ここは椎名系赤松系作品を主とする特定の二次創作支援投稿サイトです。
トップページ > 神代ふみあき書庫 > 赤松・椎名系作品 > GS Fateっぽい何か > 第四話
魔術は秘匿しますが、仲間にはわりとオープンなよこっちW
********************************************
第四話
何かある、何かあるとおもっていたけれど、忠夫はかなり異常な人間だった。
忠夫の出自は何と異世界だというのだから。
そしてあのライダー、「メドーサ」も規格外だった。
神魔にして反英雄、地中海のメデューサではなく、中華竜の系統の元神族。
忠夫は何度も戦い、そして撤退を繰り返してきたという。
まぁ、忠夫じゃなけりゃ信じないけど、あの宝石剣の翁が気に入るような存在だ、普通であるはずがない。
で、何度か敵対した後、様々な事件を越えて友情をはぐくむことに成功したそうだが、この世界に飛ばされる寸前で神族の暴走にあい、自分をかばって死んでしまったそうだ。
「あいつが何かを求めるなら、俺はかなえてやりたい」
血を吐くような台詞に、私たちは言葉を返せなかった。
「タダオ、一応、その辺は考慮するけど、相手は本人じゃなくて、英霊の座からの分御霊なんだからね、忘れないでね?」
イリヤスフィールの言葉に、今にも泣き出しそうな忠夫は、力なくうなずく。
こんな忠夫をみたのは初めてだった。
でも、踏み込まなくちゃならない。
そのための戦いなんだから。
「忠夫、そのメドーサの能力ってどんなのがあるの?」
「・・・せやな」
忠夫の話を要約すると、
・石化能力を持つ式「ビックイーター」
・封印の力をもつ「土角結界」
・包囲戦滅結界「火角結界」
・飛行能力
・宝具と思わしい、超加速
というのが彼の知る彼女の能力だという。
「最後に見せた転移は、術でしょうか?」
セイバーの問いに忠夫は首を横に振った。
「あれが「超加速」や」
「忠夫、速度という範囲であれば、我らサーヴァントに追えないものではないぞ?」
アーチャーの言葉に忠夫は言いよどむ。
これは、いっても信じてもらえるだろうか、という戸惑いだろう。
「とりあえず話して」
うん、とうなずいた忠夫の言葉の意味を真剣に考えて、私は目の前が真っ暗になった。
韋駄天の神術で、高度に加速された速度と、周囲の時間の流れをゆがめてあり得ない「加速」を得る、術?
アーチャーは、なんというか、こう、そう、悪夢に出会ったかのような顔をしてる。
セイバーもその意味を考え、そして絶望的な表情だ。
あり得ないって否定するのはいいけど、逆に忠夫が言ったとおりなら・・・
「・・・あれを使われたら終わる。そういう術や」
「ちなみに、忠夫はどうやって対抗したの?」
「神族側の龍神のバックアップを受けて、こっちも超加速で対抗したんやけど・・・」
忠夫曰く、この世界には神々の痕跡が薄いそうだ。
そこに存在していると確信している忠夫レベルの認識能力がない限り、存在を信用できない、そんな段階まで遠いという。
「まぁ、向こうの世界でも、引退した神様を引っ張り出すにゃ、半径12mぐらいの魔法陣が必要だったしなぁ・・・」
逆に12m程度の魔法陣で神卸が出来るなら、やってみたい気もするけど、そっちは今度の話だ。
「とはいえ、連発できない、そう考えていいわね?」
「ああ、俺もそう思う。この聖杯戦争のルールで考えれば、エネルギー元は魔術師。人の力であんな術を何度も連発できんわ」
加えて、かなりの集中が必要らしく、感情の波立ちだけでも術が乱れて途絶えるという。
付け入るならその辺だろう。
「でも、信じられないわ、シンジがマスターだなんて」
間桐シンジは、現在の間桐家の長男だ。
場合が場合ならば魔術の家の後継者といえるが、彼には生来魔術回路が存在しない。
ゆえに、血統魔術の継承が出来ず、この代で途絶えるといわれていた。
が、遠坂の次女が養女にだされ、現在英才教育が行われており、サクラによって継承されることになる。
間桐の血統魔術の保存と、遠坂による魔術独占という形でお互いの利益が守られた形になる。
無論、それがどんなに過酷なことなのかを知らないわけではない。
しかし、魔術師という世界を考えれば、それを容認せざる得ない。
すべては根源に至る道のため、なのだから。
「・・・なぁ、凛ちゃん」
「なに?」
「魔術回路がなければ、サーヴァントは呼べない、これは間違いないわな?」
「そうね。ルール設計上間違いないわ」
「でも、サーヴァントにいうことを聞かす方法はあるんちゃうか?」
「まさか、令呪のない魔術師に、魔術師以上の力を持つ英霊が従うワケないでしょ!?」
「そうか? 少なくともセイバーは戦略上の判断と指示は、俺とシロちゃん両方から聞くと思うで?」
・・・つまり、なに?
