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第三話

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・・・・
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第三話

 驚いたことに、セイバーは士郎が召還していた。
 忠夫からの電話で聞いて気絶するかと思った。
 で、私が召還できたのはアーチャー。
 親子二代でアーチャーって、呪われてるのかしら?
 なんというか、超不満。
 加えて忠夫のやつ、二体も召還しやがった。
 超超不満!!
 更に更に加えて、士郎が召還したのは前回勝利を収めた最強のセイバー。


 ぐあぁーーーーー! くそーーーー! あたしのセイバー返せぇぇぇ!!


「マスター、私がそんなににも不満か?」


 不満も不満、大いに不満。
 なにしろ、あらゆるパターンに備えてセイバーが来るように魔法陣を準備したのに、出てきたのはアーチャー。
 加えて過去の自分を覚えていないなんて言うヘッポコぶり!!
 そんなヘッポコに不満を感じないわけ無いでしょうがぁ!


「それは、マスターのうっかりにも原因があるだろう?」


 ああ、はいはい、そりゃそうね。
 まぁ、一応は認めてあげてもいいわ。
 でもね、あんたのヘッポコの原因にはほど遠いわよ!!


「まぁまぁ、凛ちゃん。うちのランサーを餌付けして癒されてくれ」


 ・・・くっ、たしかに癒されるわ。
 成人女性の体で小動物のような食べ方、動き、オーラ。
 くぅ、かわいい・・・・。


「忠夫、ランサーとうちのヘッポコ交換しなさい」
「凛ちゃん、ランサーにはアサシンがついてくるで。二体も英霊支えられるんか?」
「・・・ぐぅ!」


 あー、くそ、この鬱積はランサーの餌付けで晴らす、決定ね。


「ランサー殿ぉ、私のも食べてくだされぇ」


 何気に「この」アサシンも可愛い。
 かなり悔しい。
 うー、二体支えられれば、いいかも。


「くっ、やりますね、ランサー。この私が糧食を分けたくなるなど、並ではありません。・・・強敵です」


 あー、可愛いし麗しいし美しいんだけど、このセイバー、なんかズレてるわよね。
 まぁ、三体共に「衛宮」らしいといえばいえるんだけど。


「ま、士郎まで召還してるとは思わなかったけど、七体中四体押さえられたのは暁光ね」
「セイバー・アーチャー・ランサー・アサシン、あとはキャスター・ライダー・バーサーカーかぁ。誰が召還するのやら」


 凛ちゃんの言葉にイリヤ姉がため息でかぶせた。


「で、忠夫。ランサーとアサシンの真名は聞いた?」


 私の問いに、顔をゆがめる忠夫。


「あー、そのな、聞いたら驚く、つうか・・・信じてもらえんやろうなぁ」


 一応耳元でささやいたが、真っ白に燃え尽きていた。


「・・・まじ?」
「まじ。霊視もした」
「うわぁ・・・・・」


 思わず凛ちゃんはランサーとアサシンをみたが、ランサーは可愛く小首を傾げるだけだった。


「で、セイバーは・・・・」
「・・・まじ?」
「まじまじ」


 ばったり倒れ込んだわたし。


「あたしも、衛宮姓を名乗ろうかしら?」
「凛ちゃんのうっかりは、のろい級やからなぁ」


 ・・・自覚あることを指摘されると、効くわね。

 

 

 


 「この」世界は興味深い。

 

 

 

 何しろ、爺さんやアイリスフィールが生きていて、さらには衛宮士郎以外にもう一人養子をとっていたのだから。


 加えて、既にこの地に聖杯はなく、それなのに聖杯戦争が起きようとしていたので、セカンドオーナーとして介入するために、召還を行ったというのだ。
 で、衛宮にも協力を得て、「衛宮士郎」と「衛宮忠夫」によって召還が行われた。
 世界自体がイレギュラーな事が原因なのか、召還も恐ろしくイレギュラーで「衛宮忠夫」が二体のサーヴァントを召還してしまった。
 それも、二人とも古代中国の英雄達だ。
 イングランドの英雄であるセイバーにも劣らぬ信仰があり、ことアジア圏でいえば神にも等しい力を信じられている存在でもある。
 少なくとも、私の知る聖杯戦争ではなかった事態だろう。


