2011年08月
2011年08月30日
許されざる男の話
ということで、今日は私にとっての「許せない」「許されざる男」の話をします。
日本には、「死者に鞭をうたない」という「美徳」があります。かつての私はそれを本当の「美徳」と考えてきましたが、最近は必ずしもそうではないのではないか、と考えるようになりました。
一つだけ例を出しますが、かつて日本には中国人女性スパイとねんごろになっていた総理大臣がいました。名前は出しませんが、残念ながら私と同じ出身県です。
お断りしておきますが、私は政治家に愛人の一人や二人いても構わないと思っております。人のモラルを追及できるほど、私の道徳が高いわけではありません。
しかし、愛人が外国のスパイだと話が根本的に違ってきます。これは下半身とか倫理・道徳の問題ではなく、国家安全保障の問題です。
まだドイツが東西に分かれていたころに、西ドイツ首相の一番の側近が東ドイツのスパイだったという大事件がありました。この側近スパイが逮捕された直後に、首相は辞表を提出しました。
私に言わせれば、この首相が偉いわけでも何でもありません。当たり前のことをしただけです。
しかし、この日本の首相は辞任することもなく、この件について追及されることも責任をとることもなく、天寿を全うしました。
私は、今からでもこういう人間は墓を暴いて徹底的に追及すべきだと思います。
さて、今回の首相退任を私は心から喜んでおりますが、何をトチ狂ったのか、「朝鮮学校無償化指示」という「最後っ屁」をかましたようです。
長年にわたり私は一貫して「朝鮮学校だけでなく、全ての無償化に大反対」と言い続けておりますが、その中でも朝鮮学校だけは認めるわけにはいきません。
ちなみに、ほかの全うな民族教育を行っている中華学校やアメリカンスクール、あるいは韓国学校に対しては無償化を認めているのですから、これは民族差別では全くありません。一度でも朝鮮学校で使っている教科書を読んでみれば、私の言わんとすることがおわかりでしょう。
誤解を恐れずに言いますが、この件に比べると前原氏の献金問題は小さいものだと思います。政治家が献金を受け取るのは当たり前の話ですし、それほど大きな額でもありません。「長年のお付き合いだが、日本籍でないとは知らなかった。よって丁重にお返しした」という説明は、少なくとも私には納得がいくものでした。
こんな問題よりも、前首相が北朝鮮に対して億単位のカネを(もらっていたのではなく)貢いでいた、ほうがはるかに大問題でしょう。その上に、こんな「手土産」まで用意しているとは、一体どんな下心があるのか、よほどの弱みを握られているのかのどちらかしかありません。
首相を辞めたからと言って、追及の手を緩めないようマスコミ・司直の皆様にはお願いしたいと思います。
日本には、「死者に鞭をうたない」という「美徳」があります。かつての私はそれを本当の「美徳」と考えてきましたが、最近は必ずしもそうではないのではないか、と考えるようになりました。
一つだけ例を出しますが、かつて日本には中国人女性スパイとねんごろになっていた総理大臣がいました。名前は出しませんが、残念ながら私と同じ出身県です。
お断りしておきますが、私は政治家に愛人の一人や二人いても構わないと思っております。人のモラルを追及できるほど、私の道徳が高いわけではありません。
しかし、愛人が外国のスパイだと話が根本的に違ってきます。これは下半身とか倫理・道徳の問題ではなく、国家安全保障の問題です。
まだドイツが東西に分かれていたころに、西ドイツ首相の一番の側近が東ドイツのスパイだったという大事件がありました。この側近スパイが逮捕された直後に、首相は辞表を提出しました。
私に言わせれば、この首相が偉いわけでも何でもありません。当たり前のことをしただけです。
しかし、この日本の首相は辞任することもなく、この件について追及されることも責任をとることもなく、天寿を全うしました。
私は、今からでもこういう人間は墓を暴いて徹底的に追及すべきだと思います。
さて、今回の首相退任を私は心から喜んでおりますが、何をトチ狂ったのか、「朝鮮学校無償化指示」という「最後っ屁」をかましたようです。
長年にわたり私は一貫して「朝鮮学校だけでなく、全ての無償化に大反対」と言い続けておりますが、その中でも朝鮮学校だけは認めるわけにはいきません。
ちなみに、ほかの全うな民族教育を行っている中華学校やアメリカンスクール、あるいは韓国学校に対しては無償化を認めているのですから、これは民族差別では全くありません。一度でも朝鮮学校で使っている教科書を読んでみれば、私の言わんとすることがおわかりでしょう。