召還をさせるだけさせて、その令呪を奪うなりマスターの意志を操れば、サーヴァントを持てる、と?
そ、そ、そ、そ・・・・・
「そんな!!・・魔術師を小馬鹿にしたような事をして、何になるっていうのよ?」
沸騰した感情を何とか押さえることに成功した私は、忠夫を見つめるが、さらに燃料がくべられた。
「魔術師気分が味わえる、ってかんじなんやけど?」
思わず殺気が盛り上がってしまった。
というか、魔術師の根幹を全く理解していない発言だけど、そう考えるとすべて説明が付く。納得など出来ないけど。
「・・・つまり、シンジは、誰かに召還させた英霊を従えて、俺様気分を味わってる、と?」
「何という愚かな」
「・・・ばか?」
「空気が読めていないのです」
サーヴァント女子部もあきれてる。
「・・・ならば、なぜライダーが従っているのか、その点が問題だな」
アーチャーの言葉に、魔術師的な答えを並べる。
「召還者の命令に従っている、召還者の命が握られている、召還者を無視してでもシンジに魅力を感じてる・・・」
「「「「「ないないないない」」」」」
・・・アーチャーまで。
息子たちの聖杯戦争は、順調に推移しているようだが、聖堂協会から妙な情報が入ってきた。
冬木の英霊(サーヴァント)と思われる存在が、なぜか「東京浅草」に召還された、というのだ。
あり得ない話なんだけど、確認のために行かなければならなくなった。
僕だけでいこうと思ったんだけど、いつの間にか荷物を積め始めるアイリの笑顔をみると、さすがに一人で行くとはいえなくて、仕方無しに雷画さんに連絡を入れておいた。
あそこならば何かあっても大丈夫だろう、と。
「さ、キリツグ、東京見物ね♪」
「とりあえず仕事が先なんだけどね」
まぁ、子供たちも大ききなったし、新婚旅行気分でもいいかもしれないね。
「パパ、ママ、一応、今、聖杯戦争中なんだけど?」
「うふふふふ、浅草寺〜東京タワ〜築地〜」
「おやおや、築地なんて、朝早く起きれるのなか〜?」
「大丈夫よ、キリツグ。愛の力があれば」
「愛が試されるねぇ〜」
「わーん! 悔しいからシロウとラブラブグチョグチョヌトヌトになってやるんだからぁーーーー!」
「避妊はしなさいよ〜?」
「いやいや、孫というのもいいかもしれないよ、アイリ」
「・・・いいかも」
ふふふ、一年ぐらい東京に行っているのもいいかもしれないね。
なんでか、衛宮夫婦がアインツベルンの仕事を請け負って、東京に行ってしまいましたとさ。
「なに考えてるのよ、あの極楽夫婦はぁ!!」
吼える遠坂だったけど、俺としてはうれしそうなアイリさんと爺さんを見れたので、結構満足だった。
「まあまぁ、凛ちゃん。うちの極楽夫婦も遊びに行った訳やないんや」
そう、なぜかサーヴァントが東京浅草に召還されたらしいので調査して来いって話らしい。
「・・・そうなると、向こうに行ってるのはキャスターか、バーサーカー?」
「いや、バーサーカーやな」
「なんでよ?」
「だってなぁ?」「うん」
兄貴の振りに俺もうなずく。
「もしかして、戦ったの!?」
「いいや、マウント深山で偶然会って・・・」
「・・・どこのスーパーが安いかとか、特売日とかタイムセールとかの情報交換したんや」
「「は?」」
イリヤ姉と遠坂が、間抜けな顔で首を傾げてる。
「ほれ、この前、葛木先生の婚約者ってのが職員室にきたって話があったやろ?」
「・・・ああ、すごい美人だったってあれ?」
「そうそう。で、そのとき案内したのが俺で・・・」
「その後、商店街で買い出ししてたら再会してん」
そう、職員室に案内したのは召還前で、案内中もむちゃくちゃノロケてた。
あんまりにもレベルが高いノロケに辟易としたんだけど、その話の中で料理が苦手だという話になった。
いや、出身が地中海の方で、日本の調味料とか食材がいまいち理解できないのだが、それでも美味しいと食べてくれる葛木先生に申し訳ないとかなんだとか。
で、召還後に再会した商店街で、いろいろと食材の話やら料理や等の話になっているときに気づいたのが、彼女が「キャスター」であるという事実だった。
とりあえず、事を構えるつもりがないことを切々と説明して納得してもらったところで向こうさんの目的がわかった。
「・・・もしかして」
「せや。葛木先生とラブラブ新婚生活ができるなら、聖杯なんかいらないそうやで」
兄貴の台詞に、脱力の遠坂。
背後でアーチャーもセイバーも倒れそうな顔色だ。
なんというか俺の知るサーヴァント、みんな聖杯にかける意志というか希望が無い。
いいのか、聖杯戦争?
いや、よくよく考えれば、今の状況自体が「狂った」状況の現れなのかもしれない。
「というか、聖杯無しじゃ、現界出来ないから、結局聖杯いるじゃない!」
「いやぁ、そうでもないで?」
苦笑いの兄貴。
ああ、あれ、ね?
というか、反則も反則なんだけど。
目の前の衛宮兄弟を殺したくなった。
体が維持できないなら「人形」に意志を入れればいい、と軽くいう兄に対して、弟も「金以外なら問題ないな」と軽くいう。
「・・・あんたたち、まさかそんなことをしてるんじゃぁ・・・」
「いやいや、俺らは依頼するだけやで?」
「そうそう、一応、前回の成功報酬の一環つうことで、アインツベルンにつなぎをとってもらったんだ」
ま、まさか・・・・蒼崎?
せいかーいと拍手の兄弟を旋風脚でふっとばした。
「もう、リン! うちのかわいい弟たちを虐めないでちょうだい!」
「なにいってるのよ、イリヤスフィール!! 封印指定の魔術師の話を軽々しく語るバカ兄弟なんか、死ぬべきよ!!」
「そんなに悪い人じゃなかったわよ?」
「いい悪いじゃないわ! 魔術の根幹にして最大目的からはずれつつも・・・」
・・・悪い人じゃなかった?
「もしかして、イリヤスフィール。貴女もあったことが?」
「ええ、だって、この体を作ってくれたのが蒼崎ですもの」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
声もでないとはこのことだった。
聞けば、アインツベルン、小聖杯を人型のホムンクルスで作っていたそうだ。
で、アイリスフィールが当代の小聖杯で、イリヤスフィールが次世代の小聖杯。
が、すでに至ったアインツベルンは、この小聖杯たちを解放することにした。
というか、構っていられなくなった。
そんなわけで、小聖杯としての体はほしいけど本人たちは要らないという状況で、細々とした意見調整も面倒、ではと引っ張り出されたのが件(くだん)の人形師。
意識を人形に移して小聖杯の体をゲットしたというわけだ。
その際に知り合った衛宮とは、いろいろな繋がりで、わりと簡単につなぎがとれるそうだ。
つまり、キャスターへの報酬は、現界にとどまる為の体、と。
「・・・実は、結構、現実的?」
「うん、わりと支払い以外は現実の範囲だね」
・・・気になるお値段は?
「全身だから・・・出産も視野に入れると、一体12億ぐらい?」
「まぁ、何とかなるやろ」
「なんとかなるの!? 本気で言ってるの!?」
「まぁ、ゼル爺からもらったかけらの複製でも、売ってくれるなら幾らでも出すっていってたしなぁ・・・」
「・・・私がほしいわよ」
とはいえ、カンニング禁止をいわれているので解析するわけには行かないけど。
でも、あの欠片、それが如何に複製であったとしても、本物の何パーセントかは転写されているのだ。
宝石魔術師、いや、あらゆる魔術師にとって如何なる価値となるかは言葉にするまでもないことだった。
というか、あの欠片を複製するって、どんな反則よ・・・。
まったく、この兄弟には・・・。
************************************************
出演サーヴァント
セイバー : 真名 アルトリア=ペンドラゴン
ランサー : 真名 不明 食事姿が愛らしいです
アサシン : 真名 不明 とび蹴りが得意らしいです
ライダー : 真名 メドーサ
アーチャー : 真名 不明 かなり影が薄いです
キャスター : 真名 不明 地中海出身の結構な美人
バーサーカー: 真名 不明 極楽夫婦確認中W
11/13 修正しましたー
2012/04/03 OTR移転版 + 小修正
(5,099文字)