東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 私説・論説室から > 記事

ここから本文

【私説・論説室から】

就活は「対話力」がカギ

 大学生の就職活動が始まった。経団連によると、企業が就活で重視している要素は「コミュニケーション能力」だそうだ。だが、学生は戸惑っているのではないか。こんなおしゃべりが聞こえてきそうだ。

 「自分の意見をはっきり伝える力が重要ということか」「そんな学生はかえって嫌われるんじゃないの」「結局、ゴマすりがうまいやつが使いやすいんだよ」「チームプレーが大事って言うんだから、みんなと調子を合わせられる人を望んでるんじゃないか」

 いまや学歴が絶対の強みでもないらしい。アルバイト経験がある学生はそれなりに評価される面もある。大人の世界をのぞいている分だけ、言葉遣いとか礼儀とか、押す時と引く時をわきまえていたりする。

 企業の求める「コミュニケーション能力」とは、その程度と思えばいい。それでも気の合った仲間だけと交友し、自分勝手に生きてきた学生にはハードルが高いかもしれない。では、どうすればいいか。

 まずは多くの大人と会話することだ。話を聞くだけでなく、疑問点をしっかり聞く。ここが大事だ。疑問をぶつけるところから、自分の頭が回転し始める。意見はその先にある。質問が意見を呼び起こすのだ。本来、それがコミュニケーションでもある。

 大人との対話が面白いと思うようになったころ、きっと就活は成功しているだろう。 (長谷川幸洋)

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo