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GS世界にやってきましたー!
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第十二話
荘厳な光の壁を抜けて、人影が現れました。
それは、とても懐かしい気配の人でした。
「よ、っと。おお、懐かしいな!」
笑顔でそう言った彼に、一人の女性が抱きつきました。
「・・・忠夫!!」
「お袋」
ゆっくりと、優しく抱きしめる彼、横島さんは、少しだけ泣いていました。
「よく無事だったな、バカ息子」
「ああ、いろんな人に世話になったけど、帰って来れたよ、親父」
かるくパンチを決めた横島さんのお父さん。
それを手のひらで受けた横島さん。
そんなやりとりの中、少しだけ時間をおいて現れた男女。
ちょっと髭がよれっとしているけど、なんだか緊張感を感じる男性と、まるで女神のような銀髪紅眼の美女。
「紹介するよ、お袋、親父。こちらが向こうで世話になった養父母、キリツグ=衛宮=フォン=アインツベルンさんとアイリスフィール=衛宮=フォン=アインツベルンさん。御夫婦だ。・・・で、こっちが、横島百合子、横島大樹、生みの母と実の父」
すっと離れた百合子さんは、ちょちょっと身支度を整えて、深々と頭を下げた。
「今日この日まで、忠夫を育てていただいたことを心から感謝いたします」
「いいえ、忠夫君には私たちも育てていただいたようなものですわ。子は親を映す鏡ともうします。忠夫君を見れば、どれだけ素晴らしいご両親か解りますわ」
「いえいえ、こちらでは厳しくするばかりで、一度は我が子を歪めてしまいました。それを正してくださったのは、いわば忠夫の仲間。両親の教育などとおこがましい話で・・・」
「そんな忠夫君をお育てになったご両親こそ胸を張るべきですわ」
なんだか無限に続くような話の横で、キリツグさんと呼ばれた男性と大樹さんが、なにか通じあうものを感じているようで、握手してます。
そんなご両親の後ろから、今度は何人かの女性が現れました。
「うわ、霊気濃いわね」「はぁ、スゴい気配」
一人は黒髪を両脇に留めた「赤い」人。
一人は先ほどの女性を幼くした感じの少女。
「ようこそ、俺の元居た世界へ」
「禁忌と秘匿のない、オカルトの天地、か」
するっと、何故か私が彼女たちのところへ連れてこられました。
「彼女が氷室絹、おキヌちゃん。美神令子除霊事務所の同僚だよ」
「は、は、はじめまして、氷室絹です!」
反射的に挨拶すると、二人はにっこりと微笑みました。
すごく優雅です!!
「初めまして。忠夫君のクラスメイトの遠坂凛です。向こうでは魔術の相棒、そう思っていただいてかまいませんわ」
「・・・初めまして、イリヤスフィール=衛宮=フォン=アインツベルン、イリヤとお呼びください。貴女のことは、おキヌちゃんでいいかしら?」
「は、はい!」
お話して解ったのは、イリヤさんは年上で、横島さんのお姉さんだそうです。
逆に、お二人にこちらでの横島さんの話を色々させてもらいました。
お二人とも興味津々で、遠坂さんは美神さんみたいな感じです。
とっても礼儀正しいけど、素直になれない、そんなかんじでした。
親父やお袋だけじゃなく、美神さんやおキヌちゃん、神父やピート、雪之丞や冥子ちゃん、シロ・タマモ・みぃさん、ケイ、愛子、エミさん、魔鈴さん、みんな来てくれた。
「あー、僕も居るんだがね」
「ロン毛は無視や」
「・・・変わらんね」
「変わりようがねぇし」
ロン毛公務員は相変わらずで、思わず拳を交差した。
「・・・驚いた、霊力のまとまりが数段高くなってるじゃないか」
「ま、修行してたしな」
雪之丞も勝負だ! と笑顔。
お、タイガー、元気か?
そんな会話をしているところで、背後の気配が増えた。
大荷物を持ったリズと恋、そしてねねとセラだろう。
「老師、向こうのゲーム一式を持ち込みましたんで、楽しんでください」
「・・・でかした、愛弟子よ!」
小躍りの猿神老師をみて、なにやら興味津々の恋。
「ご主人様、あの猿、強い?」
「せやな。わいが百人居ても勝てないやろな」
きらきらした瞳で、まるで山盛りのご飯をみるような瞳の恋。
自分を遙かに越える武を感じて、ずいぶんと興奮しているんだろう。
「・・・あー、よこしまくん、その、ご主人様というのは・・・・」
「ん? ああ、向こうの呪術儀式のなかで召喚した英霊だ。主従契約してるんで、『ご主人様』なんだそうだ」
「あの、小さい子もかい?」
「あれでも天才軍師だぜ?」
彼女らの名を告げると、さすがに目をむく西条だった。
「なんてデタラメだ」
呆然とする西条や雪之丞たちをさておき、俺は彼女へ一歩進み出た。
「ただいま、パピ」
「・・・ヨコチマァーーーーー!!」
全力の包容に耐えるだけの力を得たことを実感しつつ、なでつけると、その隣にワルキューレが現れた。
「戦士の顔になって戻ってきたな」
「ああ、色々あったからな。こんな顔にならざるえんかった」
「なに、男ぶりを上げて帰ってきたんだ、誰も文句は言わん」
拳をこつんと触れあう。
それだけで色々なものが通いあった気がした。
「ふふふ、ヒト目で修行の成果が解るほど腕を上げているのです、一度剣をあわせませんとね?」
「小竜姫様、是非ともお願いします」
「超加速はありですか?」
「なしっすよ」
あ、そうそう。
「うちの恋が、老師に稽古付けてもらいたそうなんで、一度時間とってもらえませんかね?」
「・・・えーっと、あの方ですか?」
「そうそう、あの、今にも老師にかぶりつきそうな褐色美少女っす」
「・・・あの方、純粋な人間じゃありませんね?」
「ええ。いわゆる伝説となった人間、英霊っす」
「よろしいでしょう、時間をとりますね」
ニコヤカな小竜姫様とともに、もう一人の、あわなくちゃいけなかった人に視線を向けた。
「ただいま、美神さん」
「・・・お帰りなさい、横島君」
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というわけで、帰郷第一回でした。
つうか、もうちょっと続く予定ですが、今回の更新はここまで
2012/04/03 OTR移転版 + 小修正
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