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【Tips】モデルやアクセサリの描画順について
昨夜のモデリング生放送で、半透明アクセサリの作り方に関連して軽く触れていた
描画順について、大事なことなのでまとめておきますね。描画順の基本
MMDの画面で見えている画像は、例えばカラープリンタで紙に印刷するときのように、
全体を一度に書き出しているわけではありません。 背景画像を描いて、その上に
モデルやアクセサリを順番に描いて重ねているのです。×→
○→
※黒が何もない状態、白が背景、家と人がいる図です。順番に描くので、「どの順番で描くか」が非常に重要になってきます。
自分でイラストを描くときのことを考えてもらうと分かると思いますが、背景か人物か、
どちらから描くのが簡単ですか?(レイヤー機能は使わない方向で)
おそらく背景で完全に塗りつぶしてから、人物を上書きするほうが簡単でしょう。
人物をきっちりみっちり描き込んでから、そのすぐ脇まで後で背景を描き込むのは
難しいと思います。MMDにとっても、同じです。
始めたばかりだと多くの方が描画順まで気にしていないのですが、気にした方が
画面が綺麗になります。
背景をあとで描くようにすると、先に描いたものを上書きしてしまわないように、
ほんの少しですが隙間を空けて背景を描くようです。
こんな感じに。→※黒いところは、実際は透明になります。
【実例】
モデルの後に背景を描画する設定で書き出した静止画の拡大図
(モデルはCOLION様のイギリスモデル、背景は、うすた様作のブワル図書館)
※静止画の後ろに白をおいた画像と、緑をおいた画像を順に表示しています。普通は隙間はほんのわずかなので、動画ではおそらく気にしなくても大丈夫なのですが、
このように目立つ場合や静止画を作る場合だと気をつけたほうがいいと思います。描画順のいじりかた
MMDの上部のタブから、「背景」→「アクセサリ編集」を選ぶ。
そこでアクセサリの順番を入れ替えると、上から順に描画されます。
そこに、モデルの描画順が割り込みます。
この例では、
アクセサリ1→モデル(全部)→アクセサリ2→アクセサリ3→アクセサリ4
の順番で描画されます。
※アクセサリ1→モデル1→アクセサリ2→モデル2のように、モデルごとに
アクセサリとの描画順を設定することはできません。モデルどうしでの描画順は、「背景」→「モデル描画順」を選ぶと変えることができます。
透過材質と描画順
描画順の知識が威力を発揮するのは、透過度のあるものを使うときです。
(全てMMD標準付属モデル)
これは、あえて描画順を、ミクさん→ライト→ネギの順番に設定してあります。
ミクさんは正しくライトを受けていますが、ネギはライトの部分だけ消えてしまっています。
何故でしょうか?
ライトは透過度をもったアクセサリです。
ミクさんを描いたあと、透明なライトを描くと、ミクさんの上からきれいに上書き
されます。
しかし、ライトを書いた後にネギを書こうと思うと、ネギをライトの部分に完全に
上書きしてしまえば、ライトがなくなってしまいますね。
MMDさんは考えます。
家の周りに背景を描いたときのように、ライトの周りだけネギを描こう!と。
そのため、「ライトに重なっている部分」はネギを描かないことにしてしまうのです。
こうして出来上がるのが、上の画像です。
ライトが「ネギなんか消えてしまえビーム」になってしまうのです。自分で絵を描くときなら当然、透過度のあるレイヤーは、他のレイヤーより上にして、
描画順を後にするでしょう?
