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第六話

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ザクサク内容がザッピングしてます。

というわけで、一部完

********************************************
第六話


 ライダーことメドーサを加えた衛宮&遠坂連合。
 サーヴァントの数は既に5体。
 で、戦略的に倒す必要のないサーヴァントは2体。
 もう、なんというか、聖杯みんないらないなら、いいやん、といったかんじだった。


「・・・ご主人様、本当に人間になれる?」
「人間っぽく、でいいなら成れるで」
「おお、それは嬉しいですな」


 俺はアサシンを肩車。


「・・・私は、別に戦闘をしてもいいのだがな」
「虫退治はするで」
「ふん、あのムシ爺。滅殺してやるんだから」


 凛ちゃんはアーチャーにお姫様だっこ。


「なぁ、兄貴。俺にも強化してくれない?」
「シロちゃん、似合ってるからええやん」


 シロちゃんはセイバーにお姫様だっこ。


「似合うゆうなぁぁぁ!!」


 まぁ、学校じゃぁ「お嫁さんにしたい男子No.1」やしな。
 「旦那にしたい女子No.1」は綾子だったりする。男子からも支持される旦那。


「とりあえず、シンジはいいとして、桜は助けんとな」
「そうだな、兄貴」

 

 

 

 

 


 桜の中に埋め込まれた体が目覚める。


 どうやら、向こうは襲撃を受けてしまい、負けたのだろう。
 屑孫はライダーを奪われたばかりか、敵を引き込んだという役立たず。
 どうやって殺してやろうかと黒い感情がわいた。
 まぁ、いい。問題は敵勢力だ。
 この体に移ったせいか、向こうでの敵戦力が苛烈であったのか、襲撃の瞬間までなにが起こっているかも理解できなかったし、今現在でもどうなっているかもわからなかった。
 もうしばらく、そう、桜の体が黒の小聖杯に目覚めてから、何体かの英霊を取り込んでから移ってくるつもりであったが、背に腹はかえられない。
 さて、では、桜、おまえの体をいただこうではないか。
 思いの外確立されている、この魔力の通りのよい体を。

 

 

 

「おや、間桐翁、いや、マキリ=ゾウゲン、目覚めたかね?」


 開かれた視界の先にいたのは「緋色」の魔女。
 封印指定の魔術師。
 人形師。


「ああ、すまんね。その体は身動き一つ出来ないし、声も発することの出来ないデクだ。会話なんか出来るはずもなかったよ」


 な・・・なんだと?
 まさか! そんなはずはない!!
 私のこの体は、いわば桜の心臓そのもの。
 心臓を抜き出して処理でもしなければ、そんなことが出来るはずもあるまい。
 まさか、まさか、それがされたのか!?


「おお、さすが数百年の時を生きた魔術師の抜け殻。いい勘をしてる」


 からからと笑う人形師。


「いやいや、あんたはいわば私に渡された報酬でね。生きた魔力発生機にして魔術図書館ということさ」


 なんだと・・・、なぜそうなった・・・。


「疑問は尽きないだろうけどね、意識が戻ったのなら話が早い。早々にすべてを刈り取って、夢の中で満足な生を生きてくれ。あんたが魔力を作れる間は夢が続くだろうからな」


 ゆっくりと意識が黒に塗りつぶされる。
 ゆっくりと気力が黒に染まる。
 ゆっくりと、ゆっくりと・・・。

 

 

 

 

 

 

 一月ぶりの冬木。


 俺とシロちゃんは疲労で玄関先に倒れ込んだ。
 とりあえず、労働報酬分と桜ちゃんの心臓に巣くっていた奇怪生物の提供で割り引きされた人形制作費の穴埋めで制作手伝いまでさせられたのは計算外だった。
 で、器用さで俺が、精密さでシロちゃんが目を付けられ、正直勘弁してくださいというまで勉強させられた。
 たぶん、いまのシロちゃんだったら、自分の使い魔を人形で作れるな、うん。
 俺も今回の蒼崎師匠のところでの勉強で思いついた「人工霊魂」の作成手法をどうにかできるところまで追いつめた。
 後一歩踏み出せれば、向こうのマリアのようなアンドロイドを作れるだろう。
 まぁ、ふつうに霊魂を使った方がはやいんやけどなぁ。


