(cache) 学校法人岡崎学園

学校法人岡崎学園（がっこうほうじんおかざきがくえん）は、愛知県岡崎市に本部を置く学校法人である。

概要

1906年（明治39年）6月13日に愛知県知事より『岡崎裁縫女学校』の設置が認可されたことを淵源とする愛知県有数の名門学園。

長く家政科を持つ女子高等学校のみを運営してきたが、第3代理事長白井通義が拡大路線を図ったことにより、1大学1高等学校1中学校を擁する中規模学園に成長した（ただし、全校とも大幅な定員割れを起こしており、このうち『人間環境大学岡崎学園中学校』については2011年（平成23年）度より学生募集を停止することが決まった。）。運営側の法令遵守意識が低いことで知られており、給料や諸手当の不払い等の問題を抱え続けている。

永い間、創設者一族による安定運営が続いていたが、学生募集の不調や経理担当者の無為無策等による財務状況の悪化等の理由から21世紀に入ると経営破綻寸前の状況に追い込まれた。

このため、2010年（平成22年）4月1日に同じ岡崎市内に本拠を持つ服部グループの総帥で『学校法人服部学園』や『財団法人服部公益財団』を運営する服部良男を第4代理事長として招聘し（前理事長となった白井通義は新設された学園長に就任。）、地元商工界の協力も得て学園の再生を目指すこととなった。

しかし、その後も財務状況の悪化を食い止めることができず、優秀な教職員が次々と転退職していく等の状況も続いたため、自力での再生を諦め、オーナーが同じ岡崎市出身者で破綻企業の支援を手掛ける投資会社『いなよしキャピタルパートナーズ』に学園運営の参画を打診するに至った（2011年（平成23年）1月4日付で地元一部マスコミより報道された「「NOVA」大学設立」のニュースはこの大学のことを指している。）。

この動きは諸般の事情から結局合意には至らず、2010年（平成22年）11月には前述の第4代理事長服部良男が突如辞任を表明する等、学園運営で混乱を極める状況が続いたため、外部関係機関と再建に向けた協議を進め、結果、愛媛県松山市にある『学校法人河原学園』の傘下に入り、学園の再生を目指すことで決着が図られた。
2011年（平成23年）4月2日、公式サイト上で平成23年3月23日付で第6代理事長として河原次瞭が就任したことが発表された（同時に『人間環境大学』学長の交代も発表。）。

『岡崎裁縫女学校』の開校以来100年余り続いた学園は、愛媛県松山市にある『学校法人河原学園』との提携により、事実上幕を閉じることとなった（なお、この日に『人間環境大学岡崎学園中学校・高等学校』校長白井恵三（創立者の一族であり、第3代理事長白井通義の長男。）が2010年（平成22年）11月に第5代理事長として就任していたことも明らかとなっている。）。

