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作中で、魔術師の修行に関する記述は、全くのデッチアゲです。
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第五話
夜の巡回を始めることにした。
浅草で召還されたのが「バーサーカ」であることが判明したからだ。
バーサーカーである「彼女」は、マスターである少年と共にあることが望みだとか。
つうか、凶化しとらんのか?
『ああ、彼女は理性的で知性的だったよ』
・・・なんでバーサーカーなんや?
『それはね、マスターが他の女の子を視線で追っただけで凶化するそうだ』
こえぇ・・・・・。
なんやその生き地獄。
『一応、バーサーカーもかなりの美人なんだけどねぇ』
『あら、キリツグ。私とどっちが・・・』
『アイリ、君を越える美人がいるわけ無いだろ?』
あー、はいはい、勝手にラブラブしてくれ。
『で、一応、聖杯戦争から抜ける事で了解してもらったんだけど・・・』
ああ、その件は、こっちのキャスターからも希望があったで?
『うわぁ、後何体ぐらい希望でるかな?』
うちのランサーとアサシンも残りたい風。
『・・・資金が一度空になるなぁ・・・』
せやったら、欠片の複製と「文珠」売るしかないわな。
『忠夫、文珠は最後の手段じゃなかったのかい?』
蒼崎さん、エーデルフェルドから再度手に入れてほしいって突き上げがきてるんやて。いい機会やろ?
『そういうことなら、まぁ、向こうには黒桐君もいるから何とかなるかな・・・』
じゃ、仮発注しときます〜
『頼んだよ〜』
「って、なんてやばい内容を電話してんのよ!?」
「まぁまぁ、遠坂。こんな電波会話、本気にする奴なんかいないって」
「・・・そうね、確かにそうの通りだけど、納得行かない!!」
じたんだを踏む凛ちゃんを、なま暖かい視線で見守るアーチャー。
まぁ、そういう関係だよな、おまえ等。
つうか、シロちゃんも同じ様な視線だな。
気が合うのか、おまえ等。
「ま、ま、まあいいわ。とりあえず、巡回ルートと班分けだけど・・・」
俺とイリヤ姉、凛ちゃんとシロちゃんやな。
「・・・なんで?」
「俺が二体制御してるっている事実を隠すためやな」
「もう、やっとタダオがお姉ちゃん愛に目覚めたと思ったのに・・・」
「ないないないない」
「そんなに全力で否定しなくてもいいじゃない!!」
「イリヤスフィール、淑女のたしなみを」
「セイバー、まるで実家のメイド長みたいなこと言わないでちょうだい!」
「もふもふ」「ランサー殿、こ、これも!」
と、まぁ、グダグダだったけど、いざ別れましょうと言うところで珍入者が現れた。
「おいおい、おまえ達、ばかか?」
ワカメヘアーのバカ大将。
「・・・Set!」
「トレース、オン」
「ハンズオブグローリー」
瞬間的に抹殺できる位置まできていた。
が、その瞬間を飛び越えるのが超加速。
相手の気配を飲まないと、相手の気配を感じないと勝てる相手じゃない。
「ふっ、僕のライダーに勝てるつもりかい? どんなに強くても、どんなに早くても、僕のライダーには届かないのにね」
ふっははははと笑い声をあげるシンジ。
さて、あいつの命令を聞いているライダーはどこだ?
