英首相:チベット独立支持せず 会談で中国首相に

毎日新聞 2013年12月03日 12時06分

 【北京・工藤哲】訪中しているキャメロン英首相は2日、中国の李克強首相と北京で会談し、「英国は対中関係を非常に重視しており中国の主権と領土保全を尊重する。チベットは中国の一部であることを承認し独立を支持しない」と述べた。3日付の北京紙「京華時報」が伝えた。両国は経済協力を優先し、人権問題には踏み込まなかったとみられる。

 キャメロン首相が昨年5月にチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と面会し、中国は強く反発。英国は対中外交・経済協力でドイツやフランスに後れを取っていた。英国も経済を優先させ、対中関係修復にかじを切ったことで、中国の人権問題に対する欧州の発言力が低下する事態も引き起こしそうだ。

 中国人民大学国際関係学院の金燦栄(きん・さんえい)副院長は中国紙に「英国の近年のチベット問題対応は両国関係の健全な発展を妨げた」と分析。「偏見を捨て(中国との)政治信頼を強めるべきだ」と指摘した。

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