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副題:猫耳の受難と横島の陥落
サイド : 曹孟徳
賄賂で即時報奨。
・・・・・・・・
今の段階で何進大将軍側に組するであろう私たちを留め置くのは、宮中の連中にとって本来よろしくない。
しかしながらそれでも留め置いたのは、絶対に欲しいものがあったからだ。
まぁ、間違いなく私の酒と麗羽の器だったわけだけど。
これを肴に大将軍をおびき寄せ・・・、という計略はすぐに判ったので、早々に何進大将軍にも同じものを贈呈し、考えうる計略も伝達。
酒宴に託けた暗殺とまで言わないまでも毒による弱体化までは視野に入れられているだろう。
さすがにそこまで考えていなかったらしく、一応の感謝をしてもらえた。
とはいえ、こんないい酒はやつ等にはもったいない、という発言には賛成するけど、定期的に寄越せと言うのは頷くのに苦労したわ。
だって、持ち歩きの果実酒の中でも底辺のものなのだから。
ちなみに最高級のものは、麗羽に確保されてしまっている。
あの女は、本当にそういう嗅覚に優れている。
「さて、麗羽。とっとと領地に戻るわよ」
「あら、もう暫く洛陽にいらっしゃるかと思いましたけど?」
そういう考えもある。
この後起こるであろう政変劇に介入して、この洛陽を押さえるという計画は、かなり有用だ。
しかし、この洛陽の掌握にかかる時間や労力を考えれば、もう少し時間を置いたほうがいい、
劉備辺りは「みんなのえがおのために!」とか言い出すのだろうけど、人心を掌握してしまったらその面倒を見なければならないのだ。
それも、あの魔窟の向こうに居る塵も含めて。
さすがにそこまでの寛容さは私には無い。
多分、麗羽も無いだろう。
というか、無いと言い切れる。
「・・・華琳さんが運営している都を、美味しく頂ければ嬉しかったのですが」
「逆に、袁家の潤沢な資金で都を盛り上げて頂戴」
「底なし沼みたいな塵箱に、金を放り投げるほど酔狂ではありませんわ」
「私も一緒よ」
お互いに苦笑いし、撤収準備を急いだ。
時勢を見れば、すでに乱は起きていると見ていい。
実際に見えないのは双方ともに必死に隠しているからだろう。
皇帝一族を宦官が抑えその権力をほしいままにし、偽勅を乱発している時点で王朝の命脈は絶えているといえる。
現実を見れば、本来持ちえるはずの権威という権力を、皇帝が振るえていない事も問題だが、何進大将軍などの軍部独走すら抑えられないという権威では何年も先は無いだろう。
そう、権力争いをしているやつらこそ、この王朝の命脈を猛烈な速さで縮めているのだ。
権威なく、権力無く、過去の威光のみが存在する王朝。
その存在に意味はあるのか?
「意味については議論の範疇ですが、目の前の困難という点では無意味ですわね」
「さすがに、ここまで愚かだとは思わなかったわ」
始まりは何進大将軍を勅命で皇帝が呼び出した、ということから始まった。
我々もそろそろ不味い、ということで、撤収しきれない資材は都の商人に廉価で売り払っていたのだけれども、崩壊のほうが早かった。
いや、早すぎた。
勅命ならば、ということで大将軍も武器を持たず登城したのだが、宦官三人による暗殺未遂が発生。
さすがに鎧を着ていたので死にはしなかったが返り討ち。
その場を見ていた何皇后が宦官を攻め立てた所で、何進大将軍を呼び出した勅命自体が偽勅であることまで発覚したものだから大騒ぎ。
宦官は走り・逃げ・証拠隠滅のための放火を実行。
そんなわけで、逃げ遅れた私と麗羽は、泣く泣く自軍を率いて宦官の捕縛と消火を実施せざる得なかった。
一応、皇帝一族は三人組が確保したんだけど、宦官の一部は取り逃がしてしまった。
追跡は指示しているけど、あの手の屑は生き汚い。
何処かで復権を狙っているだろう。
それにしても、これにしても、本当に皇帝一族を保護できたのは行幸だった。
何進大将軍からも何皇后からも事態収拾が素早かったと大いに感謝の念が送られた。
もし、宦官に姫たちでも誘拐されていれば、どうなっていたやらと、背筋が寒い思いがするばかりだった。