誤解を恐れずに言いますが、この件に比べると前原氏の献金問題は小さいものだと思います。政治家が献金を受け取るのは当たり前の話ですし、それほど大きな額でもありません。「長年のお付き合いだが、日本籍でないとは知らなかった。よって丁重にお返しした」という説明は、少なくとも私には納得がいくものでした。
こんな問題よりも、前首相が北朝鮮に対して億単位のカネを(もらっていたのではなく)貢いでいた、ほうがはるかに大問題でしょう。その上に、こんな「手土産」まで用意しているとは、一体どんな下心があるのか、よほどの弱みを握られているのかのどちらかしかありません。
首相を辞めたからと言って、追及の手を緩めないようマスコミ・司直の皆様にはお願いしたいと思います。
2011年08月24日
私が見たお金持ちの話
ということで、今日は「お金持ち」の話をします。
先日も投資家のバフェット氏が「米国の富裕層にもっと課税を」と主張していたのを思い出しました。
これまで私は、世界各国のお金持ちと直接お会いし、一部の方とは今も続くお付き合いをさせていただいております。
先日のことですが、あるところで「私が知る成功者・お金持ちは淋しい人たちで、家族ともうまくいっておらず、正月にも自宅に居場所がない人がいる」という言葉を聞いて、耳を疑いました。
少なくとも私が知る中でそんな人は一人もいません。みなさん規則正しい生活を送っておられ、既婚者に関しては良好な夫婦関係を維持し、幸せな方ばかりです。
まあ、一番大きな理由は「類は友を呼ぶ」ということであると自分で勝手に解釈しておりますが、私が知るお金持ちの皆さんは善人ばかりです。というより、お金が増えれば増えるほど善人の度合いが増すようです。
ちなみに、土曜深夜2時以降に六本木ヒルズ近辺を歩いてみるとわかりますが、周りの店はがらがらです。私が個人的に知るヒルズ族のみなさんは早寝早起きの方ばかりでした。私の日記に何度か登場してもらっている親友・きよちゃんのおかげで中に入れたのはD棟だけですが、朝六時になると最上階のラウンジに朝食が用意され、住人の皆さんが集まってきて挨拶や情報交換をしていたのを思い出します。
ちなみに、私は日本でお金持ちにこれ以上課税するのは反対です。日本には、累進課税という悪法があります。これ以上富裕層の負担を増やすと、タックスヘイブンに逃げられる恐れがあります。ものの本によると、中日の落合監督は選手時代毎年高年俸を求めて球団と交渉を続けましたが、あれはカネのためではないそうです。なぜなら、ご本人の言葉を借りると、「日本で年俸が一億増えても、手取りはせいぜい二千万円くらいしか増えない」からです。あの年俸闘争はあくまでも野球選手の地位向上、そしてもっと若い選手に一つの見本を見せ、もっと選手にカネを出してやれ、という強烈なメッセージだったのです。
常々繰り返していることですが、二十年以上スター・お金持ちであり続けている人は善人に決まっています。間違いなく、バフェット氏も、このフランスの富豪たちも善人なのです。
私も色々な意味で、こういう人たちを見習いたいと思う今日この頃です。
「われわれ富裕層に増税を」、フランス富豪らが政府に嘆願
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1717853&media_id=52
先日も投資家のバフェット氏が「米国の富裕層にもっと課税を」と主張していたのを思い出しました。
これまで私は、世界各国のお金持ちと直接お会いし、一部の方とは今も続くお付き合いをさせていただいております。
先日のことですが、あるところで「私が知る成功者・お金持ちは淋しい人たちで、家族ともうまくいっておらず、正月にも自宅に居場所がない人がいる」という言葉を聞いて、耳を疑いました。
少なくとも私が知る中でそんな人は一人もいません。みなさん規則正しい生活を送っておられ、既婚者に関しては良好な夫婦関係を維持し、幸せな方ばかりです。
まあ、一番大きな理由は「類は友を呼ぶ」ということであると自分で勝手に解釈しておりますが、私が知るお金持ちの皆さんは善人ばかりです。というより、お金が増えれば増えるほど善人の度合いが増すようです。
ちなみに、土曜深夜2時以降に六本木ヒルズ近辺を歩いてみるとわかりますが、周りの店はがらがらです。私が個人的に知るヒルズ族のみなさんは早寝早起きの方ばかりでした。私の日記に何度か登場してもらっている親友・きよちゃんのおかげで中に入れたのはD棟だけですが、朝六時になると最上階のラウンジに朝食が用意され、住人の皆さんが集まってきて挨拶や情報交換をしていたのを思い出します。
