ここから本文です
[PR] 

<TPP>年内妥結を断念…閣僚会合、合意機運大きく後退

毎日新聞 12月10日(火)1時9分配信

<TPP>年内妥結を断念…閣僚会合、合意機運大きく後退

TPP交渉を巡る日米間と各国間の主な対立分野

 【シンガポール井出晋平、中井正裕】環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の閣僚会合は、9日午後の全体会合で年内妥結を断念し、「実質合意」を年明けに先送りする方針で一致した。知的財産や国有企業改革などの分野で交渉が難航。日米協議も関税分野での溝が埋まらなかった。年内妥結を目指してきた各国は、新たな交渉期限を設定し、年明けから協議を再開する予定だが、TPP合意の機運は大きく後退した。

【図でわかりやすく】TPP交渉の主な対立軸

 全体会合では、知的財産、国有企業など難航分野について議論したが、交渉筋によると、議論を詰め切れないため年内妥結は困難との認識で一致。再度の閣僚会合は日程の都合上、交渉越年が確実となった。

 知財分野では、新薬の独占販売期間の延長を求める米国に対し、マレーシアなどが「特許切れの安い後発薬が作りにくくなる」と反発。また、国有企業の分野でも大手国有企業を抱えるベトナムやマレーシアと、民間と競争条件を同じにするよう求める米国との対立解消に至らなかった模様だ。

 一方、日米協議では、コメなど「重要5項目」の関税維持を目指す日本と、関税全廃を求める米国との溝が埋まらなかった。西村康稔副内閣相は、8日に続いて9日朝にも米通商代表部(USTR)のフロマン代表と短時間会談したが、議論は平行線のまま終了。西村副内閣相は記者団に対し、「明日(10日)までにまとめるのは難しい」として今会合での妥結は困難との見通しを示した。

 閣僚会合は10日、貿易円滑化など意見の相違が少ない分野の交渉終了を宣言し、「部分合意」を打ち出して成果をアピールする可能性も残されている。

最終更新:12月10日(火)2時40分

毎日新聞

 
コメントリニューアルに関するご意見・ご要望につきましては、こちらからお寄せください。

PR

注目の情報


PR

注目の商品・サービス

PR