朴槿恵(パク・クネ)大統領率いる韓国が、在韓米軍撤退の影におびえている。朝鮮半島有事の際の「作戦統制権」を米軍から韓国軍に移管する時期について、韓国側が延期を求めているのに対し、米側がなかなか「イエス」と言わないからだ。「米国が韓国防衛に消極的だ」とみて、北朝鮮が挑発行動に出る可能性もあるが、日本に助けを求めるのはプライドが許さない。半ばパニック状態に陥った政権与党からは、破れかぶれの核武装論まで噴出している。
「米国は引き続き、韓国に賭ける。(韓国が)米国の反対側(=中国)に賭けるのは良い賭けではない」
聯合ニュースは6日、朴氏と会談したバイデン米副大統領がこう語ったと報じ、「米国内の一部に『相対的に米韓は距離が生じている』との認識が背景にある」と分析した。
韓国の安全保障政策の根幹である米韓同盟にすきま風が吹いているという衝撃的な報道だけに、韓国政府は「通訳が間違えた」(外務省)とあわてて否定した。
それでも韓国メディアは「韓米日共助を通じて中国を牽制しようとする米国の政策に、韓国が積極的に協力してほしいと促した」(ハンギョレ新聞)などと、一斉にバイデン発言を報じた。
韓国政府や同国メディアがバイデン発言に過敏になる背景には、統制権問題がある。