ちなみに、私は日本でお金持ちにこれ以上課税するのは反対です。日本には、累進課税という悪法があります。これ以上富裕層の負担を増やすと、タックスヘイブンに逃げられる恐れがあります。ものの本によると、中日の落合監督は選手時代毎年高年俸を求めて球団と交渉を続けましたが、あれはカネのためではないそうです。なぜなら、ご本人の言葉を借りると、「日本で年俸が一億増えても、手取りはせいぜい二千万円くらいしか増えない」からです。あの年俸闘争はあくまでも野球選手の地位向上、そしてもっと若い選手に一つの見本を見せ、もっと選手にカネを出してやれ、という強烈なメッセージだったのです。
常々繰り返していることですが、二十年以上スター・お金持ちであり続けている人は善人に決まっています。間違いなく、バフェット氏も、このフランスの富豪たちも善人なのです。
私も色々な意味で、こういう人たちを見習いたいと思う今日この頃です。
「われわれ富裕層に増税を」、フランス富豪らが政府に嘆願
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1717853&media_id=52
2011年08月22日
川島選手と審判の話
ということで、今日は川島選手の話をします。
すでに既報の通りですが、ベルギーにおける試合で川島選手にたいして「フクシマ!フクシマ!」と連呼されたという一件です。
私も何度かサッカー関連の仕事を請けたことがあり、ただいまも一つ大きな案件の交渉が最終段階に入っております。
そんな関係もあり、サッカー界の動向は常々チェックしております。ここ数年サッカー界は人種差別の撲滅に力を入れておりますが、この一件はある意味で人種差別よりタチが悪いと思います。
川島選手が厳重に抗議するのは当然のことです。この相手チームに関しては、勝ち点没収とか、無観客試合、「フクシマ」を連呼した観客の入場禁止など厳罰を切望します。
その意味で、今回試合を中断してくれた審判には、好判断をしていただいたということで感謝したいと思います。あの審判こそ、ベルギーの良心ではないでしょうか。
ただ、ネットの反応を見ていてイヤになったのは、このベルギーの不埒なサポーターを批判する際に「朝鮮人みたい」などという言葉が平気でとびかっていることです。
日本人であれ、韓国人であれ、ベルギー人であれ、いい人がいれば、必ず一定の割合でロクでもないのもいます。
私が日本人・韓国人ともに数多く深く付き合って一つだけ確信したことがあります。それは、「日本人で韓国人を差別するのは韓国人の友達がいない人間であり、韓国人で必要以上に日本統治時代を悪く言うのは実際にあの時代を経験していない人」ということです。
今回の一件を機に、全世界において「知らぬゆえの排斥」が少しでも減っていくことを切望しております。
すでに既報の通りですが、ベルギーにおける試合で川島選手にたいして「フクシマ!フクシマ!」と連呼されたという一件です。
私も何度かサッカー関連の仕事を請けたことがあり、ただいまも一つ大きな案件の交渉が最終段階に入っております。
そんな関係もあり、サッカー界の動向は常々チェックしております。ここ数年サッカー界は人種差別の撲滅に力を入れておりますが、この一件はある意味で人種差別よりタチが悪いと思います。
川島選手が厳重に抗議するのは当然のことです。この相手チームに関しては、勝ち点没収とか、無観客試合、「フクシマ」を連呼した観客の入場禁止など厳罰を切望します。
その意味で、今回試合を中断してくれた審判には、好判断をしていただいたということで感謝したいと思います。あの審判こそ、ベルギーの良心ではないでしょうか。
ただ、ネットの反応を見ていてイヤになったのは、このベルギーの不埒なサポーターを批判する際に「朝鮮人みたい」などという言葉が平気でとびかっていることです。
日本人であれ、韓国人であれ、ベルギー人であれ、いい人がいれば、必ず一定の割合でロクでもないのもいます。
私が日本人・韓国人ともに数多く深く付き合って一つだけ確信したことがあります。それは、「日本人で韓国人を差別するのは韓国人の友達がいない人間であり、韓国人で必要以上に日本統治時代を悪く言うのは実際にあの時代を経験していない人」ということです。
今回の一件を機に、全世界において「知らぬゆえの排斥」が少しでも減っていくことを切望しております。
2011年08月18日
あえてフジテレビを弁護する、の話
