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秘密保護法案 開かれた司法に逆行する

2013年12月04日(最終更新 2013年12月04日 10時34分)

 「裁判の公開」を掲げる日本国憲法にも、非公開が可能な例外規定がある。「公の秩序や善良な風俗」を害する恐れがあると裁判官が全員一致で決めたケースだ。

 この場合も、政治犯罪をはじめ集会や言論、表現の自由など憲法が保障する国民の権利が問題となる事件の審理は、常時公開の義務を定めた「ただし書き」がある。

 特定秘密保護法案が成立し、同法違反罪に問われると、裁判はどうなるか。日本弁護士連合会は「憲法の『ただし書き』に該当する」と指摘する。しかし、公判で検察が特定秘密を明かさなければ、被告が罪に問われた秘密の内容を知らされないまま審理は進む。反証も難しくなり、被告の裁判を受ける権利を侵害する恐れもある。

 この法案は「開かれた司法」に逆行する。さらには憲法の精神にも反するのではないか。秘密の定義が不明確な現状からは、そんな疑念すら抱かざるを得ない。

 さらに問題なのは、特定秘密が公判で出されなくても、有罪になる可能性があることだ。法曹関係者の中には、周辺の状況や外形的な事実を積み上げて立証すれば事足りるとの考え方もあるという。

 テロ行為になぞらえたことは撤回したものの、絶叫調デモを「本来あるべき民主主義の手法と異なる」と重ねて批判する石破茂自民党幹事長の言動をみると、市民運動さえ処罰の対象となるのではないか、との懸念は拭えない。

 ただ、法案に反対する弁護士などは、実際に公判手続きまで到達する事例は少ないとみている。

 強制捜査や逮捕、勾留などで、容疑者らに大きな社会的ダメージを与えられるからだ。「秘密」の問題で公判維持ができないと判断すれば、検察側は起訴猶予などでとどめることもできる。

 これでは、なぜ捜査対象になったのかも「秘密」のベールに覆われかねない。このような事態が続けば、社会全体が萎縮して、取材や報道だけでなく、市民の自由な発言や行動まで不当に封じ込まれてしまうのではないか。問題だらけの法案と言わざるを得ない。

=2013/12/04付 西日本新聞朝刊=

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