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できごと
【関西の議論】日本名“強制”は雇い主の「善意」だった…「屈辱」と訴えた在日韓国人2世は敗訴で何を得たのか
さらに業者側は、金さんのヘルメットに元々貼ってあった本名「きむ」のシールを剥がして床に捨て、代わりに通名シールを貼った。金さんは本名シールを床に捨てられたことに屈辱を感じて見過ごすことができず、すぐに拾ってポケットに入れた。
ふりがなは本名貫く
名前をめぐる争いはまだ続く。金さんは業者側の指示に従って書類を作成し、氏名欄に本名を記入すると、担当者が通名に書き直すように求めてきた。金さんは抵抗すれば仕事をできなくなると観念して書き直したが、氏名のうち「稔万」のふりがなは、通名の「としかず」でなく本名の「いんまん」を貫いた。
解体現場の入退場管理システムに指紋登録する際にもトラブルが起きた。この現場で最初に働いた半年前の21年3月には本名で登録を済ませていたが、今回は通名で登録しようとしたため、指紋が一致するのに氏名が異なるとして「エラー」が表示されたからだ。
ただ、2審判決によると、金さんがこの場面で通名での登録を特段抗議したわけではなかった。登録を担当した1次下請け業者の責任者は結局、エラーを解決するため本名のデータの方を削除した。
雇い主も同じ在日韓国人
ここで疑問がわく。金さんが最初に働いたときは本名だったのに、なぜ半年後には通名でという条件になったのか。判決によると、それは大手ゼネコン側の「誤解」が発端だった。
金さんが最初に働いた際、大手ゼネコンの担当者は、雇用対策法に基づき外国人の雇用主に義務付けられる「外国人就業届」を提出するよう1次業者に求めてきた。1次業者は就業届を提出するため、金さんの直接の雇い主である2次業者に必要事項を照会した。
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