ということで、今日はこれまでの沈黙を破り、ある程度現場を見た中で言える話をします。
まず先にお断りしておきますが、私の祖父は韓国人でした。血はつながっておりませんが、世の祖父と孫より深く、親しく付き合いました。よって、私は疑いもなく「親韓派」です。
だからといって、竹島の一件で韓国に譲る気はありません。わざわざ8月15日を選ぶわけでもありませんが、年に二回くらいは靖国神社に行き、日本のために一身を捧げられた韓国出身の洪中将や台湾の「高砂義勇隊」を偲びます。
米国の大学にいた頃は、韓国人のルームメイトと同じ部屋で暮らしたこともありますが、私は部屋に日の丸を掲げ、「よろしければ、隣に太極旗をどうぞ」と言ったところ、何一つ問題は発生しませんでした。
そんな私はこれまでNHKを除く全ての民放キー局で仕事をする機会に恵まれました。
言っていいかどうかわかりませんが、テレビ局って全てが同じではないのですよ。通訳者という特殊技能がありつつ裏方であり続ける者をどのように扱うかを見ると、局の品格があらわれます。
色々な局をまわってしみじみと感じるのは、「貧すれば鈍する」ということです。ああ、こういう風に心や志まで貧しくなってはいけない、と自らに言い聞かせます。
実は、フジテレビは民放の中では一番礼儀がしっかりしており、通訳者に対する配慮もなされているいい局です。 作業中もADさんが何くれとなく気を遣ってくださいますし、放送でもできる限り全力を尽くしていいものを作ろうとする姿勢が見られます。
ちなみに、これまでの経験で一番ひどい話をしましょう。
あえて局名は伏せますが、あるニュースのために私は夕方の五時ごろに局入りしました。すると担当者からビデオを渡され、仕事内容についての説明を受けました。そのときに、私は何の気なく「これ、大体何時間分くらいありますか?」と聞いたのです。
そのとき得意げに、今風に言えば「どや顔」だったディレクターの答えを、私は生涯忘れることはないでしょう。
「ええ、必ず公共交通機関でお帰りいただけます。もしビデオの翻訳が時間に間に合わなければ、それでも結構です。」
この言葉には少し解説が必要かも知れません。
通訳者がテレビ局入りするときには、公共交通機関で行きます。しかし終電を逃してしまうことも仕事の性格上当然ありえます。そのときは、局からタクシーチケットが支給されるわけです。
タクシー代といっても、都内在住なら数千円の話でしょう。テレビ局というのは、同じ屋根の下でも番組が違えば実質別会社と同じですが、フジテレビの番組ではここで妥協することはありません。ところがこのディレクター氏は、要は「番組のクオリティよりも、通訳者のタクシー代数千円が惜しい」と言っているのです。
もっとも、私はプロです。プロにもピンからキリまでありますが、私は最高のピンです。渡されたものを全て時間内に、完璧に仕上げましたが、あの日家に戻るときに感じた空しさは未だに忘れられません。
これで、私がテレビ業界の仕事を楽しみながらも、プライベートではサッカー日本代表の試合以外決して見ない理由がおわかりでしょう。
今時これだけテレビゲームもあり、それ以外の娯楽も豊富にあり、レンタルビデオもケーブルテレビだってあるわけです。北朝鮮なら、必ず朝鮮中央放送を見て、「偉大なる金日成主席のありがたいお言葉」を丸暗記しなければ、文字通り生死にかかわりますが、日本でそんなことはありません。そう考えると、「見たくなければ見なければいい」が正しいのではないでしょうか。
もしテレビ局があまりにもずれたことをしていれば、視聴率がとれなくなり、株主からそっぽを向かれ、スポンサーがつかなくなり、潰れていくだけの話です。
今回の話で私がおかしいと思うのは、「韓流」をテレビで流していると(そして見ていると)日本人としての誇りやアイデンティティが失われる、といった論調です。私に言わせれば、たかだか一日に一時間か二時間外国製のテレビ番組を見たために失われる「日本の誇り」やら「アイデンティティ」など元々大した物ではない、なくなってかまわない、とすら思います。
そんなくだらない「誇り」やら「伝統」なんぞにこだわるくらいなら、「韓流」番組を利用して韓国語の勉強をされてはいかがですか?韓国語が英語よりとっつきやすいことは、専門家である私が保証します。
ということで、最後にゲーテの言葉を引用して締めくくります。
「外国語を知らない者は、自国語についても無知である。」
まず先にお断りしておきますが、私の祖父は韓国人でした。血はつながっておりませんが、世の祖父と孫より深く、親しく付き合いました。よって、私は疑いもなく「親韓派」です。
