a3b8967e.JPG 今回の小泉内閣、法務大臣を務めている南野知恵子はあまりにも予想外の閣僚登用であった。元々看護学の専門。高い学歴があるわけでもない。昭和10年生まれ。こういっては何だがもはやおばあさんといってよい年齢である。
 
 就任時、自分で驚きを隠せないといっていた(そういうことは記者会見では決していわない方がいいのだが・・・。)が、こうした寝耳に水の入閣で、しかも全くの専門外をバリバリと仕事をこなせるはずがない。医師会、日本看護連盟など医療界との業界繋がりが極めて強い小泉が、支持の見返りに丸抱えで割り当てたポジションである。そうでなければこれほど異常な人選がなされるはずがない。日本において法務大臣というのは軽く見られている閣僚ポストである。永野も臼井も野沢も、あまり法相就任を喜んではいなかった。
 
 「何だ、法相か。」

 といった具合である。法務や国家公安委員長などのポストに興味を示すのは、情報を生命線とする政治家、例えば野中広務や後藤田正晴あたりしかいないだろう。
 
 女性で専門外の老人。これを法務省の見苦しい役人達がいびっているという。国会中継を見ていてもそれはすぐにわかる。法務省官僚が全く彼女のために全力で奉仕しているようには見えないのである。怠惰なダメ男が座って南野を側面からつついているとしか形容できない。

 本来なら官僚は大臣を補佐して万全のサポートをしてしかるべきである。しかし、見くびられた南野法相は全くの子ども扱い。てんで仕事にならないといわれる。それが今、国会答弁でのめちゃめちゃな体たらくを晒す恥に直結している。

 南野の答弁で審議が中断している。日本歯科医師連盟の1億円領収書なし旧橋本派ヤミ献金事件についての民主党質問である。これの捜査を形式上は指揮していることになっている検察当局トップである南野には事件がらみの質問が続出。だが、彼女には答えられないのである。
 
 答弁はくるくる変わった。見ていた私も凍りついたし、与党自民党も固まっていた。
 
 「報告は受けている」、「聞いているか聞いてないとかいうことも申し上げられない」、「聞いていない」、「報告できない」、「言えない」、「議員の仰るとおりでございます」

 といった調子で一回ごとに答えがダッチロール。民主党の辻恵が「どれが本当か?」と聞き返していた。

 小泉は
 
 「よく頑張っている。いたわりの気持ちを持って。」
 
 といってごまかしたがことは国政最高レベルの統治に関する事柄である。老人福祉の運動会ではない。冗談では済まされない。
 
 しかも同時にこれは女性である南野に対するあまりにも屈辱的な侮辱では無かろうか。つまり、彼女も任命されるとは思っておらず、その意思も能力もないのに引っ張り出されているわけである。もし、これが男性だったらこうした扱いがあり得ただろうか?彼女が年老いた女性だからこそこうした事がまかり通っているのでは無かろうか?日本人の男として見ていて、小泉にも法務省の役人にも頭に来て仕方がない。司法府に対するあからさまな軽蔑でもある。連中にはつける薬がない。最大級の怒りを感じると申し上げたい。
 
 南野も専門の看護と医療の世界でその役割を全うすれば良かったところ、脳天気に政治家になどなってしまったものだからこうした恥をかく目に遭う。それは本人の責任だから全く同情はしない。愚かな人間だと思う。しかし、この扱いはいったいなんだ??? 
 
 法務省官僚のサポートが十全に受けられない南野はおそらく頭が真っ白の状態だろう。そのうち私の祖母と同じようにくも膜下出血でも起こして急死しかねない。
 
 南野法相問題。これはジェンダーの問題として認識すべきである。