R-SICで印象的だったことばをピックアップ。全編はこちらにまとまっています(「R-SIC(9:10〜18:00)」の内容を1記事にひとまとめに)。


どんなに叩かれようが、テレビに出る

最後のセッションでは、「もやい」を率いた過去を持つ社会活動家、湯浅誠さんが登壇しました。あまりお話を聞く機会がないので、大変刺激的でした。

特に痺れたのが、ユーグレナの出雲さんの「湯浅さん、メディアに対してはどのような態度で向き合えばいいのでしょうか?」というご質問に関する答え。


湯浅さん:
最近は専門家の方からアドバイスを貰うようになったけれど、それまでは自分の判断でやってきました。ぼくのやっているテーマは貧困とか生活保護とかなので、叩かれることが多い。

でも、どんなに叩かれることが予想されようが、出演していました。来るもの拒まずです。マスメディアの番組はすでに「できあがって」いて、「湯浅さん!生活保護はどうなってるんですかね!?」などと、最初から「おかしい」という前提でコメントを求められる。「不正受給は悪いことですよね!?」とか。

「世の中のお荷物を支援している、本人がだらしないだけだろ?」と言われつづけていました。ボコボコにやられることはわかっていても、出ることにしていました。それはそれで、問題について知ってもらえるからです。出演依頼をもらったものに関しては、すべて出たと思います。何回も繰り返していくと、すこしずつダメージは小さくなっていく…かな


いやー、ちょうど先日バラエティ討論番組に出て、ぼくもボコボコにやられる側だったので、大変感銘を受けました(日本の「芸能人」たちに絶望的に欠けているもの)。そうなんです、すでに文脈ができあがってるんですよねぇ…。マスメディアの芸能人の方々は、もはや構造的に大衆寄りなので、なんというかお話になりませんでした。

収録直後は「なんて無駄な時間を過ごしてしまったんだ…」とプチ後悔にも駆られたのですが、帰り道では「いやいや、ぼくが出ることによって、『そういう立場もある』ということを示せたし、結果オーライだよな」と思うようになりました。ぼくは開き直りスキルが高いのです。

残念ながら、湯浅さんの出演した番組は見たことがないのですが、多分、一部の視聴者の人は湯浅さんの態度に共感し、救われていたと思うんですよね。「この人はマイノリティだけど、自分の立場に近い!」という感動を、テレビ画面を通じて与えていた、と。

湯浅さんも言っていたのですが、なかなかああいったダメージには慣れません。ぼくはブログ炎上には慣れてますが、バラエティ討論はかなり凹みました。

が、慣れていけばダメージは軽減するでしょう。理解されにくい立場に立つ意味もあるでしょう。ぼくも今後、また話をもらったらボコボコになるのを前提として、メディアに出演したいと思います。