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【政治】

秘密保護法の投票ばらばら 「大義」に疑問符

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 結党から四年余で分裂したみんなの党。分裂を決定付けたのは、特定秘密保護法への対応だった。しかし、離党表明した議員の投票行動を振り返ると、離党の「大義」に疑問符がつく。同法の廃止・改正に向け、結集できるかも不安が残る。 (安藤美由紀)

 江田憲司前幹事長は九日、離党の記者会見で「官僚政治を変えていこうと結党した党が官僚支配を助長する法案をめぐり迷走したのは致命的だ。結党の原点を見失った」と述べた。みんなの党は自民党を離党した渡辺喜美氏と、無所属だった江田氏を中心に二〇〇九年八月、国会議員五人で結成。結党宣言で真っ先に「脱官僚」と「地域主権」を掲げた。

 六日に成立した秘密保護法は秘密指定の妥当性をチェックする第三者機関が政府内に設けられるなど、「官僚の官僚による官僚のための法律」(民主党の海江田万里代表)と批判されている。江田氏の「反省」は筋が通っている。

 江田氏は与党との修正協議について「賛成ありきでハードルをどんどん下げて合意に持って行った。与党入りを狙った行動と評されても仕方ない」と、代表の渡辺氏を批判した。

 しかし、離党表明した衆院議員八人のうち本会議採決で反対したのは二人のみで、五人が賛成、江田氏は棄権した。参院議員六人のうち反対は三人、棄権が三人だった。

 江田氏は秘密保護法制そのものは必要との立場。離党者全員が顔をそろえた九日の記者会見でも、秘密保護法制の必要性については「全員が完全に一致している」と強調した。

 江田氏は会見で、今後の特定秘密保護法への対応について「国民の申し立てにより指定を解除させ、強制的に公開させる権限を持った第三者機関」の設置を盛り込んだ議員立法を、通常国会に提出する方針を提案。会見の場では表向き、当面は議員立法の提出を目指すことで十四人が足並みをそろえた。

 ただ、議員立法の提案には提出者に加え、衆院二十人、参院十人の賛同者が必要。「江田新党」単独では不可能で、他党の協力を得る必要がある。

 しかし、日本維新の会の国会議員団は「政府・与党は維新の主張をしっかり入れてくれた」(片山虎之助政調会長)と、法成立を評価している。一方、民主党は衆参両院で反対したため、法存続を前提とした改正に乗れるか分からない。江田氏の思惑通りに法改正が進むとは限らない。

 

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