舞台「父と暮せば」などに出演し、独特の存在感で知られた俳優のすまけいさん(本名・須磨啓=顔写真)が7日に肝臓がんのため78歳で死去し、演劇界が悲しみに包まれた。
すまさんは1960年代に東京・新宿の小劇場で活躍。66年に「すまけいとその仲間」を結成、「アングラの帝王」と呼ばれた。舞台だけではなく映画「男はつらいよ」シリーズやテレビドラマなどでも怪演し、名脇役として活躍した。
「ユーモアがあるのはもちろん、口も悪い(笑い)。よく『バカやろう!』と悪態をついていましたね。黒澤明監督と仲の悪い俳優を面白おかしく話していたのをよく覚えています。それでいて人見知りなところもありましたね」とは映画関係者。
北海道出身のすまさんは、自宅にあった父母の書物を片っ端から読むほど読書家だったという。ところが、大学に入ると女に走ってしまった。
「家は割と裕福だったんじゃないかな。ずいぶん仕送りをしてもらっていたんだって。でも、どんどん売春婦につぎ込んだらしい(笑い)。赤線に入り浸っていたみたいだからね」(舞台関係者)
そんな生活がうまくいくはずもなく、大学は中退。だが、1961年に芸術劇場に所属したのを機に、舞台俳優として頭角を現していく。1972年に「すまけいとその仲間」を解散。一時芝居から遠ざかったが、演技力に影響はなかったという。
「その間は立ち食いそば屋やNHK関連の印刷会社で働いたり、職を転々としていたと思う。(85年に)復帰した時、ブランクを感じさせなかったが『芝居なんて特別なことではない。どんな仕事でも、人間のやることなんだから芝居に生きるんだよ』と言ってました」(前出の映画関係者)
女遊びも何もかも芝居に生かしていたからこそ、すまさんの演技は光ったのだろう。
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