バタヤンこと田端義男さんや島倉千代子さんなど大物歌手、芸能プロダクション「サンミュージック」の相澤秀禎氏など今年の芸能界も数多くの著名人が亡くなった。「アンパンマン」の作者で知られる、やなせたかしさんも10月に94歳で亡くなった。「今後、アンパンマンはどうなるの?」と子供を持つ親たちにも大きな衝撃を与えた。
丸い顔は、ぐずっている子供をあやすのには最高のアイテムだ。子供なら誰もが一度は接するキャラクターで、子を持つ親なら知らない人がいないといわれている「アンパンマン」。やなせさんは誰でも笑顔にしてしまう、そんな影響力を持つ作品を世に送り出した。
やなせさんが亡くなった際、本紙は「国民栄誉賞を与えるべき」との記事を掲載した。しかし、現政権では議題に上がらなかったという。
ある永田町関係者は「議員の中には、やなせさんに国民栄誉賞をという者がいなかったわけではないが、安倍総理ですからね。まず無理だろうなという空気もあった」と口にする。
昨年12月に誕生した第2次安倍内閣は今年に入ってから、2月に昭和の大横綱・大鵬関の納谷幸喜氏、5月には長嶋茂雄氏と松井秀喜氏に国民栄誉賞を与えた。
やなせさんにも、となれば乱発になる——と考えたか。いや、それが理由ではないようだ。
「だって、(安倍総理には)子供がいないでしょ。当然、孫だっていない。『アンパンマン』を知らないわけじゃないだろうけど、どれだけ偉大で、どれほど子供に影響を与えているか、そのすごさは分かるわけない。だから、国民栄誉賞という話にはなるはずがないよね」と同関係者は語る。
常に「政権の人気取りのため」「政治利用はいかがなものか」などと問題点が議論される国民栄誉賞。なのに議題にすら上がらなかったのは、安倍総理がアンパンマンに思い入れがなかったからなのかもしれない。
前出の永田町関係者は「世間はアベノミクスだと騒いでいるし、安倍首相も口では、『将来の子供たちのために』と口では言っているけど、本当に子供のことを理解しているのかなって、思ってしまうよね」と語る。
国民栄誉賞を与えたから素晴らしい総理、与えないからダメな総理などと言うつもりはないが、アンパンマンは多くの人にとって大事な作品だ。
日テレ関係者が「『アンパンマン』はウチの局を支える重要なソフト。やなせ先生が亡くなったからといって、そう簡単に放送はやめられませんよ」と明かすように、やなせさんの遺志は、しっかり受け継がれていく。
ここは子供を持たない大人にもアンパンマンの偉大さが浸透するまで、日テレには頑張ってもらうしかないか。
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