「兄貴、もうすぐ終わりだな」
「ま、あとはみんなの身の振り方を世話せんとな」


 今回、疑似聖杯戦争を画策した間桐老人は、その自分の行いの精算という形で滅んだ。


 さすがにあれはフォローできん。


 踏み込んだその場、間桐の修行場で、桜を鍛えている最中だったのだから。
 ・・・つうか、あの虫、まずいやろ?
 下劣そのものやし。
 加えてエロエロな顔で孫を言葉責めしているようなジジイ、死ぬべきや。
 ということで、凛ちゃんのガンド乱れ打ちによってちりじりにされた。
 が、驚くことに、集まってきた虫がジジイを再生させる。
 続いてランサーが圧殺したが結果は一緒。
 とはいえ魂はその辺にあるから、一応、本体のはずなんやけど・・・。
 と考えたところで不意に思いつく。


 まさか、デミアンみたいに本体が別か?


 とりあえず、ライダーの土角結界で固めて、魂が移動するかを確認したところ、一応動きはなかった。
 なかったが、なぜか桜の心臓の部分に魂の糸がつながっている。
 そのことを指摘したところで、桜の意識が戻り、そして悲鳴を上げて気絶した。


 まぁ、あのじじいの石像が目の前にあったら、気絶もするわな。


 一応、シロちゃんは席を外してもらい、桜の部屋まで運んだ後で、いろいろと桜と話をした。
 初めは自分が汚れた存在で、他人とふれあう資格がないクズだと卑下してたんやけど、まず、凛ちゃんの慰めや説得、そして、俺から聞いたEU各国に散らばる魔術名家の修行内容を聞いて目を見開いた。


「・・・わたし、そんなことされたら自殺しますよ・・・」


 と、自分の不幸に溺れていた桜ですら同情する修行の内容を聞いて、凛ちゃんも青ざめてた。
 まぁ、その方向の深淵は暗いつうことやな。


 で、心臓の話を聞いたところ、なんとジジイの本体が桜の心臓に巣くっていて、魔術的にも外科医的にも引きがはし出来ないというのだ。
 その話を聞いて、真っ青になる凛ちゃん。


 でもなぁ・・・。


「なぁ、長期的には無理やけど、人工心臓じゃ、だめなんか?」
「「「「「あ・・・・」」」」」


 で、この分野、科学も魔術もかなり進んでるし、大概の無茶がきく。
 実際に心臓が壊されても、かなりがんばれば自力で修復できるのだ。
 だから、外科的にでも何でもいいからひっぺがして、心臓の代わりの代替心臓で桜を生かして、で、その間に魔力をたたき込んで修復させればいい。


 まぁ、こっちの方が先だけどな。

 

 

 

 なんというか、魔術とか常識とかをすっ飛ばした話だけど、桜は救われる。


 まず、肉体的には心臓が移植された。
 どうやって手に入れたかはしらないけど、さすがに適合率100%、って無茶よね。
 加えて、疑似魔術回路となっていた刻印虫と呼ばれている魔法生物が除去され、魔術的な負荷が全て無くなると、急速に肉体修復が進み、生活できるようになるまで時間はかからなかった。
 が、忠夫曰く、魂に問題はないけど霊体がぼろぼろなので、肉体を無理矢理魔術で修復しているだけとのこと。
 つまり、あの体では寿命が短い。
 結果、魔術的にいえば、最終的に魂が人形に移される。
 一体ついかーと言った忠夫を叩きのめして、桜にその話をすると、輝く笑顔になった。


「はじめてを、先輩にあげられる」


 あー、あー、わかったわかった、はいはい。
 まぁ、その気持ちは乙女的にはわかるんで、いいけどね。
 でもね、処女で少女で巨乳で経験豊富でって、どんだけ男の夢を詰め込んでるのよ、あんた。

 


 ・・・

 

 そんな処置が終わったところで、忠夫が蒼崎に連絡をしたところ、抜き取られた心臓にしがみついている怪生物を引き渡すなら、大幅値下げをしてくれる約束が出来、じつにありがたかった。
 さらに、桜から「黒の小聖杯」であった自分の体の提供のかわりに、人形制作が提案され、向こうでも大喜びとなった。
 なにしろ、アイリスフィールとイリヤスフィールの肉体が押さえられなくて、実に悔しい思いをしたそうだから。


