中国富裕層、もっと起こしやす 京など6商議所、関西の魅力PR
中国の富裕層に関西の魅力を発信する事業が10日、始まった。関西6商工会議所が進める観光客誘致の一環で、初日の受け入れ先となった京都市では、伝統産業の老舗が製造体験の企画を通して古都の魅力をアピールした。
京阪神と大津、奈良、和歌山の商議所会頭らは昨年6月、訪日観光客を増やすため中国の上海、広州両市を訪れ、商工関係者や旅行業者に各地の魅力を売り込んだ。今回は魅力を体感してもらう試みで、中国の旅行業者や雑誌記者ら4人を招待し、産業観光コースを案内する。
一行はこの日、薫香製造販売の松栄堂(中京区)で、畑正高社長から「商品の半分は宗教的な場面で使う。香は仏教伝来と同じ約1500年の歴史がある」と説明を受けた後、匂い袋作りを体験。7種類の香を混ぜ合わせ、自分だけの香りにした。金属箔粉(はくふん)製造販売の堀金箔粉(中京区)では、堀智行社長の指導で金箔貼りを体験。接着剤で好きな言葉を書いた紙の上に金箔を重ねて、「京都」「美」などの文字を作った。
中国の大手旅行会社で副総裁を務める庄宇翔さん(38)は「中国は政治の激動から老舗が少なく、伝統の大切さを考えさせられた。多くの中国人が歴史や文化に興味を持つと思う」と話した。
一行は13日まで滞在し、奈良や大津の名所を巡る。16~19日には、別の一行が食文化をテーマに和歌山や兵庫、大阪を訪れる。
【 2013年12月10日 22時40分 】