マエケン、ＭＬＢ挑戦希望を表明「野球人生は１回」

推定２億８０００万円で契約を更改した前田健。長女の出産祝いに報道陣からオムツで作られたケーキをプレゼントされて笑顔を見せた

　【レークブエナビスタ（米フロリダ州）９日】米大リーグのドジャースが、楽天・田中将大投手（２５）に続き、広島・前田健太投手（２５）の獲得を目指す可能性が高まった。ウインターミーティングが開幕したこの日、ド軍関係者が、スポーツ報知の既報通り契約更改の場でメジャー挑戦を希望した前田健に強い興味を示した。田中の争奪戦でもヤンキースとともに最有力候補とされている球団が、日本球界を代表する２人の右腕の“ダブル獲り”を目指す。

　前田健は１０日、マツダで行った契約更改交渉の席上、将来のポスティングシステム（入札制度）によるメジャー挑戦の意向を球団に申し入れた。１０日付スポーツ報知の単独インタビューでメジャー挑戦願望を明かしていた右腕は「自分がいい（状態の）時に行きたいのは、もちろんある。僕は後悔はしたくない。野球人生もそんなにあるわけじゃない。一回しかない」と改めて力説した。

　メジャーへの憧れについて「昔から気持ちは伝えていました」と、以前から球団に伝えていたことを明かしたマエケン。海外ＦＡ権を取得するのは早くても１７年のシーズン中だが、この日は、鈴木球団本部長から新ポスティング制度について説明を受けた。同制度を利用すれば、ＦＡと違い球団にも入札金を得られるメリットがある。「何とか（入札金で）チームに恩返しできる形がベスト」と、同制度を利用することを視野に入れている。

　「（来年の）シーズンを戦いながら考えて、終わってから話し合いたい」と来オフにも挑戦したい考えを表明した右腕に、松田オーナーは「夢として受け止めるが、今はまったく考えていない。ファンの人たちの機運が盛り上がれば、考えないといけない時が来るかもしれない」と一定の理解を示しながらも慎重な姿勢を見せた。来オフのメジャー挑戦を実現させるためにも「優勝に１２球団で一番遠ざかっている。すべてに圧倒的な数字でシーズンを終われたら」と、２３年ぶりのＶ奪回をエースとして先導する決意だ。

　昨年は２時間の交渉の末に初めて保留したが、この日は３０分足らずで、７０００万円増となる年俸２億８０００万円の１年契約で一発サイン。０７年の黒田（現ヤンキース）の２億５０００万円を上回り、球団史上最高年俸に躍り出た。胸を張って海を渡るため、日本一の勲章を手に入れる。