英紙ガーディアン(電子版)は20日、米南部ノースカロライナ州ゴールズボロ上空で1961年1月、飛行中の米軍爆撃機B52から核爆弾が外れて地上に落下し、奇跡的に起爆を免れた事故の詳細を伝えた。爆弾は広島に投下された原爆の260倍の威力があり、大惨事になる恐れがあったという。
機密指定を解かれた米公文書を基に報じた。事故の存在は一般にも知られていたが、同紙は核惨事の瀬戸際だったことを初めて裏付けた「決定的証拠」としている。
同紙によると、61年1月に飛行中のB52がトラブルを起こし、搭載していた2発の水素爆弾が機体から外れ、同州ゴールズボロ郊外の牧草地などに落下した。機体は付近に墜落したとされている。
このうち1つは、落下時の衝撃などで4つある安全装置のうち3つが解除された状態となり、最後に残された「低電圧の単純な構造のスイッチ」が起爆を止めたという。
爆弾はTNT火薬で400万トン相当の威力があり、同紙は爆発していれば首都ワシントンやニューヨークまで被害が及び、数百万人の生命が危険にさらされたと指摘した。もう1つの爆弾の状態については触れていない。
事故が起きたのはケネディ大統領の就任直後。米政府は事故が知られるようになってからも、深刻な事故ではなかったと説明していた。(ワシントン=共同)
ワシントン、核爆弾落下
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