【シンガポール=矢沢俊樹】今回の閣僚会合では関税以外でも知的財産分野や国有企業改革などで激しい対立が続いている。一部新興国の離脱など交渉決裂を回避するため、協定発効を2段階に分ける案も浮上してきた。
3日目となる9日は午前の閣僚会合に続き、知的財産などの分科会で断続的に調整。米などは10日夕にも実質合意の共同声明をまとめたい意向だ。しかしマレーシアなどは米が強く求める国有企業改革に反発。交渉離脱も辞さない強硬姿勢だ。米産業界からはマレーシアの脱退容認論まで出ている。
関係者によると、米などでは交渉の空中分解といった深刻な事態を避けるため、改革に時間のかかる一部新興国の批准・協定発効を一定期間、遅らせることを容認する案がでているという。
日米などが先行して協定を発効し、後発組が追いつく妥協案だが、自由化の水準が低下する恐れもある。各国の合意が得られるかは微妙で、協定発効の段取りなどで意見を集約するにはなお時間がかかる見通しだ。
これまでの交渉で、TPP全21分野29章のうち、少なくとも3分の2超の分野では事実上合意の方向。ネット上の消費者の権利を保護する「電子商取引」や食品の安全確保のルール作りをする「衛生植物検疫(SPS)」などといった分野だ。米国はこれを既成事実とし、「実質合意」と位置付けたい意向だ。
だが、大きな懸案である知的財産分野を巡っては著作権や医薬品特許の保護強化を求める米などに他国が反発し、大きな進展は期待できない状況にある。「妥結が難しい知財など複数のテーマは、越年交渉しかない」(交渉筋)との見方が強まっている。
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