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2013年12月4日(水) 東奥日報 ニュース



■ むつ市民体育館、突然の閉鎖

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耐震基準を満たすことができず、閉鎖されたむつ市民体育館。市が指定する緊急避難場所でもあった=3日
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 老朽化が進んだむつ市民体育館=むつ市金谷1丁目=が、耐震診断で基準を大幅に下回り、市が11月30日に閉鎖に踏み切っていたことが、3日までの取材で分かった。市は、同体育館を緊急時の避難場所に指定していたが別施設への変更手続きが遅れているほか、一般市民向けの閉鎖の情報提供は閉鎖前日の29日、市ホームページ(HP)に掲載しただけ。危機管理で不手際が目立っている。

 同体育館は市中心部に立地し、1976年開館。本年度、市民生部市民スポーツ課が耐震診断を実施したところ、耐震性を示す「構造耐震指標(Is値)」は0.17で、震度6強以上の地震で倒壊する危険性が高いことが9月末に分かった。

 同課はこの時点で、閉鎖や一時的な使用中止の判断を先送りし、10月中旬、県内の専門家らに補強工事の可能性の検討を依頼。しかし、「置屋根工法」を採用した構造のため改修の手だてがないことが分かった。同工法は、鉄筋コンクリートの柱や梁(はり)の上に屋根を載せるが、東日本大震災以降、強い地震に見舞われた際の安全性が疑問視されるようになったという。

 同課は専門家らの最終報告を11月27日に受け、29日に閉鎖の方針を同体育館の指定管理者である市陸上競技協会に初めて連絡。30日から閉鎖した。

 このほか、同課は防災担当への連絡も怠っていた。28日に連絡を受けた防災政策課は、周辺地区の緊急避難場所を同体育館から近くの下北文化会館に変更する方針を急ぎ固めた。ただ、内部の手続きに時間を要するため、3日現在、市民に変更を正式に通知できていない。

 一方、市民スポーツ課は、同体育館の代わりに学校を含む市内各施設の利用を呼び掛けているが、このうち大畑体育館は69年開館とさらに古く、耐震診断も実施していない。

 同市の松尾秀一民生部長は「大畑体育館は『置屋根工法』ではないが、来年度にも耐震診断を行いたい」と取材に答えた。また耐震診断で危険性を把握した9月末以降も市民体育館の使用を継続させたこと、防災担当への連絡遅れ、一般市民向けの広報が市ホームページ掲載だけで報道機関に周知しなかったことなどについては「認識に甘い部分があった」と述べた。

 市民体育館をめぐる今後の対応については「建て替えも含め、白紙の状態から検討していく」とした。

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