「なーなー、アーチャー」


 霊体化している私を的確に呼び止める「衛宮忠夫」は、自称霊能者。


「なんだ、忠夫」


 この少年は、見た目ほど甘い存在ではない。
 遠坂凛の指示に、謂々諾々と従っているように見せて、かなり巧妙に状況を操っている。
 少なくとも、現在までの状況を鑑みるに、かなりの知恵者だ。


「アーチャーは飯くわんのか?」
「本来、サーヴァントに食事は必要ない」
「本来つう事は、裏道もあるんやろ?」
「言い換えよう、魔力をパスを通して供給されている限り、食事などという些末な行為は必要ない」
「つまり、食事をすれば、魔力の消費を押さえられる、そういうこっちゃな?」
「・・・・」


 そう、こう言うところだ。
 明らかに常識からかけ離れた発想で、あり得ない事実を引っ張り出すのだ。


「つうわけで、凛ちゃんの魔力消費を抑えるために、食事に参加せい」


 これが衛宮士郎ならば、「食事ぐらい一緒にしよう」だのなんだのと感情で語る。
 が、この忠夫、ひっくり返し難い点を、徐々に攻めてくる。
 これが敵でないことを安心せねばならない。


「兄貴〜、そろそろ準備できるぞ〜」
「お〜、いまいくわ〜」


 にっこり笑った忠夫は、問答無用で霊体化した私を、グイグイ引っ張っていった。


 ・・・私の常識よ、どこに・・・。

 

 

 

 どこの田舎大家族なのかという勢いで集まった聖杯戦争同盟。
 先代の勝者である衛宮夫妻。
 その子供であるイリヤスフィール。
 で、その養い子である忠夫と士郎。
 加え、サーヴァントである「ランサー」「アサシン」「セイバー」。
 で、私とアーチャー。
 なんだか、本気で聖杯戦争しているのかどうか疑問に感じないわけではない。


「ガツガツガツガツ」
「ハムハムハムハム」
「もふもふもふもふ」


 忠夫、ランサー、セイバーが、猛烈な勢いで、まさにカキ込む勢いで食事中。


「うんうん、兄貴たちの喰いっぷりは見事だなぁ」
「というか、セイバー並の食いしんぼ、始めてみたわ」
「もふもふ・・・、くわぁ! なんという謂われのない侮辱! 私は食いしんぼではありません!!」


 ほっぺたにご飯粒をつけていてそれは通らないわよ、セイバー。
 この点でみると、うちに召還されなくて助かったかもしれないわね。
 主に、食費的な意味で。


「うふふ、ランサーちゃん、これは食べる?」
「・・・ザシュ! はむはむはむ」
「ほわぁぁぁぁ、かわいいわぁ」


 ランサーの可愛いたべっぷりに癒されるアイリスフィールさん。


「ランサー殿、こ、これも!」
「・・・ザシュ! はむはむはむ」
「ほわぁぁぁぁ、ランサー殿ぉ」


 なるほど、歴史上はどうだったか知らないけど、こういう関係だったのね。


「む?」
「ん?」
「あっ」
「!」


 サーヴァントたちが同時に視線をあげた。  それぞれの方向をみているが、感じたことは一つだろう。


「なにかが呼ばれた、です」
「何にせよ、敵が生まれた、ということだ」「・・・今回の聖杯戦争の真実がどこにあるのか、それを明かさねばなりません」
「ハムハムハムハム」


 とりあえず、ランサーは思索よりも食事が先らしい。

 

 

 

 霊体化できないセイバーは近隣の林で待機。
 その他は学校に登校した。


「・・・こりゃ、なんだ?」
「むぅ」
「・・・なんてゲスな構成・・・!」


 校門をくぐった途端、俺たちはめまいを感じた。
 無理矢理力を吸い出されるような、そんな妙な術を感じる。
 それも、一定量を無理矢理引き出すものだから、力の弱い人間なんか衰弱死寸前までいくだろう。