沿革

1906年（明治39年）6月 - 『岡崎裁縫女学校』の設置が認可され、愛知県額田郡岡崎町（現在の愛知県岡崎市。）大字連尺59番戸に開校。『本科』『速成科』を設置。
1913年（大正2年）6月 - 『岡崎裁縫女学校』の校舎を愛知県額田郡岡崎町（現在の愛知県岡崎市。）梅園町81番戸に移転。
1917年（大正6年）9月 - 『岡崎裁縫女学校』の校舎を愛知県岡崎市門前町100番地に移転。
1917年（大正6年）12月 - 『岡崎裁縫女学校』に『高等科』を増設。
1920年（大正9年）3月 - 『岡崎裁縫女学校』に『普通科』を増設し、『高等科』を『研究科』と改称。
1921年（大正10年）4月 - 『岡崎裁縫女学校』に『師範科』を増設。
1931年（昭和6年）9月 - 『岡崎裁縫女学校』を『岡崎高等家政女学校』に改称。生徒徽章を制定。
1942年（昭和17年）3月 - 『財団法人岡崎高等家政女学校』設置認可。
1948年（昭和23年）3月 - 『岡崎高等家政女学校』を『岡崎家政高等学校』に改称。校舎を現在位置の愛知県岡崎市稲熊町字3丁目110番地に移転。
1951年（昭和26年）3月 - 『財団法人岡崎高等家政女学校』を『学校法人岡崎家政学園』に組織変更。
1954年（昭和29年）11月 - 『岡崎家政高等学校』を『岡崎女子高等学校』に改称し、『普通科』を増設。
1957年（昭和32年）6月 - 学園創立50周年記念式を挙行。校母『白井こう先生胸像』を建立。
1974年（昭和49年）4月 - 『岡崎女子高等学校』敷地内に校舎『本館』が竣工。
1976年（昭和51年）10月 - 学園創立70周年記念式および母子像除幕式を挙行。
1981年（昭和56年）4月 - 『岡崎女子高等学校』敷地内に学生寮『若草寮』が竣工。
1981年（昭和56年）11月 - 『学校法人岡崎家政学園』を『学校法人岡崎学園』に改称。
1986年（昭和61年）11月 - 学園創立80周年記念式および『愛』の碑除幕を挙行。
1988年（昭和63年）4月 - 『岡崎女子高等学校』敷地内に体育館『飛翔館』が竣工。
1990年（平成2年）4月 - 『岡崎女子高等学校』の『家政科』募集を停止。
1991年（平成3年）12月 - 『岡崎学園国際短期大学』設置認可。
1992年（平成4年）4月 - 『岡崎女子高等学校』を『岡崎学園高等学校』に改称。『岡崎学園国際短期大学』を愛知県岡崎市本宿町字上三本松6番地2に開学。『国際文化学科』『英米語学科』を設置。
1996年（平成8年）6月 - 学園創立90周年および『岡崎学園国際短期大学』開学5周年記念式を挙行。
1997年（平成9年）11月 - 『人間環境学研究所』設置。
1998年（平成10年）4月 - 『岡崎学園国際短期大学』を男女共学化。
1999年（平成11年）4月 - 『岡崎学園国際短期大学』の学生募集を終了。
1999年（平成11年）2月 - 『人間環境大学』設置認可。
2000年（平成12年）4月 - 『岡崎学園国際短期大学』を改組転換し、『人間環境大学』を開学。『人間環境学部人間環境学科』を設置。
2001年（平成13年）4月 - 『岡崎学園高等学校』を『人間環境大学岡崎学園高等学校』に改称。
2002年（平成14年）4月 - 『人間環境大学岡崎学園高等学校』を男女共学化。
2002年（平成14年）5月 - 『岡崎学園国際短期大学』の廃止が認可され、閉学。
2002年（平成14年）4月 - 『人間環境大学岡崎学園高等学校』敷地内に校舎『黎明館』が竣工。
2002年（平成14年）12月 - 『人間環境大学大学院』設置認可。
2003年（平成15年）4月 - 『人間環境大学大学院』開設。『人間環境学専攻修士課程』を設置。
2003年（平成15年）12月 - 愛知県岡崎市大岩町に『岡崎学園大岩グラウンド』完成。
2005年（平成17年）4月 - 『人間環境大学岡崎学園中学校』開校。『普通科』を設置。
2006年（平成18年）6月 - 学園創立100周年記念式を挙行。
2011年（平成23年）3月 - 『学校法人河原学園』との提携を開始。
2011年（平成23年）4月 - 『人間環境大学岡崎学園中学校』の学生募集を停止。

歴代理事長

法人関係者

設置機関

法人本部

廃止機関

備考

法人本部の事務室は『人間環境大学岡崎学園高等学校』『人間環境大学岡崎学園中学校』の校舎内にあり、同校事務室が学校法人の事務も兼ねている。
『岡崎学園高等学校』への校名改称は『岡崎学園国際短期大学』の設置準備を契機に行われた。同じ岡崎市内に『学校法人清光学園』が運営する『岡崎女子短期大学』の付属高校とよく誤解されていたことから、この誤解を解くことが改称理由の一つとされている。
『学校法人岡崎学園事業報告書』によると『人間環境大学』『人間環境大学岡崎学園高等学校』『人間環境大学岡崎学園中学校』と学園が運営する全ての学校で直近の５年間、大幅な定員割れを起こしている（中でも『人間環境大学岡崎学園中学校』は定員が１学年８０人となっているにもかかわらず、入学者数が開校以来、「２５人⇒１８人⇒３３人⇒２９人⇒１１人⇒２０人」と低迷していた。）。経営状態の悪化に伴い、『人間環境大学岡崎学園中学校』の募集停止や、教職員のボーナスや研究費等の大幅カット等のリストラに乗り出したものの、人件費等の管理経費が多い一方で全収入中における学生納付金と補助金のウエートが高いこと、総負債と流動資産、前受金保有の比率が全国平均よりも悪いこと等、学園の経営は依然として厳しい状況が続いている。
2010年（平成22年）3月31日を以って第3代理事長である白井通義（『人間環境大学岡崎学園高等学校』及び『人間環境大学岡崎学園中学校』の各校長を兼務。）と『人間環境大学』の学長である小川侃他、全理事が辞任した（小川侃は就任後わずか2年で退任させられた後、特任教授に就任していたが、2011年（平成22年）3月31日でその特任教授からも退職している。）。第4代理事長服部良男の就任を布石とした人事異動であり、運営メンバーの大幅な刷新を図ることで経営のテコ入れを図ったものだが、その後も経営悪化を食い止めることができず、自力での学園再生を諦め、『学校法人河原学園』が運営を引き継ぐこととなった。2年連続で理事の大多数が入れ替わっている点を見ても、尋常でない経営状況が続いてる証左とも言える。

外部リンク

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