まぁ、あれよ、宮廷の再建費用を考えれば、言葉で済む感謝はいくらで持って話よね。
あと、領地を麗羽ともども拡大された。
つまり、管理地域を増やすから、これで満足しろ、ということだろう。
この騒ぎに合わせたわけでは無いだろうけど、長安方面から「董」の旗が接近してきているという報告があった。
賊盗退治の褒賞申請に来たのだろうけど、なんとも時期が悪い話ね。
私たち以上に待たされるでしょう。
サイド : 横島忠夫
「よ、よ、横島、将軍。す・・・すこしいいかしら?」
心底嫌そうに、心の底から嫌悪感を湧き上がらせて荀彧、荀文若殿が部屋に入ってきた。
正直、よくぞここまで態度が「軟化」したものだと感心してしまう。
何しろ、留守居役筆頭文官に就任した当初は、役人や官僚、出入り商人にいたるまで女しかだめだとか言い始めたのだから。
勿論、そんな話が通るわけが無いので、誠心誠意の説明を「雛里」がしたところ、苦虫を二・三千匹噛み潰したかのような表情で「納得」させられていた。
で、次々に打ち出される博打紛いの政策を、一つ一つ論理的に詰められて、棘の無い政策に修正管理されるという繰り返しの中で、色々と学んだ模様。
なにしろ、留守居役筆頭という立場も、雛里、いや、今居る軍部のトップである俺の石で引き上げられた立場であることを、懇々と、懇々と説明され続けたのだ。
これで理解できなければ、同姓同名の別人だろう。
まぁ、今現在は試験採用中なのだということと、文官筆頭ではあっても、政策施行者であるところの「軍師」ではないのだ、という現実を、これでもかってほど「雛里」が叩きつけた影響か、憎むべき対象は俺一本に絞られ、他の官僚や役人への対応がやわらかくなったそうだ。
で、そこまで憎んでいる相手だけど、華琳に紹介するであろうルートは俺になるわけで。
表面上は、絶対に、悪感情をもっているだなんて悟らせてはいけないんだ、と飲み屋でグチっているのが報告されている。
で、目の前に立ちつつ、にこやかな口調で政務の話をしつつ、背後に浮かぶ文字が「この男しね!」という感じなのが笑えるというかなんと言うか。
「・・・なるほど。つまり間接税の率を上昇させ、収入を多くするべきだ、と?」
「この程度は自明の理です」
あからさまに小ばかにした態度。
まぁ、税率上げればその分実入りは良くなるけど、ね。
「荀彧様、よろしいですか?」
「・・・ひぃ」
すっと現れた雛里に、小さな悲鳴を上げる荀彧。
どうも男恐怖症とは別のトラウマが埋め込まれている感じがする。
「・・・な、なにかしら?」
「税率の調整や、年利変遷などの資料がございますので、ご一緒に確認いたしませんか?」
「・・・わかったわ」
と、にっこり微笑む雛里ちゃん、ちょっとおキヌちゃんを思わせられた。
んー、俺が頼りないから周りの娘が「そう」なるのかなぁ?
「・・・これ、なによ」
「はい、横島将軍の提案によってまとめられた『ぐらふ』です」
そう、グラフ。
視覚的に判りやすいので、棒グラフやら折れ線グラフを纏めている。
これの利点は、どういう情報をどう見せたいかがしっかり決まっていること。
逆にイメージの伝達には向いてるけど細かいところが記載できないのが弱点。
まぁ、方針説明ならグラフのほうが楽だな。
「・・・そう、そういうことなのね」
一応納得したらしい荀彧は、手元の資料とグラフを比較して色々と検討を始めたようだ。
「つまり、今求められるのは増税による増収ではなくて、減税による納税者の確保、とくことなのね?」
「はい、一応、短期減税は出し切りましたので、長期型減税の検討が今の段階です」
「それは、曹操様の戦略にかかわる部分、よね?」
「はい、『軍部』の占めるところです」
「・・・くぅっ」
いかにも悔しそうに、今まで無視していた俺のほうへ視線を向ける。
「せ、せ、せ、政策上の、調整の、ため、に、行動、規範の開示を、いらい、する、わ」
脂汗を流すほど悔しそうに、荀彧殿は歯噛みしている。
なんつうか、ドンだけ男を下に置きたいんだろうな?
