「「糸へん」小耳早耳」

衰退が続く大阪

うめだ阪急、売り上げ目標下方修正の背景

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2013年12月11日(水)

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 今年6月にタワー館が先行オープンし、10月にウイング館上層階がオープンした近鉄百貨店あべのハルカス本店も業績は目標値を下回って推移している。梅田だけがオーバーストアではなく、キューズモール、天王寺MIOが隣接する天王寺もオーバーストアということであり、大阪市内全体がオーバーストアということだろう。

関西以西の消費者、バイヤーも東京へ

 梅田地区も天王寺地区も他府県から人を呼び込みたいと意気込みを語っていたが、全国的に同じようなチェーンブランドがどの施設にも等しく入店している状況下において、他府県の人が大阪を目指す理由はあまりない。そういうブランドで買い物をしたいという消費者は本店や旗艦店の集中する東京を目指すだろう。現に、交通インフラの発達した現在では、関西以西の地方客が大阪をすっ飛ばして直接東京へ出向くケースが増えている。

 消費者だけではなく、バイヤーもそうだ。大阪で展示会をやっても関西以西のバイヤーはあまり来ない。東京展示会へ足を運んでいるからだ。そしてこの10年でそういう風潮はますます強まっている。大規模商業施設と全国展開の有名チェーンブランドを誘致することで来阪客が増えるということはあまり期待しないほうがよいのではないか。

 今年春に阪神百貨店梅田本店の建て替えが発表された。10年後の2023年に38階建てのオフィス複合ビルとして全面開業する予定だ。地下2階〜地上9階の百貨店部分の売り場面積は現在の地下2階〜地上11階までの売り場総面積5万3000平方メートルと同じになるとのことだが、2フロア削減されているため1フロアごとの面積は広がることになる。

 11階〜38階までがオフィスフロアになるということだが、果たして10年後にそれほど大量のオフィス需要があるほど大阪という土地が賑わっているかどうか。筆者はかなりの疑問を感じている。

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