・・・って、背後で霊体化してる、か。
「ああ、安心していいよ? ライダーには距離なんか関係ないからね。呼べば現れる、距離も時間も関係なしにね!」
あたかもここには居ないかのように話してるけど、いないとは言っていない。
屑の分際で頭のいいことだ。
「ならば、呼ぶ間も無くその喉を殺せば、危機を守れない、そういうことだな?」
アーチャーのけんのんな視線を受けて、真っ青になったシンジだが、背後からライダーの霊体の腕が喉を守る。
「は、は、はは、そんな脅しは利かないよ? なにしろ、こっちのライダーは単なる英霊じゃないんだからねぇ!」
まぁ、単なる英霊じゃねぇよな。
一部とはいえ「神魔」なんだから。
とはいえ、なにがしたいんだろうなぁ? こいつ。
「で、なにが目的なのかしら、間桐君?」
「ははは、なに簡単なことだよ、遠坂」
三流舞台役者のように両手を広げたシンジは狂喜の笑顔でこちらを向いた。
「殺さないでいてあげるから、全員僕に降伏すればいい。なに、絶対服従の契約は結んでもらうけど、なにしろ命が助かるんだ。降伏する方がいいよね? そっちの方が利口だよねぇ?」
ゲラゲラと狂ったように笑うシンジだけど、こっちはドッチラケ。
つうか、おめぇ・・・・
「シンジ、おまえに降伏しても、おまえ勝者になれねえだろ?」
だって、おまえ、魔術師じゃねぇし。
「だ、だ、だ、だ、だまれだまれだまれだまれぇぇぇぇぇ!!!!!」
目を真っ赤にしたシンジが、兄貴に殴りかかる。
もちろん兄貴に当たるわけがない。
武術も訓練もなにもしていないシンジの拳なんか、爺さんやアイリさんの攻撃すらよける兄貴に当たるはずもない。
「くそくそくそくそ!! おまえ達はいつだって、いつだって上から目線で蔑みやがってぇ!!!!!」
汗だくで、血が出るほどの声で。
「お爺さま、お父様も、桜も・・・みんなみんな・・・許せるかぁ!!」
瞬間、シンジは吹っ飛んだ。
でも、なぜかライダーは助けなかった。
殺す殺さないレベルじゃないと助けないのか?
「間桐シンジ、いま、桜が何だって言ったのかしら?」
腕に輝く魔術刻印。
体調不良から死病、物理攻撃まで自由自在の遠坂ガンド。
それが今、シンジをねらっている。
英霊の守りがなく、魔術の守りもないシンジに、ポッコリ黒い穴があくだろうことは間違いない。
なんだかなぁ・・・・。
「衛宮士郎。友人を助けないでいいのか?」
「アーチャー、現在、妹分の件で冷戦中でね。あいつがいなくなることで桜の負担が減るなら、有りかも知れないってレベルまできてるんだよ、うん」
「・・・そ、そうか・・・」
なんかすごく焦った顔のアーチャー。
何でだろうなぁ?
「士郎、それでも友人は・・・」
「ん? セイバー。味方の友人と敵の知人、どっちを助ける?」
「・・・両方助かる道が・・・」
「価値は等価じゃないよ、セイバー。愛するもの、好きなもの、価値があるものと考えた相手と、敵対している人間が同じ価値な分けないだろ?」
「・・・・」
俺の言葉を聞いて、うつむくセイバー。
つうか、現在進行形で戦闘寸前なんだけど。気づいてる? さーばんと諸君。
「戦争で指揮を執ってるのがセイバーだとして、自分の国の国民を助けるより、敵の兵を助けたりする?」
「・・・!!」
個人の戦闘だから忘れるけど、戦争ってそういうものじゃない。
それを理解してほしいよ、セイバー。
・・・あれ、アーチャーも苦い顔って、どんだけなんだよ、うちの陣営は。
「つうか、なんで兄貴の隣にライダーがいるん?」
俺の台詞に、兄貴はニヤニヤ笑って一冊のハードカバーを見せた。
「これがライダーの制御魔具や、な?」
「ああ、そうだよ、ヨコシマ」
「今は、衛宮。せやから「タダオ」って呼んでくれよ、メドーサ」
「いいよ、タダオ」
なんだかにこやかな雰囲気だな。
そういえば友好を結んだって言ってたっけ。
ライダーの話は、衝撃的だった。
私は桜が幸せに暮らしていると思っていた。
私は桜が平穏に暮らしていると思っていた。
桜を脅かすのは、嫉妬に狂ったシンジだけだとそう思い込もうとしていただけだったのだ。