だからといって、竹島の一件で韓国に譲る気はありません。わざわざ8月15日を選ぶわけでもありませんが、年に二回くらいは靖国神社に行き、日本のために一身を捧げられた韓国出身の洪中将や台湾の「高砂義勇隊」を偲びます。
米国の大学にいた頃は、韓国人のルームメイトと同じ部屋で暮らしたこともありますが、私は部屋に日の丸を掲げ、「よろしければ、隣に太極旗をどうぞ」と言ったところ、何一つ問題は発生しませんでした。
そんな私はこれまでNHKを除く全ての民放キー局で仕事をする機会に恵まれました。
言っていいかどうかわかりませんが、テレビ局って全てが同じではないのですよ。通訳者という特殊技能がありつつ裏方であり続ける者をどのように扱うかを見ると、局の品格があらわれます。
色々な局をまわってしみじみと感じるのは、「貧すれば鈍する」ということです。ああ、こういう風に心や志まで貧しくなってはいけない、と自らに言い聞かせます。
実は、フジテレビは民放の中では一番礼儀がしっかりしており、通訳者に対する配慮もなされているいい局です。 作業中もADさんが何くれとなく気を遣ってくださいますし、放送でもできる限り全力を尽くしていいものを作ろうとする姿勢が見られます。
ちなみに、これまでの経験で一番ひどい話をしましょう。
あえて局名は伏せますが、あるニュースのために私は夕方の五時ごろに局入りしました。すると担当者からビデオを渡され、仕事内容についての説明を受けました。そのときに、私は何の気なく「これ、大体何時間分くらいありますか?」と聞いたのです。
そのとき得意げに、今風に言えば「どや顔」だったディレクターの答えを、私は生涯忘れることはないでしょう。
「ええ、必ず公共交通機関でお帰りいただけます。もしビデオの翻訳が時間に間に合わなければ、それでも結構です。」
この言葉には少し解説が必要かも知れません。
通訳者がテレビ局入りするときには、公共交通機関で行きます。しかし終電を逃してしまうことも仕事の性格上当然ありえます。そのときは、局からタクシーチケットが支給されるわけです。
タクシー代といっても、都内在住なら数千円の話でしょう。テレビ局というのは、同じ屋根の下でも番組が違えば実質別会社と同じですが、フジテレビの番組ではここで妥協することはありません。ところがこのディレクター氏は、要は「番組のクオリティよりも、通訳者のタクシー代数千円が惜しい」と言っているのです。
もっとも、私はプロです。プロにもピンからキリまでありますが、私は最高のピンです。渡されたものを全て時間内に、完璧に仕上げましたが、あの日家に戻るときに感じた空しさは未だに忘れられません。
これで、私がテレビ業界の仕事を楽しみながらも、プライベートではサッカー日本代表の試合以外決して見ない理由がおわかりでしょう。
今時これだけテレビゲームもあり、それ以外の娯楽も豊富にあり、レンタルビデオもケーブルテレビだってあるわけです。北朝鮮なら、必ず朝鮮中央放送を見て、「偉大なる金日成主席のありがたいお言葉」を丸暗記しなければ、文字通り生死にかかわりますが、日本でそんなことはありません。そう考えると、「見たくなければ見なければいい」が正しいのではないでしょうか。
もしテレビ局があまりにもずれたことをしていれば、視聴率がとれなくなり、株主からそっぽを向かれ、スポンサーがつかなくなり、潰れていくだけの話です。
今回の話で私がおかしいと思うのは、「韓流」をテレビで流していると(そして見ていると)日本人としての誇りやアイデンティティが失われる、といった論調です。私に言わせれば、たかだか一日に一時間か二時間外国製のテレビ番組を見たために失われる「日本の誇り」やら「アイデンティティ」など元々大した物ではない、なくなってかまわない、とすら思います。
そんなくだらない「誇り」やら「伝統」なんぞにこだわるくらいなら、「韓流」番組を利用して韓国語の勉強をされてはいかがですか?韓国語が英語よりとっつきやすいことは、専門家である私が保証します。
ということで、最後にゲーテの言葉を引用して締めくくります。
「外国語を知らない者は、自国語についても無知である。」
2011年08月04日
嗚呼、オレを雇っておけば、の話
ということで、今日は思わずため息をついてしまった話をします。
この出版社の一番の過ちは、「そもそも私を雇わなかった」ことです。
「世界で一番神聖なる職業はセールスマンであり、ずっと離れた二番目が翻訳家である」 が私の長年の持論であり、信念です。
