学 習

MENU

■学習理論
  □連合理論(S−R理論)
  □認知説(S−S理論)
学習曲線 
学習者の条件
学習の転移・学習性無気力
記憶


連合理論(S−R理論)
連合理論(S−R理論)
学習過程を環境刺激と生体の反応との間の関係の変化とみなす。
   …「強化」に関する理論。
パブロフ(I.P.Pavlov)  : 条件づけ(レスポンデント条件づけ)
【犬 − 食べ物・ベル − 唾液が出る】
ワトソン(J.B.Watson) : 古典的条件づけ
スキナー(B.F.Skinner) : オペラント条件づけ(道具的条件づけ)
強化の与え方を決めたものを「強化スケジュール」、エサや報酬を「強化子」とし、強化の原理が働く実験をおこなった。
【ラットやハト − レバーを押す、または円盤をつつくとエサが食べられる】
*プログラム学習…学習は強化によるオペラント条件づけであることの典型。
ソーンダイク(E..L.Thorndike) : 試行錯誤説
繰り返し経験を積むことによって新しい知識や技能が徐々に身に付き理解が進む。
【ネコ − 箱の中に入れペダルを踏むと魚を食べられる】
ハル(C.L.Hull) :動因低減説
反応の後に生理的均衡の回復や動因の低減が伴う場合、刺激と反応の間の結合が強まる。
    生得的な受容器…効果器結合()、反射機構
ガスリー(E.R.Guthrie) : 接近説
ある運動の生起に共在したことのある刺激は、同じ刺激群が再現したときに、その運動を伴いやすい。
    無条件反応 ←(条件刺激)− 条件反応

MENU

認知説(S−S理論)
認知説(S−S理論)
学習過程を主として場面の知覚などの認知作用によって成立するものの変化としてとらえる。
ケーラー(W.Kohler) : 洞察説
学習活動における洞察の重要性を強調。
【チンパンジーの実験結果(棒を使ってバナナを取った)】
トールマン(E.C.Tolman) : サイン・ゲシュタルト説(記号意味説)
学習は、何が何に導くかという手段・目的関係の形成であるとする。
【ネズミに迷路学習をさせる−位置関係を学習し、目標地点を選ぶ】
レヴィン(K.Lewin) : 地場論
学習活動とは認知構造の変化であるとする。
行動の生起は人と誘発性を持つ対象との力学的な場(field)としてとらえる。
        B = PE) = LSp
  「生活体の行動は、生活体と環境との関数である。」

MENU

学習曲線
■学習曲線
…学習の進行程度を示す。課題の難易度によって変化。
 
高原現象(プラトー)
 …学習途中で認められる一時的な停滞。
 S字型の学習が得られたときに認められる。負の加速曲線。

MENU

学習者の条件
■レディネス(readiness)
…学習する者が身体的精神的に調え得た学習の準備の程度。
ケゼルとトンプソンによる幼児の階段昇りの研究に始まる。
ブルーナーは、レディネスを積極的に作り出すという提唱をした。
■動機づけ(モチベーション motivation)
…学習者の学習意欲を引き起こすこと。
@外発的動機づけ…賞や罰によって行動へと動機づけること。
A内発的  〃   …知的好奇心や達成欲求などの成長欲求による。

MENU

学習の転移・学習性無気力
■転移(transfer)
…ある学習が、後の学習に影響を及ぼすこと。
@正の転移…先行の学習経験が後続の学習に促進的に影響。
A負の転移…        〃           抑制的に影響。
ソーンダイク(E.L.Thorndike) : 同一要素説
先行の学習課題と後続の課題に類似する要素が含まれている場合に転移が起こるというもの。
ジャッド(C.H.Judd) : 一般化説(generalization theory)
重要なのは要素の類似性ではなく、後の新しい学習に適用できる一般的原理を学ぶことによって転移が起こるというもの。
ハーロウ(H.F.Harlow) : 学習の構え(learning set)
学習の仕方を学ぶために転移が起こるとする。
【サルを用いた弁別学習−刺激を変えて300課題以上与える】
→ 連続的に行うことにより正の転移をもたらす。

■学習性無気力(learned helplessness)
「いくらやっても自分はだめだ」ということを学習してしまう。
セリグマンが行ったネズミを使った実験によると、解決可能な場面でも自ら反応・対処しなくなるという結果が得られた。

MENU

記憶
■記憶の3つのモデル(時間的長さによる区分)
   アトキンソン(Atkinson)とシフリン(Shiffrin)によるモデル。
…記憶を一種の情報処理過程としてとらえる。
感覚記憶に一時的に記憶され、それに注意することによって選択された情報だけが短期記憶へ。ここで十分な復唱(リハーサル)を受けた情報は長期記憶へと転送され、半永久的な記憶として保持される。
タルヴィング(Tulving)による提唱
意味記憶…言語の使用に不可欠な一定不変の知識。
エピソード記憶…個人の生活の中に位置づけられるような出来事、
          逸話的なものごとに関する。
■忘却のしくみ
エビングハウス(H.Ebbinghaus)の忘却曲線(保持曲線・把持曲線)
無意味綴りを材料とする、忘却の法則。半日までにほぼ3分の2が忘れられる。
 *レミニッセンス(reminiscence)
一般には覚えたことは時間とともに忘れてしまうが、条件によっては覚えた直後よりも少し時間が経った後の方がよく思い出されるといった現象。(学習直後よりも休止の後の方が想記率が高い。)

■忘却の理論…なぜ忘れるか
 (1)不使用説…練習しないで学習したことを不使用のままに放置。
 (2)遡及禁止説…最初の学習後に行われる第2の学習の妨害による。
 (3)抑圧説…不快なものを無意識的に抑圧する。
■状態依存学習…
記憶・学習したときの状態と同じ生理的・感情的状態で再生すれば容易に再生できることもある。(酒を飲んだ状態で覚えたことは、再び酒を飲んだときに思い出されやすいといった現象。)

MENU