原子力発電所の再稼働を認めるかどうかの審査が足踏みしている。原子力規制委員会が電力会社に求めた資料が間に合わず、一部の原発では年明け以降に提出を先送りした。審査は当初の最短の想定より1~2カ月程度遅れている。地元に了解を得る手続きなどを考慮すると、次の原発の再稼働は来春以降になる見通しだ。
四国電力伊方原発(愛媛県)は11月中の計画だった「震源を特定しない地震動」に関する審査書類の提出を年明け以降に先送りする。他にも年内に資料がそろわない原発が相次ぐ見通しだ。資料を準備する電力会社や原子炉メーカーの負担が重くなっている面もある。
規制委は新たな規制基準を導入した7月から週3回、原子炉と地震・津波の2グループに分かれ審査会合を開いてきた。12月に入ると各社の準備不足で会合を開けず、今月に実質的な審査ができたのは10日だけだ。
審査の対象である5電力会社の7原発のうち、先行する伊方や九州電力川内(鹿児島県)も提出済みの資料は29項目のうち半数程度にとどまる。工事計画など重要な項目は手つかずのままだ。更田豊志委員は「年内には資料を全て出してほしい」と求めている。
審査の期間は最短で半年程度と踏んでいた規制委の見方に沿えば、年明けにも一部の原発で審査が終わる見通しだった。現状は早くても年度末ごろになりそうだ。規制委の審査に合格しても、再稼働には地元自治体の了解が必要で、関連の手続きに1カ月以上かかるとみられる。今冬の電力の需要期に間に合う原発は出そうにない。
再稼働の遅れは各社の経営計画を直撃する。四国電力は伊方を年度内に再稼働できなければ、3期連続の赤字決算は避けられない見通しだ。一部の電力会社で料金の再値上げも現実味を増す。
11月下旬から審査に入った東京電力柏崎刈羽(新潟県)は他の原発と異なり、重大事故対策としてフィルター付きベント(排気)装置などが義務づけられ、敷地内の断層調査で試掘溝を掘ることも求められた。審査の終了は来夏以降になる可能性が高まっている。
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