「忠夫、私はこれから術の構成を調べて基点を探すわ」
「ほんじゃ俺とシロちゃんは流れを探して術者探しやな」
「わかった、じゃぁセイバーも呼ぼう!」
「お、せやな。ランサーも実体化してくれ。逆にアサシンは隠れつつ俺たちを追ってくれ」
「・・・わかった」
「わかったのです!」


 俺とシロちゃんは、術の流れを追って走り出した。


「アーチャー、フォローよろしく!」
「心得た」


 背後の会話を流しつつ、流れを追うと、どうやら校舎内に力が集まっているようだ。


「兄貴、護符、よろしく」
「おう、シロちゃんもとびかかんなよ」
「おう」

 
 お互い短気な所が多いので、お互いでフォローしあうという形が多い俺たちだったが、利からの流れの集中を感じて階段壁に身を寄せる。


「(兄貴、この階だな)」
「(ああ、制御もしてるみたいだから、この術者を倒せば、どうにかなりそうやな)」


 指サインで意志を交換し、突入のタイミングを合わせる。
 シロちゃん突入、俺反撃。
 ガードは護符、ということにしている文珠に一任だ。


「「3・・・2・・・1・・・」」


 ぜろ、と言葉にしないで動き出したところで、呪力が集中している先にいる女子が男子に蹴られているのがわかった。
 このぉ・・・・

 

 


「愚か者がぁ!!」

 

 


 まさに兄貴が飛んだ。
 いや、ランサーが兄貴を意志を受けて、兄貴を投げ飛ばした。
 兄貴はそのままドロップキックの姿勢で、女子をけたぐっている男子を蹴りとばした。
 投げ飛ばされた運動エネルギーを、すべて相手に叩き込んだ兄貴は、ひらりと舞うように女子の前に降り立った。


「大丈夫でしたか、お嬢さ・・・ん」


 紫色の髪の毛をした女子を助け起こそうとした兄貴は、あり得ないものをみたかのような表情で固まった。


「忠夫! 基点は破壊したわ!!」


 窓から飛び込んで着た遠坂の声も耳に入っていない兄貴は、その女子の肩をつかむ。


「・・・お、おまえ、なぜ、ここに?」
「・・・・」


 女子は、ゆっくりと立ち上がり、兄貴の正面にたった。


「・・・ヨコシマ、ひさしぶり、かしらね?」
「・・・ああ」


 なにか、本当に何かを語りあいたそうな雰囲気は、一瞬にして霧散した。


「なにしてるんだよ、ライダー! はやくこいつらを倒せ、殺せ!!」


 瞬間、紫色の髪の女子は、ひらりと身をかわして男子の隣にたった。
 いや、あの男子・・・


「シンジ、なのか・・・!」
「なんであんたがサーヴァントを従えてるの!? あんたは魔術師じゃないでしょ!」
「うるさいうるさいうるさい! ちょうどいい、おまえ等全員倒して、僕が真の勝者になるんだ!! ライダー、こいつらを倒せ!!」


 命じられた女子、ライダーは、無表情にシンジをみた。


「アーチャー、ランサー、セイバーまで同時に相手をすれば、速攻であたしもあんたも死ぬよ。それでも戦えってかい?」


 耐えきれない憤怒を抱えた顔のシンジは、再び叫ぶ。


「・・・くそ、役立たずが! ライダー逃げるぞ!!」
「わかったよ」


 ライダーはシンジを抱えた瞬間、一瞬光って消えた。
 呆然とそれをみていた兄貴は、がっくりとひざを突いてうずくまってしまった。


「・・・くそぉ、また敵に回ったのか、メドーサ」


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出演サーヴァント
セイバー : 真名 アルトリア=ペンドラゴン
ランサー : 真名 不明 ご飯を食べてる姿に癒されます
アサシン : 真名 不明 ランサー専属の部下でしたw
アーチャー: 真名 不明w なんだか眩暈を感じています
ライダー : 真名 メドーサ GS世界で超有名人でしたW

追記 : 聖杯では純粋な神霊は呼べません。ゆえに、このメドーサは「Yokosima」の混ざり物です。・・・わかりますね?w

11/13 修正しましたー
2012/04/03 ORT移設版+小修正~



(4,426文字)