同じように、MMDで透過のあるものを描画させるときにも、他のものより後に
描画させるべきなのです。
ミクさん→ネギ→ライトの順番か、ネギ→ミクさん→ライトの順番ですね。
ネギとミクさんが両方描いてあるところに半透明なライトを描けば、このとおり。動画を作る際、意外とこれに気付かずに「お前なんか消えてしまえビーム」を
発射してしまっていることがあるので気をつけましょう。【例】
・ステージ→スカイドームの順番で描画してしまう。
(ステージはゆづき様の旧阪急梅田駅風ステージ、スカイドームはガンダーラP様)
このステージは窓が透過テクスチャになっています。
そのため、背景の白が見えてしまっておかしいですね。
これをスカイドーム→ステージの順に描画しなおすと、
こうなります。こっちのほうが明らかに綺麗ですね。
他にも、窓の部分が透過テクスチャになっているステージは多いです。
(フレスベルク公のリベルニア公国など)
空のほうがステージより奥にあるのですから、空から先に描画させましょう。・透過テクスチャのあるモデル→ステージの順番で描画してしまう。
(ステージはMMD標準付属モデル、モデルは拙作のマリア・テレジアモデル、背景黒化適用)
基本的には上の例と同じですね。
レースなどの部分は、拙作のモデルに限らず、レースの通りの形にポリゴンが
作ってあるのではなく、レース以外が透明になっているテクスチャを適用してある
という場合が多いです。
この透明テクスチャの部分はMMDさんにとって「モデルに上書きしたくないんだけど、
どこまで背景を描いていいの?」というのが非常に分かりにくい部分です。
(ポリゴンとしてのモデルの形=見えているモデルの形ではないので。)
したがって、モデルを先に描画すると、あとからステージを描画した際に、
モデルとの間にはっきりとした隙間ができてしまいます。
奥にあるステージを先に描画させると
こうなります。だいぶ違いますね。
透過テクスチャを使っているモデルはreadmeに注意書きがあることが多いですが、
ない場合もあるので、細かいレースのあるモデルでは、透過テクスチャが
あるんじゃないかと疑ってかかってください。
レース以外では、髪の毛に透過テクスチャを使っている場合が多いです。
毛先にいくにしたがって少しだけ透明にすることで、毛先の印象を軽くするためですね。
もし、モデルの髪の毛先あたりでなんだかおかしいな、と思ったら、
透過テクスチャが使ってある可能性があるので描画順を変えてみてください。
背景を黒にした場合のほか、一部のMMEを使用した場合に背景が黒になる場合が
あるので、この現象が目立ちます。
基本的にはステージ→モデルの順で描画させれば間違いはないです。
(※窓ガラス越しにモデルを見る等の場合を除く。)モデルの中での描画順
これまでの話はMMDに複数のモデルやアクセサリを読み込んだ場合の話でしたが、
1つのモデルの中でも、実は描画順が見た目に大きく関係します。
1つのモデルの中では材質ごとに、材質順に描画されます。
ですから、モデルの中で透過テクスチャを使った材質があるのなら、それをなるべく
材質順の後ろのほうにもってくるようにしましょう。透過と描画順を利用した応用
透過材質を先に描画してしまうと、透けて見えるはずのものが見えなくなることは、
ここまでに説明したとおりです。
この「お前なんか消えてしまえ」現象は、基本的には困った現象なのですが、
これを逆に意図的に利用すると面白いことができます。
これは、ミクさんの手前に星型のアクセサリを置いた図です。
描画順を、ステージ→星→ミクさんにしました。
この星のTr(不透過度)の値を0.01にすると……
こうなります!