まぁいいけど。
「青青朱から青朱黒までの書簡を見てくれ。おおよそ掴めるぞ」
「・・・わかったわ」
苦々しい顔でその場から去る荀彧殿。
「よろしかったんですか、忠夫さん」
「まぁ、青だったら大丈夫だろ?」
「それだけですまないと思いますが」
「それ以外を読んでても、絶対に読んだって言え無いじゃん、あの人」
「・・・一応、もう少し矯正してみます」
苦笑の雛里ちゃんは、黒印の書簡をいくつか持ち出したのだった。
現在、陳留の書簡処理というか、トリアージというか、緊急度に関する分別を決めている。
それはこの大陸の文人であれば理解できる「五行・五色」にかかわるもので、重要度の低いものから「青・朱・黄・白・黒」に分別するもの。
これに加えて分類番号も「五色」にしていることから、かなりすぐに判る仕掛けになっている。
この方式への移行を提案したところ、過去の書簡も全て同じように分類することを条件に許可されたわけだが、終わるまで地獄だった。
この分類に水鏡少女隊の協力を依頼して、マンパワーで押し切ったんだけど、これがもう、色々と凄いことに。
正直、おれはロリじゃねーと叫びだしたい気持ちをどれだけ我慢したのやら。
それはさておき、この五色分類は華琳にも好評で、現地処理の効率が上がったとお褒めをいただいている。
ただ、この五色コード、間違えたって事で偽装も可能なのが問題かもしれない。
そのへんは職業倫理を高く持たせるほか無いよな。
「・・・忠夫さん」
「どしたの、雛里ちゃん」
「とりあえず、荀彧さんの閲覧許可範囲を広げてください」
「必要?」
「白までの閲覧をさせないと、政策が歪みます」
「そっか・・・」
まぁ、黒は華琳から直接許可がもらえる様になってからになるかな?
ほいじゃまぁ・・・
「ほい、これ持たせて」
引き出しから出した荀彧殿の閲覧許可証。
「さすが忠夫さん、おわかりだったんですね」
ゆっくりしゃべるようにさせているので、雛里ちゃんもかまないんだけど、なぜか妙な迫力が出たよなぁ。
「いやいや、引き出しを調べると、もしかすると、全色用の許可証があるかもよ?」
「うふふ、それはそれで面白いかも知れましぇん」
ひさしぶりに「かんじゃった」頂きました。
サイド : 曹孟徳
ほぼ、一年半ぶりの陳留は、どこか輝いて見えた。
町の門は開かれ、武官文官全員の整列で迎えられる。
すでに先に帰っていた横島・春蘭を筆頭に、将達が立ち並んで私を迎えてくれた。
「ご苦労様、春蘭」
「は、華琳様もお元気そうで、心からの喜びにあふれております」
「横島、この度の手腕、絶賛させてもらうわ」
「色々と助けてもらってる娘たちが居るんだ。明日以降にでも紹介させてくれ」
「判ったわ。明日、宴を開くので、そのときに全員集めましょう」
「判った」
軽く、お互いの拳を触れさせあう。
どこかの国の挨拶だと横島から聞いたのだけれども、この気軽い感じが私も気に入っている。
「みなの者、これより二刻の後に解散し、帰宅を許す。それまでに全てを片付けよ」
「「「「「御意」」」」」
遠征組が一気に走り、処理を始める。
私はそのままに城に向かうことにした。
「とりあえず、華琳。風呂は沸いてるから汗を流して、それから打ち合わせにしよう」
「あら、気が利くわね、横島」
「春蘭の提案だよ」
「・・・華琳様」
「よく気がついたわね、春蘭。今晩遅くまで過ごしましょう?」
「はい!!」
久しい春蘭との会話は、ドロドロとした都の空気を忘れさせる、そんな空気を感じさせるものだった。
横島直参、ということで引き上げた鳳士元。
今のところ横島管理下にある水鏡女学院。
そして、監督官からの異例の抜擢をされた荀文若。
正面から見れば恐ろしいほどの充実だけど、内情は綱渡り状態だったという。
