイト
「アルフ…ゴメンね、アルフ…心配かけたね…ほんとゴメン」

子供をあやす様にゆっくりとアルフの頭を撫でる

アルフ
「ううん…良いよフェイトがこうして自分を認める事が出来ただけで良かったって思うから…翔に後でお礼言わないとね…」

フェイトの手を取り嬉し涙を流すアルフ

フェイト
「そうだね…ねぇアルフ私母さんを助けたいんだ…例え捨てられたとしても…私はあの人の娘だから…一緒に闘ってくれる?」

不安な表情を浮かべる尋ねる…そして帰って来た言葉は

アルフ
「勿論!一緒に闘うよフェイトはアタシのご主人様だからね…あ、それとフェイトに質問して良いかな?」

何か気付き人指し指を上げ尋ねた

フェイト
「ん?良いけど何?」

と、その言葉に首を傾げた

アルフ
「うん…フェイトってさ翔の事好きじゃない?その男女関係の好きって意味で」

やや真顔で尋ね少しフェイトの顔が赤く染まった

フェイト
「え?///私が翔の事を好き?///…でもまだ解んない…ただその凄く頼りがいが有って優しい男の子って思うけど…///」

左右の人指し指を何度も当て相当動揺していた

アルフ
「アハハハ…確かに、翔って頼りがいが有って優しくてそして時には厳しくて…そして闘う時は仮面を被って悪い奴等を倒す仮面の戦士・仮面ライダーだからね…多分だたと思うけどアタシ達はそこに魅かれたんだと思うよ…でも時には甘いハーフボイルドだけどね」

???
「ほ〜う、誰がハーフボイルドだって?」

二人ともハッと気付き振り向き扉の前には黒い帽子を被った少年 黒木 翔が居たそして額には怒りマークが有った

アルフ
「あ…いや、そのなんて言うか…アハハハ…」

額に冷や汗をかき歯切れが悪かった、この時フェイトも先程の事を聞かれたでは無いかと焦った…だが


「たっくよ、誰がハーフボイルドだ俺はハードボイルドだっての…それとフェイト直ったぜ…」

左手に何かを持っており、フェイトに近づきゆっくりと右手にそれを渡した
そして手を開き三角状の金色に輝くモノそれは

フェイト
「バルディッシュ?もしかして翔が言って居た準備って…」

その言葉を返す様に帽子を被って答えた


「ああ、これで一緒に助けに行けるだろ?…依頼はきっちり果たすそれが俺の性分さ…さてとまだ準備が有るからな…フェイトまた後でな…それとアルフ…お前もしっかり働いて貰うぜ、そしたら先の失言チャラだからな…」

やや睨みを効かしてアルフは未だに冷や汗を流して居た


「作戦開始後は二時間後だそれまで身体休めておけよ…じゃあな!」

その言葉を残し医務室を立ち去る翔

フェイト
「二時間後…かバルディッシュお前も一緒に闘ってくれる?」

待機時のバルディッシュを握りそしてその想いに答える様にこの言葉を出す

バルディッシュ
『イエス・サー!』

何時もの受け答えの肯定の意を示す

フェイト
「ありがとう…待っていて母さん…」

意を決し母の名を呟き真っ直ぐと見詰めたそして彼女の使い魔は

アルフ
「[強くなったねフェイト…リニス、フェイトはもう大丈夫だよ…アンタのご主人様は絶対止める…そしてフェイトの本当の幸せを掴んで見せる…それが居なくなったアンタとの約束だから…]」