こんな風に、透明に極めて近いけれど実は透明ではないものを先に描画することで、
好きな形にモデルを消すことができるのです。
レイヤーマスクみたいな感じですね。
たとえば、ドア→透明に近い板→引っかき傷風のアクセサリの順に描画することに
しておいて、透明に近い板を動かせば、引っかき傷が段々あらわれる、なんてことが
できてしまいます。モデルでこれを上手く利用している例としてはula式ルカさんのスカートがあります。
どうしてもスカートから少しだけ足がはみ出てしまうのを、
スカート→透明に近いマスク→足の順で材質を描画することで隠しています。
すばらしい発想ですね!描画順についてのまとめ
・奥にあるもの→→手前にあるもの、という順で描画する
・特に、透過を含んでいるものはなるべく手前に描画する
・逆手に取ればマスクになる
この情報が、皆様の素敵なMMDライフの一助となりましたら幸いです。みぃ
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その他のTips→よくある物理演算が滅茶苦茶になる原因とその対策(ar410658)
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【Tips】Metasequoiaの利用について
Metasequoiaでモデリングをやってみたいと言う方のために、Metasequoiaの
利用形態を軽く説明してみます。
Metasequoiaはこちら(http://www.metaseq.net/metaseq/)の
ホームページで公開されている3Dモデリングのためのソフトです。
Metasequoiaには
フリーウェア-無料版と、シェアウェア-有料版の2種類があります。無料版の特徴
・有料版より使える機能が少ない。(UV展開機能、プラグインの利用など)
・ただし、Metasequoiaの独自形式(.mqo)以外のファイル形式でも出力できる。
(重要なのはxファイル(.x)という形式で出力できること。
xファイルならMMDでそのままアクセサリとして読み込んだり、
PMD/PMXEditorに読み込んで編集したりすることができますが、
Metasequoiaの独自形式ではMMDで使うことができません)
※追記※ xファイルで出力して、PMD/PMXEditorでセットアップを行えば、
アクセサリだけでなくモデルを作製することも可能です。有料版の利用について
【利用の仕方】
1.ユーザー登録をして使う。
2.ユーザー登録をせずにとりあえず使う。
※Metasequoiaの有料版は、ダウンロードととりあえずの利用だけなら、
ユーザー登録料金を払う必要がない!ユーザー登録をしていない状態での有料版Metasequoiaの特徴
・使える機能がいくつか制限されている。(プラグインの利用など)
・でも、無料版Metasequoiaよりは使える機能が多い。(一応UV展開もできます)
・ただし、Metasequoiaの独自形式(.mqo)以外でファイルを出力することが
できない!
(=そのままではせっかく作ってもMMDで使えない)
⇒お金をかけずにMetasequoiaでのモデリングをとりあえず始めてみたいなら
有料版Metasequoiaをユーザー登録せずに使い、Metasequoia独自形式でファイルを
出力して、それを無料版Metasequoiaに読み込み、xファイルで出力するという
方法もあります。ユーザー登録をした状態での有料版Metasequoiaの特徴
・全ての機能が利用できる。がっつりUV展開も思いのまま!
・Metasequoiaの独自形式(.mqo)以外でもファイル出力することができる。
・言うまでもなく、プラグインが使える。
例1:PMDインポーターを使えば、pmdモデルを読み込める。
例2:Keynoteを使えば、Metasequoia上でモデルのセットアップが
できる、らしい……(私はやってません)。
プラグインは便利です。
プラグインは神様です。
そのプラグインを利用するためには、ユーザー登録をする必要があります。
また、ユーザー登録をすれば当然、有料版でもそのままxファイルで書き出しが
出来るようになるので楽チンです。
【ユーザー登録】
方法1.1ライセンス=5000円のユーザー登録料を払って使う。
方法2.試用ライセンスを使う。
※試用ライセンスは、30日の間だけ無料で使えるライセンスです。
(自動発行ページ:http://www.metaseq.net/metaseq/trial.php)
試しにプラグインを使ってみたいなら、この試用ライセンスを使えばいいと
思います。
試用ライセンスは自動で発行されるので2~3回なら続けて発行してもらうことも(ry
まとめると、Metasequoiaの利用形態として
1.無料版を使う。
2.有料版をユーザー登録せずに使う+無料版でxファイルとして
書き出す。
3.有料版を試用ライセンスで使う(一時的な措置)
4.おとなしく登録料を払って有料版のユーザー登録をする。
という4つの方法があります。
Metasequoiaを始めたばかりで、自分に上手くMetasequoiaが使えるのか分からないし、
いきなりお金を払うのはちょっと……という場合は、2がおすすめ。
プラグインを使ってみたいなら3で少し様子を見て、30日使ってもまだ飽きもせず
投げ出しもせずモデリングをやっているなら、おとなしくユーザー登録料を払って
4に進みましょう。
5000円で完全に自分好みの可動式フィギュアがいくつでも手に入ると思えば、
ユーザー登録料は決して高くない!
以上、簡単ですがまとめてみました。
いきなりお金を払う必要はないので、気軽に初めてみませんか?みぃ.
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【お知らせ】いくつかモデル更新しました
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