間桐の家で行われた、行われていた、行われている修行という名の陰惨な虐待、修行という名の卑劣な行為、修行という名の・・・・
思わず握りつぶしてしまったコップで、右手が赤く染まった。
なぜかアーチャーもイライラとしている。
パスを通して私の感情が影響しているのかも知れない。
「・・・タダオ、私にこんなことを言う権利はないかも知れない。でも、お願い、桜を助けておくれよ、タダオ、お願いだよ・・・」
涙ながらにタダオにすがりつくライダー。
私もそれに加わりそうになったが、衛宮兄弟の顔を見て踏みとどまった。
そう、忠夫はいい、こいつもかなり「魔術師」だから。
だけど、士郎が、衛宮士郎が透明な表情をしているのがわからなかった。
こいつは、なんというか、義憤で真っ赤になっているはずなのに。
「・・・衛宮士郎、今度は妹分の、身内の話だぞ?」
「・・・といっても、魔術の修行なんやろ?」「そうなんだよねぇ、それも間桐の血統魔法の、その修行」
「「・・・なっ!!」」
思わず私は忠夫を殴りとばし、アーチャーはどこからか取り出した剣で士郎を切りつけた。
が、衛宮兄弟は何の傷も負っていなかった。
なにも、そう、なにも。
光の壁に阻まれ、攻撃は通っていなかった。
「凛ちゃん、魔術の修行ってのは、学校の勉強みたいなもんか?」
「遠坂、俺や兄貴が魔術修行で何度本当に死んだか知ってるか?」
忠夫の魔術根幹による蘇生。
これができるから何度も死ねるというわけではない。
死亡しても即死しても蘇生させられる。
無限の苦しみの中で生き残る。
こうなっては魔術を使うか魔術師をやめるしかないと言う修行。
正気を疑う修行だが、逆に、魔術師らしい修行といえた。
「・・・この前な、何で魔術師ってのは根暗なんやろな、って話しになったんや」
それは基本的に閉鎖された社会で秘匿と秘密の中で生活しているからだという話しに流れたが、彼らの養父が爆弾を落とした。
「それは、ほら、虐待とか精神的な攻撃にさらされて精神的にゆがんでるからだろ?」
聞けば、大きな家であればあるほどそれ専門の教育係がおり、場所によっては廃人寸前まで追い込むそうだ。
が、これによる魔力増大の効果は凄まじく、如何に効果的に追い込むかについて各家で研究が進んでいるという。
「・・・修行で虐待とかムカつくし、殺したいほど殺意はわく。せやけどな、修行の前に聞かれるはずなんや。『魔術師続けますか?』ってな」
忠夫はその点だけは自主責任を背負っているはずだと言う。
「・・・俺は兄貴みたいに割り切れてない。でも、SOSを出してるなら助けたい」
「ま、確かに追い込まれすぎておかしくなってるかもしれんからな」
・・・たしかに、私は魔術師としてまだまだみたいね。
桜が苦しい思いをしていると思っただけで走り出しそうになったぐらいだもの。
衛宮兄弟、思いの外完成された魔術師なのかも知れないわね。
「・・・そうでもありませんよ、リン」
そういってセイバーが指さす先では、テーブルの足がちぎれそうなほど力を込めて握る兄弟達がいた。
「・・・タダオ、ありがとう」
「なに、助け出してからや」
ライダーを撫でるその手をみて、少し安心した。
手のひらが、自分の爪で傷ついて真っ赤になっていたから。
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とはいえ、人間っぽい感情を失っては、無限の魔法人生もつまらないのですよw
出演サーヴァント
セイバー : 真名 アルトリア=ペンドラゴン
ランサー : 真名 不明 衛宮家の食事事情に感動中らしいです
アサシン : 真名 不明 ランサーのお世話命
アーチャー: 真名 不明 自分の立ち位置に疑問を覚えています
ライダー : 真名 メドーサ 愛ある限り戦います
キャスター: 真名 不明 主婦希望。「今度こそ幸せに、なる!」
バーサーカー:真名 不明 結構な美人です。黒髪がきれいらしいです。
11/13 修正しましたー
2012/04/03 OTR移転版 + 小修正
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