解像度を上げて絵を描こう!

デジタルで仕上げた線画を見るとイマイチ綺麗に見えないと感じることはありませんか?

線自体はきれいに引けているはずなんだけど、全体の印象がなぜか鈍くさい。
プロが描くようなセンスの良い線が引けない。

そんなとき、俺は下手だからダメなんだ……、練習が足りないんだ……と決め付けてしまいます。

でもけっこう人って単純なことを見落としていることが多いです。

もしかしたら新規キャンバスの解像度を高く設定するだけで、その問題があっさり解決するかもしれません。

 

 

●解像度とは?

解像度や画素数と聞くと、数値が高いほど画像が細かくなって美しく見えるという認識だと思います。

正確には、解像度とは画像のキメ細かさを表わす尺度のひとつであり、
単位はdpi(dots per inch)を使用します。

dpiは1インチ(25.4mm)あたりのピクセル(画素)の数で表わし、数が多いほど精細で高画質になります。

つまり72dpiでは、1ピクセルの長さは約0.3528mmになり、
350dpiでは1ピクセルの長さは約0.0725mmになります。

dpiの数値によって、ピクセルの長さが変わるんですね。

1000ピクセルの場合、画面上では72dpiも350dpiも大きさは変わりませんが、
印刷した場合、72dpiは1000×0.3528=352.8mm、350dpiは1000×0.0725=72.5mmとなり、 350dpiのほうが小さくなります。

72dpi時と同じ印刷の大きさにしたいなら、350dpiのピクセルを約4.8倍に増やしてやる必要があります。

印刷目的で最初からcmやmmの単位で指定すれば問題ありませんが、ピクセルで指定する場合は注意してください。

 

 

●線画は解像度を高くする、彩色時は解像度を下げる

解像度が高くなるほど、精細な絵が表現できます。
これは言い換えると、解像度が高くなるほど、滑らかで美しい線が引けるということです。

72dpiと350dpiでの線を見比べてください。
明らかに350dpで引いた線のほうiが滑らかで美しいです。

最終的にはネットにアップするからといって、最初から72dpiで線を引くと微妙な絵になりやすいです。

たとえ練習や落書きだとしても、線画を描く場合は高い解像度で描きましょう。

逆に、彩色時は解像度を下げます。

解像度が高いほど絵は精細に描けますが、問題は重くなることです。
後に彩色するとき、レイヤーをたくさん重ねるとさらに重くなります。

そこを見据えると、ある程度余裕を持った解像度にしたほうが良いと思われます。
マシンスペックに自信がないときは素直に解像度を下げましょう。

 

 

●オススメのキャンバス設定方法

主にネットに公開するとき、または練習するとき、おすすめのキャンバスの設定方法を紹介します。
印刷目的時の設定については他のサイトのほうがより詳しく書いてあります。そちらを参照ください。

大きさを決める
まずはどのくらいの大きさの絵を描きたいか決めてください。
印刷はしないのでピクセル数で決めます。
ここの例では768×1024pxの絵を描きたいとします。

ひとまわり大きくする
描きたいサイズを一回り大きくします。
ここでは960×1280pxとします。

ピクセル数を3倍にする
上のピクセル数を3倍にしてください。
例でいうと、2880×3840pxになります。

解像度を288dpiにする
解像度を288dpiとします。
各数値を入力し、ファイルを作成してください。

線画を描く
線画を描きます。
キャンバスの隅から隅まで使って描くのではなく、ある程度余白を残して描きましょう。

彩色するため解像度を下げる
線画が終わったら色を塗るために解像度を下げます。
解像度は144dpiにします。
このとき、絵のサイズは1440×1920pxに変わります。

トリミングする
彩色が終わったらトリミングします。
写真を撮るように構図を考えながらトリミングしてください。

さらに解像度を下げる
ここで終わりでも良いですが、ネットに公開する予定なら96dpiに解像度を下げます。
先ほどトリミングしていなければサイズは960×1280pxになります。

最初に決めた大きさに縮小する
①で決めた768×1024pxの大きさに縮小して完成です。

描いた絵を含めたキャンバス全体を縮小することもできますし、
描いた絵はそのままの大きさで、キャンパスだけを縮小することもできます。
お好きな方を選んでください。

 

 

●最後に

上に紹介したキャンバス設定の数値は好きなようにアレンジしてください。
ピクセル数を4倍にしてもよいし、解像度を350dpiに設定してもよいです。
ピクセル数にこだわる必要はありません。
快適に自由に描くこと、それが一番大事なことですからね。

 

 

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