そもそもなぜ飛行機は空を飛ぶのか。航空力学的には色々あるのでしょうが、 私に言わせれば、「航空機の本体を売るセールスマンがいて、燃料その他を売る営業職がいて、 航空券を売りさばく販売担当者や端末がいるから」です。どんなにすばらしい製品・商品・サービスがあったとしても、売れなければ意味がありません。ゴッホの絵画は歴史に残っていますが、彼が生きている間に売れたのは「ガシェ博士の肖像」一枚だけでした。これは、明らかにゴッホおよびその周辺にセールス能力がなかったからです。
たとえば、世の読書家と呼ばれる人であれば、「聖書」「罪と罰」「君主論」「三国志」 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」くらいは一度くらい読んだことがあるでしょう。 しかし、それぞれをギリシャ語、ロシア語、イタリア語、中国語、ドイツ語の原書で全て読んだ人はどれくらいいるでしょう? 全世界を探しても、全てを原書で読んだ人はほとんどいないと思います。
はっきり言いますが、あなたが読んだと思い込んでいるほとんどの本は、誰かが翻訳してくれたから、読むことができたのです。それくらい、翻訳者の役割は重要なのです。
翻訳者の人間性と力量によって一冊の本がどれくらいかわるのか。これを一番わかりやすく 証明するのが、日本で出版された「最初のアラジン・ファクター」と「タカ大丸訳アラジン・ ファクター」です。もし現物をお持ちでないなら、国会図書館にある二冊を比べてみるといいでしょう。
歴史を振り返ると、アホな通訳のために戦争が勃発したことが何度もあります。
ちなみに私は、「アラジン・ファクター」の原書で270ページ、日本語版で当初520ページ分にあたる原稿を一ヶ月半で仕上げました。
出版社およびテレビ局の皆さん。多少人件費は高くつきますが、最初から私を使っておいたほうが、長い目で見たら安上がりで信頼を獲得することができますよ。
■ひどいアインシュタイン伝記…自動翻訳のまま?
(読売新聞 - 08月04日 11:47)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1695496&media_id=20
この出版社の一番の過ちは、「そもそも私を雇わなかった」ことです。
「世界で一番神聖なる職業はセールスマンであり、ずっと離れた二番目が翻訳家である」 が私の長年の持論であり、信念です。
そもそもなぜ飛行機は空を飛ぶのか。航空力学的には色々あるのでしょうが、 私に言わせれば、「航空機の本体を売るセールスマンがいて、燃料その他を売る営業職がいて、 航空券を売りさばく販売担当者や端末がいるから」です。どんなにすばらしい製品・商品・サービスがあったとしても、売れなければ意味がありません。ゴッホの絵画は歴史に残っていますが、彼が生きている間に売れたのは「ガシェ博士の肖像」一枚だけでした。これは、明らかにゴッホおよびその周辺にセールス能力がなかったからです。
たとえば、世の読書家と呼ばれる人であれば、「聖書」「罪と罰」「君主論」「三国志」 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」くらいは一度くらい読んだことがあるでしょう。 しかし、それぞれをギリシャ語、ロシア語、イタリア語、中国語、ドイツ語の原書で全て読んだ人はどれくらいいるでしょう? 全世界を探しても、全てを原書で読んだ人はほとんどいないと思います。
はっきり言いますが、あなたが読んだと思い込んでいるほとんどの本は、誰かが翻訳してくれたから、読むことができたのです。それくらい、翻訳者の役割は重要なのです。
翻訳者の人間性と力量によって一冊の本がどれくらいかわるのか。これを一番わかりやすく 証明するのが、日本で出版された「最初のアラジン・ファクター」と「タカ大丸訳アラジン・ ファクター」です。もし現物をお持ちでないなら、国会図書館にある二冊を比べてみるといいでしょう。
歴史を振り返ると、アホな通訳のために戦争が勃発したことが何度もあります。
ちなみに私は、「アラジン・ファクター」の原書で270ページ、日本語版で当初520ページ分にあたる原稿を一ヶ月半で仕上げました。
出版社およびテレビ局の皆さん。多少人件費は高くつきますが、最初から私を使っておいたほうが、長い目で見たら安上がりで信頼を獲得することができますよ。
■ひどいアインシュタイン伝記…自動翻訳のまま?
(読売新聞 - 08月04日 11:47)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1695496&media_id=20