 さすがに今以上の値引きは無かったが、以降の繋がりが出来たのはおもしろい縁だと思う。


 で、その事前準備と手伝いということで、忠夫と士郎が向こうに行って一ヶ月。


 やっとこさ帰ってきた。
 結果で言えば準備完了。
 土角結界で消耗を押さえられたサーヴァントたちを輸送しつつ、桜もつれて私たちは小旅行としゃれこんだ。

 

 

 

 


 アイリ母さんと爺さんと合流して、両儀家が準備した仮設工房へ全てを搬入した。
 運び込まれたのは5体のサーヴァントの土角石像。
 アーチャーとメドーサは帰還を望んだからだ。
 答えを得たと満足げなアーチャーに比べるとメドーサは未練が深いようだった。
 でも、自分がこのままとどまれば、神魔に目を付けられるだろうから、と彼女は言う。
 さすがに神魔そのものを相手することなど、魔法使いぐらいしか不可能だろう。

 
「またあえる。今あえたんや、また会える」


 そういって、きえゆくメドーサと兄貴が抱き合っていたのは印象的だった。


「ねぇ、タダオ。メドーサのこと好きだったの?」
「・・・家族みたいな関係だった。俺はなぜか人間より魔族やら怪異に好かれてね。だから、こんな別れをまたすることになるとは思わんかった・・・」


 泣き崩れる兄貴を、遠坂とランサーが抱きしめる。
 アサシンも顔をぐちゃぐちゃにして兄貴に抱きついていた。


 そんなことを思い出している中で、作業はどんどん進む。
 実際、人形制作の部分でなら手伝えるけど、核心部分じゃ俺の手伝えることはない。
 兄貴は、いろいろとレアスキルを持っているんで、最後まで手伝えるらしいけど。


「タダオ、安定させろ!」
「はい!」
「タダオ、ルート確認!」
「はい!」
「タダオ、ちゃ、いれろ!」
「それ、シロちゃんでええやろ!?」


 やばいやばい、さぼってる、俺。
 茶は兄貴より俺の方が旨いし。

 

 

 

 

 


 久しぶりに帰ってきた我が家には、かなり住人が増えた。
 士郎と忠夫が呼び出したサーヴァント達。
 セイバー・ランサー・アサシン。
 いや、アルトリア=ペンドラゴン、呂布、陳宮という歴史上の英雄達。
 そして、現在リハビリ中で我が家に逗留している間桐桜嬢。
 加えて彼女の補助をかってでている遠坂凛嬢。
 二人の少女はそれぞれ士郎と忠夫に懸想しているらしい。
 そんなものだから、イリヤの機嫌が悪すぎる。
 まぁ、どっちも君の弟なんだから、それでいいじゃないか?


「キリツグ、わかってないわ! どっちも家門の女のよ、それを奪われて、ヘラヘラしてられるわけ無いわよ!」
「しかしね、イリヤ。一応、二人とも弟だし」
「これだけキリツグやママが教育してるのよ? 衛宮の魔術師なのよ? その辺の感覚が薄すぎるわ!」


 実に魔術師的に正しい話だけどねぇ。


「でもね、イリヤ。ママはこう思うの。ゼロサムゲームに救いはないわ。だったら、みんなで共有すれば? ママみたいに・・・」


 あ、あ、あ、あ、アイリ?


「ふふふ、知らないとでも思ってるのかしら? それとも知られていないとでも勘違いしていたのかしら? ふふふふふ」


 や、やばい、これはまずいよ。


「忠夫、士郎、僕はしばらく旅にでるから!」
「逃がさないわよ、キリツグ!!」


 ああ、青い明日に向かってジャンプだ!!

 

************************************************
というわけで、「GS Fateっぽい何か」一部完です。
この後の展開も無いわけではないのですが、区切りのいいところまで書けていないので、誕生日記念アップはここまでとさせて頂きます。


評判が悪くなければ、続きをアップさせていただきたいと思います。


出演サーヴァント
セイバー 真名 アルトリア=ペンドラゴン(Fate原作)
ランサー 真名 呂布 (恋)(真・恋姫無双)
アサシン 真名 陳宮 (音々音)(真・恋姫無双)
ライダー 真名 メドーサ(GS)
アーチャー真名 エミヤ=シロウ(Fate原作)
キャスター真名 メディア(Fate原作)
バーサーカー真名 関羽 (愛紗)(真・恋姫無双)

何気に恋姫率が高いw

11/13 修正しましたー
2012/04/03 OTR移転版 + 小修正

 



(4,724文字)