荀文若自身、男性恐怖症を患っているとのことで、自由裁量範囲の男を徹底的に口撃するという性癖があるという。
まぁ、どうでもいい話よね。
男が相手だろうと、女が相手だろうと、理を通せればいいだけなのだから。
その理を、私的な感情で歪めるというのならばそこまで。
逆に理を優先できるのならば、それはそれで面白いだろう。
「・・・なるほどね、おもしろいわ、横島」
「そりゃけっこう」
久しく、私の執務室で一緒に書類を処理する。
厭わしい作業だけど、それでも懐かしくもある。
「そういえば、未完成品なのに、いいのか? 蜂蜜酒」
「ああ、発酵がすこしでもいいのよ。あいてはお子さまだから」
麗羽と袁術の話をすると、んーっと首を傾げる横島
。
「なに? 完成品以外出したくないとか言う話?」
「いいや、それだったら、蜂蜜で作った飴でも一緒に送ればよかったかな、と」
「ちなみに、今ここにあるのかしら?」
「おお、あるぞ・・・あーーーん」
ちょっと恥ずかしいけど、口を開く。
すると、白く何かをまぶした金色のモノが口に入れられた。
最初はあまり感じなかったけど、ゆっくりと口の中に甘い感じと花の香りが広がる。
「・・・おいしいわね。かなり」
「だろ? だから、一緒に入れとけばよかったかなぁ、と」
「まぁ、逆に言い取引材料でもあるわ」
・・・・
なによ、横島、なんて目で見てるのよ。
「華琳、怖い子」
「あら、怖いだけなのかしら?」
サイド : 横島忠夫
軍師や官僚、文官という人々は学閥ともいえる繋がりがあり、学会的な横の繋がりもある。
これを名士集団なんて関係だったらしい。
なぜ過去形かというと、なにしろ、名士の中心だった水鏡先生が陳留に移るという暴挙に出たからだ。
これにより多くの横の繋がりはリセットされてしまったと言えるだろう。
が、陳留で活動開始した水鏡女学院一行さまは、非常に手強い、そして普遍な手段にでた。
贈り物である。
ここでポイントなのは「賄賂」ではないと言うところ。
なにしろ、これを贈るから何かしろ、というわけではなく、こんな名産品の流通している所に引っ越しましたこれからも宜しく、と言うだけの話。
所謂ところ「引っ越し挨拶」な訳だ。
この反応は全面歓迎されたわけではない。
何しろ引っ越しの前に挨拶があったわけではないし、説明もない。
予め使者を出して挨拶に行ったが、学院が無人になっていて大騒ぎになったという者もいるだけに。
しかし大凡の人間はその事実を受け入れた。
そして陳留で行われている新政策や税制、そして治安維持の手法などに興味を持った文人が、徐々に集まってくると言う流れも出来つつあった。
「横島様、あの五色管理、学院でも導入してもよろしいですか?」
「あー、水鏡先生。導入は構いませんが、俺を様付けで呼ぶのは勘弁してください」
「ですが、得難い主である横島様を・・・」
「主は曹操、違いますか?」
「私の心は横島様のモノです」
とまぁ、こんな感じで問題がないわけではない。
史実と違って、水鏡先生は二十歳前後。
美味しい年齢なんだけど、ここでは行き遅れらしい。
いやいや、本当にもったいない話だ。
そんな風に思っているのが伝わっているのか、水鏡先生の猛攻激しく、これに加えて蓮命もアタックしてくるから、本当に消耗してしまう。
正直、やっちまってもいいかも、と思わなくもないんだけど、そういう情動は伝わるらしく、かわいい妹分達に冷たい視線で見られてしまう。
というか、華琳の視線が厳しい。
気でもあるのか、とか勘違いしてしまう。
まぁ、李典・楽進・沙和は、かなり好意を持って接してくれているのは理解できるんだけど、感覚的にはシロとじゃれてる感じなんだよなぁ。
