今年で40回目を迎えた東京スポーツ新聞社制定「2013年度プロレス大賞」選考委員会が9日に行われ、最優秀選手賞はオカダ・カズチカ(26=新日本プロレス)が2年連続2度目の受賞を果たした。同賞の連続受賞は1986~88年の天龍源一郎以来25年ぶり。また年間最高試合賞(ベストバウト)は、新日プロ8月4日大阪・ボディメーカーコロシアム大会で行われたG1クライマックス公式戦・中邑真輔VS飯伏幸太が選ばれた。授賞式は来年1月9日、東京都内のホテルで行われる。
この日行われた選考委員会で、最優秀選手の候補に挙がったのはオカダ、飯伏幸太、永田裕志、KENTA、関本大介、曙の6人。オカダは1回目の投票で11票を集めて栄冠を手中にした。「去年は2度の防衛だったが、今年は多様な強豪を相手に結果を残した」「あれだけバランスのとれた選手は出てこない。集客もする。顔がいい」「業界のリーダー・新日本のトップはオカダと誰もが認めるようになった」などの称賛が集まり、MVPに決まった。
昨年彗星のように現れプロレス界を席巻したレインメーカーの勢いは、今年に入っても衰えを知らなかった。1月4日東京ドーム大会で棚橋弘至とのIWGP戦に敗れたものの、3月に「NEW JAPAN CUP」を制すると、4月に棚橋からIWGP王座を奪還。11月まで6度の防衛に成功する長期政権を築き上げた。また8月には、昨年1月の凱旋帰国以来初の他団体参戦となったDDT両国大会のメーンで飯伏を破るなど、その存在感は業界随一のものとなった。
昨年の初受賞が82年の初代タイガーマスクに並ぶ史上最年少タイ記録(25歳)なら、同賞連続受賞は86~88年に「V3」を達成した天龍以来、実に25年ぶりの快挙だ。過去に連続MVPを達成したのはアントニオ猪木、ジャンボ鶴田、天龍の3選手のみ。そうそうたる名レスラーに名を連ねた格好だ。それでもオカダにとっては「レベルの違い」を証明したまでの、当然の結果に過ぎない。
「猪木、鶴田、天龍は俺と同じ時代じゃなくて良かったなと思いますね。俺と同じ時代じゃ(その3人は)連続受賞なんて無理でしたし」と、歴史をあざ笑うかのように自身の実力を誇示。さらには「来年もこれからもオカダを選ばざるを得ない選考会になると思うんで。東スポさんには『殿堂入り』というものを検討していただかないと、毎年同じ結果になりますよ」と、SMAP・木村拓哉以上にジーンズが似合う日本人がいないのと同様、現役プロレスラーとしては“別格”であることを主張した。
その一方でこの日は、来年1・4東京ドーム大会ダブルメーンの試合順を決するファン投票の結果も発表された。内藤哲也とのIWGP王座V7戦は、中邑真輔VS棚橋弘至のインターコンチネンタル戦に“大トリ”を譲るという結果に終わった。
晴れの日にファンから屈辱的な審判を下されたオカダは「本物のプロレスが分からない人がまだそんなにいたんだと思いますね。まだ誰も僕のレベルに気づいてなかった時期を思い出して、ある意味ワクワクします。本当のメーンはIWGPなんだという試合をしたい」。20代半ばにしてプロレス史を塗り替え続けるレインメーカー。本当のメーンイベンターであることを、ドームで再度証明するつもりだ。
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