自分の主を見て拳をギュッと握り自分もまた決意するこの闘いを終わらせる為に

フェイト&アルフ&翔sideEnd

場所 アースラ艦内部休憩所

なのは&ユーノ&翔side

休憩所では二人の少年少女の姿が映った

ユーノ
「後二時間で時の庭園の停止の為の決戦か…なのは…こんな大変な事に巻き込んですまない!」

頭を深く下げ少女に謝った

なのは
「…ユーノ君、ううん気にしないで…それに私は大丈夫だよ…だから…」

そう言いかけた時、その言葉に水を差す様に問い掛ける


「本当に大丈夫か?顔に書いて有るぜ…不安だってな…」

二人はその言葉を聞きその方向に振り返った、片手を伸ばし挨拶をする


「よ!…そんな湿気た面じゃ勝てる闘いも勝てないぜ…それにさ本当は怖いんだろ?何で自分がこんな恐ろしい事に立ち有ってしまったのかってな…」

少女の不安と感じると思う言葉を告げる

なのは
「確かに怖いって思う、でも!私は…」

そう言いかけた時右手を前に出しその言葉を止める


「良いんだよ怖いなら怖いと思えば良い…だってよ俺達はまだ子供だ恐ろしい事に対して当然な反応だ…でもな…恐れて居るだけじゃ何も掴めない…だから勇気を振り絞って立ち向うんだ恐怖にな…俺も最初はそうだった初めて仮面ライダーになった時凄く怖かった…でもそれでも俺はこの道を選んだ…だから言えるんだ…その恐怖に打ち勝つ勇気が有るならどんな困難でも立ち向かえる…それに仲間が居るもしどうしようも無い時は仲間に背中を預けろ…多分今の二人にはそれがベストだぜ!」

ピストルのポーズを取りなのはとユーノはお互いの顔を見てゆっくり頷いた


「大丈夫そうだな…決戦の時間まで休んで置けよ…じゃあな!」

そう言い残し立ち去り二人は彼の背中を見守った彼の背負ったモノは知らないけど…彼の言葉で勇気付けられたその想いをお互い胸にしまう

なのは&ユーノ&翔sideEnd

場所 アースラ艦内部格納庫

翔&フィリップside

決戦に備えハードボイルダーのセッティングをしていた…その時リングが輝き声をかける

フィリップ
『翔、先みんなに伝えたと思うが僕の検索が正しければ…ジュエルシードのエネルギー安定は大きく時間が掛る早くても三時間だ…でもエネルギーが収支くするわずかの誤差を生じるのは発生する一瞬だ…その一瞬さえ止められば…』


「ああ、この闘いを終わらせる事が出来る…しかしフェイトの依頼からまさか此処まで大きくなるとは…正直想いもよらなかったぜ…こんなデカイ事件になるとはな…」

少し溜息交じり呟く

フィリップ
『後悔してるかい?この依頼に?』


「いや、後悔はしてないさ…それに悪と立ち向かうと決めた…あの日の罪を償い続ける…それが俺達の仮面を被り続ける理由…Wで在り続ける為にな…それにお前も決断しただろ?最後まで自分の決断で全てを解決するそれがお前の決断だよな?…フィリップ?」

リングを掲げて尋ねる

フィリップ
『ああ、その通りだよ翔…僕等は互いの罪を一人になって背負い続ける義務が有る…翔今一度聞くよ?【悪魔と相乗りする勇気、君に有るかな?】…』

少し悪魔ぽい笑い声を出しそして帰って来た答えは


「そんなの決まりきってるだろ?あえて聞き返すぜ?【馬鹿と相乗りする勇気、お前に有るか?】…」

ニヤリと笑い、それ以上何も語らなかったそして決戦の時刻が刻一刻と針が進む

続く

次回:魔導師探偵W/魔法少女リリカルなのは

翔「さぁ行くぜ…みんな!」
それぞれの意思が一つになり今最後の闘いが幕を開く

W/翔『…解ったよ…必ず止める君の母親を…』
生体ポットに入って居る少女の涙を見て悟った

W/翔&フィリップ『プレシア・テスタロッサ…さぁ、お前の…愛(つみ)を数えろ!!!!』
もう一人の少女の想いを胸に抱きその力を振る緑と黒の双色の仮面の戦士
その少女の流れる涙を止める為だけに

第十七話「もう一人の少女の依頼人はA(アリシア)/決戦時の庭園」コレで決まりだ!
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プロフィール

血液型
血液型はB型
自己紹介
どうも、ピクシブから移転した二人で一人の探偵です。以後宜しくお願いします!
趣味
漫画・アニメ・ゲーム・特撮
特技
特に無い
職業
食品関係
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