あと、春蘭秋蘭からの酒の誘いが増えた。
何でも、華琳の閨当番に荀彧が入ったことで、姉妹で呼ばれることが減った影響らしい。
荀彧が情人として加わること自体に反対はないらしいが、情事の後、勝ち誇ったように笑うのが、春蘭には我慢できないらしい。
「華琳様を独占できると考えていること自体気にいらんのにゃぁ!!」
「ああ、嫉妬に狂う姉者、かわいいなぁ・・・」
夏侯姉妹、絶好調、というか平常運転。
「それに、だ!! 横島ぁ!!」
「ん?」
「最近、我ら姉妹に冷たいのではにゃいかぁ!?」
「いやいや、そんなことないぞ?」
「いや、ある!!」
断言した春蘭が、へにゃっと俺にしなだれかかってきた。
「にゃかまが増えるのはいい、華琳様の覇道に賛同してのことにゃのだからにゃ・・・」
きゅっと首に両腕が絡まされて体が押し当てられる、って、おっぱい、おっぱいが・・・
「でも、我らへの不義理の言い訳に、にゃらないのらーー!」
やべ、やべぇって!
て、なぜか背中からも柔らかい感触がって、秋蘭!?
「私も、常々そうおもっていたのだ。横島、我らのことは遊びなのか?」
「ああああああああ、この柔らかくて張りがあって色っぽくて気持ちい感触が、前から後ろかが前後不覚で、ああああああああああ」
とりあえず、文珠、イッパイできました。
両手いっぱいの、文珠。
歌にでもなりそうだ。
翌朝の朝議で、にんまり微笑む華琳をみて、ばれてることを実感した俺だった。
サイド : 曹孟徳
いろいろと不安はあったけど、横島もどうやら腰を落ち着ける気になったらしい。
一応、部下にはその気があったら迫れと言っていたが、夏侯姉妹が一番乗りとは思わなかった。
肉体的な接触が一番多いのは真桜だし、蓮命が一番立場的に近かっただろうし。
でも、これで夏侯家に異能の血が入ることになり、更なる飛躍が望めることだろう。
以降の世代に我らの旗下に加わるであろう戦力を思い頬がゆるむ思いだ。
加え、先日、軍師見習いに引き上げた荀彧、桂花は、閨の感覚に鋭いものがあった。
これだけでも拾いモノなのに、桂花の示す政策や軍略は実に刺激的だった。
刺激的だったのだが、彼女の政策案のほとんどが修正要求されているという。
何事か、と一瞬血が上ったが、逆に考えよう。
その政策は私の感性に合うが、いまの陳留運営方針にあわないのだ、と。
そう考えれば、筋は見える。
つまり、私自身の感性が「博打」的なんだろう。
そして、彼女の意見は私の感性に合わさる流れなのだ、と。
こうなれば、逆に閨で私を操縦しようとする行為自体が厭わしく思えるのだから勝手なものだ。
ゆえに、無粋なる行為、として一応警告をしておいた。
「閨を純粋に楽しめない娘は、二度と呼ばない、そう思ってもらって良いわ」
「・・・か、華琳様!!」
泣いて許しをこう姿を見て、この方針でよかったと心から感じた。
うん、泣き顔「が」かわいいわよ、桂花。
当初、横島への対抗心で空気を悪くしていた桂花だったけど、今までの政策修正案や内務効率化の実績を鑑みて、素直に頭を垂れたのは認めるところ。
とはいえ、その仕事を認めただけで、男であることを認めた訳じゃないのよ! とか言うのは可愛いことだ。
これで、春蘭秋蘭に子供が出来れば、切り落としても良いわよね、それ。
「な、なんのことだ!?」
ほんと、未だばれてないと思っているのが可愛いところね。
聞くところによると、真桜・沙和・凪からも手当申請が来てることを見れば、成功している。
ま、このままゆっくりと絡め取って、美味しくなるまで待つとするわ。
ふふふ。
(7,676文字)
OU:3人
UA:37,398人
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