俯瞰とアオリの顔の描き方のコツ

正面や斜めの構図の顔なら描けるけど、俯瞰と構図の顔だと描けないという人は多いと思います。

元々俯瞰とアオリの構図は初心者にとってハードルの高いものですが、とりわけ萌え絵の顔は記号化されていてより難しいです。

今回は俯瞰やアオリのときに、頭の形や顔のパーツの位置などがどのように変化するかの傾向を知ることで、俯瞰とアオリの顔を描くときのヒントになればと思います。

 

 

●俯瞰とアオリの顔の輪郭の違いを知ろう

私たち初心者は何気なく顔の輪郭を描いていますが、その描いている線が何の線なのかわかっていないことが多いです。
ほとんどの場合、顔の輪郭はあごのラインだと思っているフシがあります。
しかし顔の輪郭のラインはあごのラインだけとは限りません。

 

正面の顔

上の絵は萌え絵の正面の顔です。

黄色いラインはあごのラインです。
あご先から耳の下にあるあごの付け根に向かいます。

赤いラインは顔の正面と、顔の側面を分けるラインです。

そして黄色と赤のラインに囲まれた青の部分が顔の側面です。

これから顔を描くときは、黄色いラインだけでなく、この赤のライン青の部分をしっかり意識するようにしてください。
顔の安定度が段違いに変わります。

 

 

俯瞰の顔

そして上の絵が萌え絵の俯瞰の顔です。

俯瞰の顔は先ほどの青い部分がなくなり、あごのラインである黄色いラインも見えません。
つまり俯瞰の顔の輪郭はあごのラインではなく、顔の正面と側面の境界線のラインとなります。

全体的に顔から下がすっきりして痩せて見えます。
それとは反対に頭部(脳みそが入っている部分)の面積は大きくなり、頭でっかちな印象になります。

 

 

アオリの顔

次がアオリの顔です。

正面時よりも顔の側面である青い部分の面積が大きくなっています。
黄色いラインがはっきり見えるので、アオリの顔の輪郭はあごのラインとなります。

全体の印象はぽっちゃりとして太って見えます。
そして顔全体の面積が大きくなる分、頭部の面積は小さくなります。

 

 

このように俯瞰時とアオリ時では顔の輪郭が全く違うことがわかると思います。
極端な俯瞰やアオリではまた輪郭が変わりますが、普通の俯瞰やアオリの角度ならば上のような傾向があることを覚えておきましょう。

 

 

●俯瞰やアオリの顔のパーツの配置の違いを知ろう!

目や鼻や口などの顔のパーツも、俯瞰やアオリの構図の違いによってその位置関係が微妙に変化します。
目を基準として、眉、鼻、口の位置がどう変化するか見てみましょう。

 

俯瞰とアオリの顔のパーツの比較

上の図は俯瞰とアオリの顔のパーツの位置の違いを表わしています。

俯瞰
・目と眉の間は狭くなります
・目と鼻の間は広くなります
・口の位置は鼻とあご先のほぼ中間です

アオリ
・目と眉の間は広くなります
・目と鼻の間は狭くなります
・口の位置は花とあご先の中間よりやや上になります

 

このように顔のパーツの位置も俯瞰とアオリの構図によってかなり違います。
特に鼻は顔の中で一番高い位置にあるので、移動の変化が大きいですね。

これらの位置関係は、萌え絵の顔を横から見たときの目鼻口、眉、あご先の位置を把握することによって理解できます。
顔のパーツのどの部分が出っ張っていて、どこの部分が引っ込んでいるか、よく観察しておきましょう。

 

 

●立体的な正しさよりも顔の可愛さを優先する

萌え絵の顔を俯瞰やアオリで描くことは本当に難しいです。
なぜなら萌え絵の顔は多分に嘘が多く含まれているからです。

体全体を見ても萌え絵の顔は最も記号化の激しい場所です。
萌え絵の顔を立体として忠実に再現すると、中にはあまり女の子の顔が可愛く見えない角度がどうしても出てきます。
そしてそれは俯瞰やアオリの構図のときに起きやすいです。

特に極端な俯瞰やアオリは女の子の可愛さを著しく損ないます。
俯瞰の場合、顔の面積が少なくなり、顔のインパクトが無くなってしまいます。
アオリの場合、あごの裏まで見えることで、変な顔になってしまいます。
萌え絵においては顔だけはカメラのほうを向くなどして、極端な俯瞰やアオリにならないようにしましょう。

 

 

●最後に

俯瞰とアオリの顔の見え方の傾向についてお伝えしましたが、あくまで「傾向」だということを忘れてはいけません。
このように描かなければならないわけではなく、他のイラストを観察するときや自分で考えて描くときのひとつの目安として覚えてもらえればと思います。

今回は斜めの構図のケースの説明をしていませんが、斜めの構図の場合は新たに顔の表面のラインや後頭部のラインが出てきます。
(横顔はほぼ顔の表面のラインと後頭部のラインで出来ています。)

今引いている線が頭全体のどの場所を引いているのか把握するようにしてください。

結局のところ本当に大事なことはきちんと見て描き、そして頭の中にインプットすることです。
3Dポリゴン素材などを利用して、模写などを繰り返していただければと思います。

 

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